まずは一歩です!

 忙しい人向けのまとめ
【めちあさんがお外に行けたお話しやったーなのです!をめちあさんの目線でリアルに綴りました】

 ※この記事はパニック障害の患者の私の一例になります。なるべくわかりやすく、思ったこと、感じたことを心のまま綴っております。今まさに戦っている方や、周りの方がどう感じているか等参考になりましたら幸いです。

 ※苦手な方もいると思います。無理は絶対にしないでくださいね。お約束ですよ💕


 師走のスーパーマーケットは、こんな辺境なゆめかわ星でも混み合っているのですか、と思うくらいにお客様で溢れていたのでした。

 おそらく毎年思っているのでしょうけれど、また私は思うのです。

 愉快な音楽が流れ、クリスマスモードに包まれた彩りあるきらびやかな店内がとても好きです。ですが、それもまた脳内に入ってくる情報なのです。たくさんの人たち、音、声、色、デザイン。

 今日は、大好きなものが"ごちゃごちゃ"へ変わってしまいました。

 心拍数が上がり呼吸も苦しくなっていきます。恐怖すら感じ胸が締めつけられ、意識も朦朧とし始めた時にまずい、と思いました。このままでは過呼吸を起こしてしまいます。

 太ももをつねり、ネックバンド式のBluetoothのイヤホンをオンにしました。ネックバンド式にこだわっているのは、パニック発作でも無くさないことと、常につけていられるので非常時に使えるからなのです。

 一緒に来ていた母上はすぐに気がついてくれまして、車内に戻るようにと言ってくれました。

 しかし、しかしです。母上もまた戦う戦士なのです。足の痛みが、特に強くなってしまっていたのでした。

 「私はどこも痛くないのです。お買い物行くです。私は母上から五体満足の丈夫な体を頂きました」

 「敬語をやめなさい。今は普通の言葉の特訓中でしょ? あと痛くなくても今めちあは苦しいんだから」

 「アッハイ……普通語……。ええと、苦しいのは大丈夫。平気だから行きます」

 私の療養期から逸れてしまいますが、ここで母上のお話をさせてくださいです。母上の体は手術をしても治らないのです。痛みが強いか・強くないかのどちらかでございます。

 今日、とりわけ最近は強い痛みが続いていて歩くのも大変なのです。

 母上の私の介護は、大きな負担になってしまっているのです。実は、私の重症度的には、入院をしなければなりません。私自身も母上の負担が少なくなるからと望んでいまして、何度も話し合っています。

 ですが……残念ながら、私にはある理由で病院や病棟、救急車にトラウマがございます。入院するとなると、私にとって恐ろしく思っている記憶が反芻されて悪化する恐れがあるのです。

 私は症状が出た時に、苦しいと感じますが我慢をできますです。

 どんなに苦しくとも、私はいいのです。私がとても悲しいことは、私の病気によって誰かに迷惑をかけることと、大切な人の力になれないことでございます。

 カフェインはパニック障害によろしくありませんですが、私はエナジードリンクを飲み無理矢理体を動かさせました。
いつものことです。お外にスッと出られる時と出られない時があるです。皆様はできるだけ真似をしないでほしいでございます。

 普通のお買い物も戦争でございます。

私はたくさんの人を目にしたり、ざわざわしているところに行くと、パニック発作のトリガーとなりやすいみたいです。 

 パニック発作以外にも、何らかの精神的な症状があるかもしれません。心の病に分類されるものは、曖昧で目に見えず、非常に難しいのです。もちろん、外科・内科の病も個人差があるですね

 100人患者様がいましたら、100通りの病気がある、と私は考えてますです。

 またまた、話がそれてしまいましたね。

 私は、母上に絶対についていき、絶対に力になりたかったのです。

 お互いに抱えている病は一つではありません。このような場面が多々あり、今日もいつもの私の日常でございます。

 いつもでしたら……私は行っておりませんでした。

 倒れてしまった方が迷惑がかかってしまうです。

 今が平気でも帰宅後に疲弊してしまって、疲れがパニック発作のトリガーとなってしまったらどうしましょう?

 寝込んでいる姿ばかり見せては、母上も父上も悲しくなってしまうでございます。

 たくさんの不安が一気に浮かび上がってくるのです。

 私が元気でなければ、母上は救えませんです。まず自分を優先すると約束をしていましたです。

 私は、同じビル内の比較的人の少ないお店で体を慣らしてきます、と言いました。普段お家で過ごしている私にとって、お外のお店を歩くことは、時に大変さを伴います。

 暴露療法、というものがございます。お外にいると苦しいですが、お外にいることによって慣れるようにする治療なのです。スーパーマーケットは、私にとってレベルが100ならば、静かな店舗はレベル30くらいと例えましょうか。ならば、まずはレベル30から行きましょうと私は行ってみましたです。

 少しお買い物をした後、私は母上と合流しましたです。レベル100のスーパーマーケットは……やはり攻略が難関でございます。ぐぐぐと胸のあたりが苦しくなり、締められているようになってしまいました。

 ――でも、もうすぐお会計なのです。あと少しだけ、あと少しだけでも。

 無理に無理を重ねた状態で混乱しつつあるめちあさんでしたが、頭にぽんっと浮かびました。

 お薬なのです!

 閃いたらどんどん、ハートのアホ毛がぴょいぴょいと動き頭の回転が早くなっていきました。

 今は過呼吸気味でございます。
 お外にいるので気を張っていて動けてますが、帰宅後は脱力するでしょう。
 ああ、お飲み物を持ってきてないのです。このままでは飲めませんです。
 駐車場の自販機はお値段がお高めなのです。買うならば……今しかありません!

 私は「お薬のお飲み物がないでございます。今から買いに行ってきますです」と隣にいる母上に伝えダッシュで戻ってきましたです。

 お飲み物のコーナーにお水をみつけたです!

 「すみませんが一緒に買い物かごに入れてくれますか」とお願いをしまして、お薬を飲むためのお飲み物を確保しましたです。

 ぴっぴっとレジで店員さんがお会計をしてくださっている間、ふと目に入ったのが自動精算機の液晶画面でした。なんと、クリスマス仕様になっていたのです。全体が赤で、雪だるまが端っこにいましたです。かわいいのです!

 呼吸が乱れているからこそ、きょろきょろ見渡さずどこか見つめていようとしたところ発見したのでした。

 「見てくださいです、クリスマスなのです」
 「ほんとだ」
 「かわいいです」
 「普通語を使いなさい。苦しいでしょう。戻っていいよ」
 「えっと、普通語……やだ。やだ。勝つ」
 「やだじゃないよ。それと普通語変だよ」
 「慣れてないの。やだ。最後までがんばる」

 私は宣言通り、お会計を終え車へ戻るまで、リタイアはしませんでしたです。乗り越えたという自信がつき、ちょっとだけ余裕までありましたです。

 速攻でお薬を飲み、もう大丈夫だと言い聞かせますです。

 案の定帰宅後は脱力してしまい、主に下肢――足を動かしにくくなりました。頭も、ぼへ……へ……と座り込んでしまいましたが一つ強くなれましたです。

 実は時期的に体調が厳しくなるタイミングでございました。普段ならば、ずっと寝込んでいて車内で待機もできなかったことでしょう。

 皆様から日々元気を頂いているからです。頑張っている人を知っているからでございます。

 努力していること、つらいこと、痛いところ、体の傷、心の傷、悩み、全てが違いますです。

 何かに頑張って、何かに耐えて、我慢したりなさってます。

 もしかしたら、医学的に見て私は寛解へ向かってないかもしれません。

 しかし、この日はパニック発作で倒れているはずが、お買い物へ行って帰ってくることができましたです。

 私にとっては大きな大きなことです。
 私はまた一つ、自信がついたのです。心の宝箱の中に、宝石が一つ入っていきました。

 冬は日照時間が少なく、落ち込んだりしやすい時期と聞いております。

 どうか読んでくださったあなたが、幸せなクリスマスを過ごせますように。
 健やかに新しい一年を迎えますことを心から祈っております。

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