第7回「アホと未知との遭遇 -世にも奇妙な作品-」
前回の「アホと未知との遭遇 -奇妙な小噺-」に続き、今回は「-世にも奇妙な作品-」をお送りします。
前回放送は、こちらから↓
オカルト、都市伝説、UFOや不思議体験を語った前回の「奇妙な小噺編」に続き、今回は、世界に溢れる奇妙な作品を4人がチョイス&レコメンド!
アウトサイダーアートから、いわくつきの音源や漫画に映画まで「世にも奇妙な作品編」スタート!!!
MIGHTY : はい!めっちゃエイリや~ん「アホと未知との遭遇」回、最終話です。
今回は、世の中の色んな作品から不思議な作品であったり、ちょっと奇妙な作品。色んな伏線が張られている様な作品。
そういったものをみんなで紹介して行きたいと思います。
一同 : はーい。
鈴木 : 音楽とか、漫画とか、絵とかみんな好きやけど、オカルトとかUFOとか、繋がってる物ってあるかな?
けど、全部繋がってるか。
MIGHTY : まぁ、いわく付きの作品とかね。
鈴木 : あるもんね。そういうの。聴いたら自殺したくなるとか。
ショウゴ : 笑
鈴木 : 逆再生したら何かに聞こえるとかね(笑)。
けど、あんまりアートもそうやけど、音楽なんかは、そこまで変なモノって聴いた事無いよね。
一同 : ないな。
鈴木 : わかるしね。バックボーンとか。
だってほんまに危なかったら世に出えへんかったりするもんね。漫画とかも
一同 : うんうん。
MIGHTY : BUCK-TICKの「Six / Nine」っていうアルバムがあるねんけど。それは回収になってるねん。
Buck-Tick – Six / Nine 初回盤
(CD, Album.Invitation.1995)
鈴木 : あー、あったね。
MIGHTY : それは、なんでか?って言うたら、コーランの音が入ってて回収されてる。
中村 : へー。
MIGHTY : そういう、ちょっと宗教的な素材が入ると、回収されたり。
あと、わりと多いのがヒトラーの演説を使ってたりとか。。
一同 : あー。
MIGHTY : サブリミナル的に演説をサンプリングしてたりする作品があるってのは聞いたりするけどね。
じゃあ、今日はまずショウゴ君からいきましょか。
アウトサイダー・アート 衝動暴走創造
ショウゴ : はい。僕は特定の作家ではないんですけど、「アウトサイダー・アート」っていう括りのアートですね。
鈴木 : もう今や。
ショウゴ : うん。今や普通に認知されてる。
MIGHTY : この「アウトサイダー・アート」っていうのはどういう作品を指すんですかね?
ショウゴ : えっとね。芸術とかの教育を受けてない人たちがやってるアートで、ちょっと精神障がいの人とか、身体的に障がいがある人の絵が多い。
一同 : ふんふん。
ショウゴ : 「アウトサイダーアート」と、シリアルキラーの絵もちょっとそういう要素もあるから。結構似てるかな。その人の生き方を見ながら、見てたりしてたら面白いかな。
鈴木 : 最も有名なのがヘンリー・ダーガーやね。
ショウゴ : うん。ヘンリー・ダーガーが有名で。
MIGHTY : その人はどういう人?
鈴木 : 普通の掃除のおっさんか何かやんね?
ショウゴ : そう。半分ホームレスみたいなおっちゃん。
MIGHTY : キレイな絵やね。
中村 : うん。キレイ。
鈴木 : 女の子の身体を知らんくて、全部ちんちん生えてるねん。
(*意図的に男性器が描写されているなど諸説あり)
MIGHTY : あー。
中村 : えー!すごい。
ショウゴ : これを誰に発表するわけでもなく、家の中でずーっと描いててん。
で、昨日ちょっと調べたんやけど、ヘンリー・ダーガーに家貸してたオーナーの人がめっちゃ良い人で、色々世話したりしててんけど、ダーガーが身体の調子が悪くなって病院に入院した時に、家に入ったら、この作品があってん。
で、ダーガーは、60年くらい描いてるねん。
MIGHTY : へー。
ショウゴ : この絵も挿絵やんね?
鈴木 : うん。絵物語。
ショウゴ : そう。実は、小説。
中村 : えー!
MIGHTY : 小説も自分で考えてるの?
ショウゴ : うん。全部。
で、ギネスには認定されてないねんけど、世界一長い小説と言われてる。
鈴木 : で、その絵もトレースしてるねん。
自分で、全部考えたわけじゃなくて。
ショウゴ : 絵が下手やから。
MIGHTY : あー、何かの絵を元に。
ショウゴ : そうそう。昔は、ゴミを集めてコラージュとかをやってたりしてたけど、最終こういう感じになって、で、大家さんが見つけて死ぬ前のダーガーに「これすごいやん!」って言いに行ったら、「もう遅いわ。」ってダーガーが言うたって書いてた。
中村 : 笑
ショウゴ : 絵もよく見たら結構グロい。
鈴木 : そうそう。
MIGHTY : 奇妙やな。
ショウゴ : メルヘンやけど。
鈴木 : 何か宇宙戦争がどうとかいう話やったんちゃうかな?
ショウゴ : そうそう。話が結構難しかってんけど、ヴィヴィアンガールっていう子達と何かの戦い。
中村 : へー。
鈴木 : 別に誰に発表するわけでもなく、仕事終わったら狭い家で描いてたんやね。
中村 : その小説も本になってるの?
鈴木 : いや、多分膨大な量やから。僕もダーガーの全部の内容を見たいと思うけど、画集でもちゃんとしたやつが出てない。
MIGHTY : 長すぎるんやろな。ギネス記録と言われるくらいやから。
ショウゴ : 本人は捨ててほしいって書いてあったけどね。燃やしてくれって。
一同 : へー。
ショウゴ : だから、何のために書いてたのか?っていう。
ただ自分が没頭するというか、精神安定剤のために描いてる。
MIGHTY : なんか、郵便局員でさ、一人で城みたいなん建てた人いるやん?
鈴木 : あー!最初、石につまづいて、気になって、石で宮殿みたいなん作った。
MIGHTY : そうそう。一人で誰にも知られずに、石だけですげー奇妙な建物を建てたっていう。
シュヴァルの理想宮
(郵便配達員フェルディナン・シュヴァルが33年をかけて建築)
鈴木 : あれも、アウトサイダー・アートやね。
中村 : へー!
MIGHTY : 何十年もかけて。
ショウゴ : だから、発表したいとか、有名になりたいとか、売れたいとかじゃなくて、ただ衝動で描いてる人がかなり多い。
MIGHTY : うんうん。すごいね。
ショウゴ : このマッヂ・ギルって人も結構好きなんやけど、この人もずーっと女の人の顔ばっかり描いてて。
ショウゴ : で、これも発表する気とか、売る気もない。
マッヂ・ギルは、霊が降りて来て描いてるって言うてる。
中村 : へー。
ショウゴ : 「霊が降りて来てくれてるのに、作品を売るのはあかん!」みたいな感じで、絵は売ってない。
MIGHTY : この人はまだ生きてるの?
ショウゴ : もう死んでる。1961年に。
鈴木 : けど、アートっていう風に扱う事によって、アートになるけど、この絵がそれこそ中村君が住んでた廃墟とかにポンと置いてあったらメチャクチャ気持ち悪い(笑)。
一同 : 笑
中村 : なんじゃこりゃ!?やな。
鈴木 : そうそう。でも今はこれがね、結構メジャーになってる。
MIGHTY : 時々、街中にもあるやん?ものすごい量の張り紙にめっちゃ細かく字を書いてる人やったり。
鈴木 : あー、電波系。
MIGHTY : わりとそういうのに近い。
ショウゴ : うん。近い近い。それをうまい事、消化できてる感じ。
鈴木 : 今回、僕が持って来たのもそういう感じやねんけど、「二笑亭綺譚」っていう。
MIGHTY : これは誰の作品?
鈴木 : 作品というか、渡辺金蔵って人がいて。
急に自分の家を改築しだした人やねんけど。
ショウゴ : すごいね。
鈴木 : 何か、無意味な感じやねんけど。
MIGHTY : え?家を、、これは何をしてるの?
鈴木 : ちょっとおかしくなっちゃって。
これを詳しくなんて説明したら良いのかわからへんねんけど、水木しげるがこの人について描いてる漫画があるねん。
鈴木 : 海外でも降霊術か何かに取り付かれた女の人がさ、霊から自分を遠ざけるために死ぬまでずっと家を改築した話があるねんけど、そういうのに近い感じ。
中村 : へー。まぁいうたらアートとしては、やって無いんやね。
MIGHTY : やってないでしょ。そういう衝動に駆られてるんやろな。
中村 : 意味が無い改築?
MIGHTY : その人の中では、意味はあるんちゃう?
中村 : あー、そうか。
例えば、太い一かかえもある程の檜丸太を輪切りにして並べた縁側らしいものがあるが、それは何のために作ったものか全く判断に困るものである。賽の子縁のつもりかも知れないが、そのスケールの桁がはずれた形態感は、何か巨大な怪物が舌をなめずり廻しているようにも見える。或いは1本の値段が数百円もするだろうと思われる立派な桜の幹を、惜しげもなく長押に使っているのにも、度肝を抜かれてしまう。そうかと思うと深さが5寸ほどしかない浅い押入があったりして笑わされる。階段も、非常に勾配が急で、その上、廻り階段になっているので、毎日これを昇り降りした足は、獣のように強かっただろうと想像させられる。物のかげから、丸太ン棒のような大きなすりこぎが出て来て、驚かされもする。
建築家 谷口吉郎
鈴木 : この人のきっかけは、一本の電話からおかしくなったみたいな感じ。
MIGHTY : え?どういう事?
中村 : 電話がかかって来て?
鈴木 : なんしか、電波をキャッチしてしまったんやろね。
ほんで、そっからずーっと取り憑かれたように改築しまくってる。
この渡辺金蔵を取り上げた、式場 隆三郎っていう人が山下清を見いだしたりしてて。
一同 : あー!
鈴木 : 多分この時代の、アウトサイダーみたいなのを研究してたんかもね。
さっきも言うてたみたいに、パッと見た時に不気味な物とか、不思議な物ってなんでか惹かれてしまうというか・・・なんなんやろうね?
一同 : うんうん。
MIGHTY : ショウゴ君が収録前に話してた漫画も。
ショウゴ : 「人間時計」ね。
「人間時計」徳南 晴一郎
MIGHTY : うん。「人間時計」も、同じ様な感じやな。
ショウゴ : けど、あれはどうなんかな?意図してないのかな?
MIGHTY : あの絵も、凄みあるけどなぁ。
鈴木 : うん。ナチュラルボーンな感じはするけどね。
MIGHTY : あれは、何で連載されてたん?ガロ?
鈴木 : いや、もっと古くて貸本時代とかの人。
MIGHTY : あーそうなんや!
鈴木 : でも、時代物の漫画とかも描いてるねんけど。
MIGHTY : 人間時計だけが、ああいう感じなん?
鈴木 : うん。あれが、そういう不気味な感じやねぇ。。
(*時代劇物の漫画も十分不気味でした!)
ショウゴ : めっちゃ気持ち悪い。
鈴木 : 一時期クイックジャパンとかで「消えた漫画家」っていうシリーズがあって、あれで再評価されて、漫画も今は比較的読みやすいと思う。
ショウゴ : 普通に買えるよね。
MIGHTY : すっごい気持ち悪いよな。
ショウゴ : めっちゃ変。
鈴木 : 狂人が描いた様な感じやね。
漫画とかにおいては、あんまり無いもんね、ほんまに狂ってしまってる人が描いてる作品。
気持ち悪いし不気味やけど、見てしまうというか。
ショウゴ : そうやね。
犯罪者の方も、マンソン(チャールズ・マンソン)とか、ピエロの・・・
鈴木 : ポゴクラウン。
ショウゴ : うん。ポゴクラウンのジョン・ウェイン・ゲイシー(「IT」殺人ピエロ、ペニーワイズのモデルとなった人物)とかもいるけど。
ゲイシーは、もう完璧に金儲け。オーダーを受けて描いてたみたいな。
MIGHTY :あー、それは捕まってからってこと?
ショウゴ : うん。だからそういう人もいるけど、それとまたアウトサイダー・アートは別かな。
完璧に衝動。
一同 : うんうん。
鈴木 : これも楽譜になってる。自分が考えた王国の。
ショウゴ : そうそう。この人は、アドルフ・ヴェルフリって人。
中村 : へー!
鈴木 : すっごい、荒くれ者やったらしくて、暴力とかで牢屋に入れられてて、そこでリハビリ的なので描きだしたんかな?
ショウゴ : そうやね。
中村 : それでこんな絵をかけるようなんの!?
鈴木 : すごい緻密な(笑)。
MIGHTY : すごいな。
ショウゴ : おかしい。
こういうのに、昔影響を受けたかな。
一同 : うんうん。
MIGHTY : 石切神社のさ、周辺の絵もやばいよね。
鈴木 : あー!漢方薬屋(髙木薬房)かなんかのやつ。あれもう無いよね?
MIGHTY : うん。もう無い。
ほんまにつげ義春の世界(笑)。
鈴木 : うん。つげ義春とかの感じやね。
ぼろぼろの壁とかに「痒い」とかかいてたり(笑)。
MIGHTY : 病気の症状で「かべつちを食べる」とかな(笑)。
中村 : 笑
鈴木 : あったね。
確か、そこの漢方薬屋のおじいさんに根本敬がインタビューしてるのもあるはず。
根本敬 「人生解毒波止場」より
OUT OF STEP MUSIC
鈴木 : あと、前にも話に上がってた、キャロライナー・レインボーっていう、アメリカのバンド。
一同 : うん。
Caroliner Rainbow
鈴木 : 家にネズミの死骸とかを飾ったりしてたみたいやけどね(笑)。
キャロライナーの音源とか買った事ある?
ショウゴ : ないな。
鈴木 : 何かレコードと一緒にゴミみたいなんが入ってたり(笑)。
MIGHTY : ほぼゴミやもんな(笑)。
一同 : 笑
鈴木 : キャロライナーもアウトサイダーなんかな?
MIGHTY : あれは意図的じゃない?
鈴木 : 意図的か。
ショウゴ : そのへんがね。
MIGHTY : アートとしてやってる感じがあるけど。
ナチュラルボーンは、そんな音楽なんか出来へんやろ。バンドとか。
鈴木 : シャッグス(The Shaggs)とかは?
MIGHTY : シャッグスは、天然でなってもうてる感じやな。
鈴木 : シャッグスって、楽器出来へんのやったっけ?
ザッパ(フランク・ザッパ)が見いだしたんやね。
フランク・ザッパ
中村 : へー。
MIGHTY : スカムやな。
鈴木 : スカム(笑)。
そうなって来たら、音楽の方でもそういうアウトサイダーって何か出てきそうやね?
ほんまにヤバいやつって僕らの時代でもおったっけ?
MIGHTY : あの、、こないだ捕まった、2人組の。誰やったっけ・・・?
女の子と、ギターの男の子の。。。
鈴木 : え!?そんなんあった?
中村 : なにそれ?
MIGHTY : 男の子の方が、セクハラで逮捕されてもたグループ。
メチャクチャヤバいよ。
鈴木 : へー!
ショウゴ : それ知らん(笑)。
どうヤバいの?
MIGHTY : とりあえず、見たらわかる。
(YOUTUBEで検索中)
あ!「LOOP H☆R」っていうバンド。
HOT LINEっていうアマチュアバンドの大会があって、それがニコニコ動画で話題になってんけど、その大会は、ほんまにスカムの宝庫!
一同 : 笑
(一同で視聴中)
MIGHTY : ドラムとか足したらHERESYみたいなりそう(笑)。
一同 : 笑
鈴木 : ハードコアとか音抜いたらこんなんなりそうやね(笑)
一同 : 笑
MIGHTY : これで、やってもうてるのが凄いよな。
一同 : うん。
MIGHTY : この動画ですごいボスって、全国にも呼ばれるようになって。
中村 : まじで!?
MIGHTY : 全感覚祭とかも出てない?
出てなかったかな?何年か前に。
中村 : あー、けどなんか、出てそうやな!
MIGHTY : あと、このHOT LINEに出てる金魚草っていうバンドもいて、それもめっちゃヤバい。
中村 : それ見よ(笑)。
MIGHTY : それは、高校生のモンパチ(MONGOL800)のコピーバンドやねんけど。
一同 : 笑
ショウゴ : スカム祭りやん(笑)。
MIGHTY : 「小さな恋の歌」。これ超スカム。
(一同で視聴中)
鈴木 : このHOT LINEって普通のバンドも出るん?
MIGHTY : うん。普通の高校生とか。だから多分どっかの練習スタジオがやってるような大会やとおもうねんけど。(*正しくは島村楽器主催のコンテストでした。)
ショウゴ : コピーもいいんや?
MIGHTY : うん。コピーバンドもいっぱいおるねん。
一同 : 笑
MIGHTY : で、こういうバンドがいっぱいおるからネット上で、この大会がヤバい!って話題になって(笑)。
中村 : 地獄やね。こんなん行ったら(笑)。
MIGHTY : HARD CORE DUDEどころじゃないからね。
ショウゴ : 音やばい(笑)。
中村 : ペッケペケやな(笑)。
エフェクターとかないんちゃう?
MIGHTY : 知らんのやろ。
ずっと同じリズムやし。
ショウゴ : 全員下手ってヤバい(笑)。
一同 : 笑
中村 : HOT LINEやばい。
MIGHTY : まぁ、ちょっと脱線してもうたけど。
鈴木 : これ、でも練習したら上手なって行くやろね(笑)。
一同 : 笑
中村 : アウトサイダーアート。
MIGHTY : ナチュラルボーン(笑)。
鈴木 : なんでもそうやんね。初期衝動的にヤバかった奴が、評価されて面白くなくなってくるっていう。
一同 : うんうん。そやな。
MIGHTY : また、感覚が変わってくるっていうね。
鈴木 : それでいうたら、ヘタウマって言われてる人も意図的に描いてる人は、めちゃ上手いっていうもんね。わざと崩せる人。
ショウゴ : はいはい。
MIGHTY : 多分、ずっと続けて行くっていうか、プロとして商売になるのは技術が無いと絶対無理やもんな。
一同 : うんうん。
MIGHTY : また、そういうのとは別やね。アウトサイダー・アートは。
鈴木 : これが、そういう奇妙な話に繋がるんかはわからんけど(笑)。
MIGHTY : まぁ、けど奇妙な作品ではある。
一同 : うんうん。
鈴木 : 昔「笑っていいとも」でさ。B’zのCD買ったら変な音が入ってたっていうのがあったけど。
一同 : あった!
B'z 「RISKY」 (CD,Album.BMG.1990)
鈴木 : あれ中身が実は灰野敬二やったっていう裏話があった様な気がするねんけど(笑)。
「不失者」かなんかで(笑)。
一同 : 笑
鈴木 : ミスかなんかでB’zの中身が「不失者」になったっていう(笑)。
MIGHTY : ミスプレスで!?
灰野敬二 「滲有無」
(CD,Album.P.S.F. Records.1990)
この曲の真相は、灰野敬二の「滲有無」という曲だった。
鈴木 : なんか、あったよねそういうの。声が入ってるとか。
一同 : あった。
中村 : ドリカムとかな。
MIGHTY : あー、ドリカムの「go for it」な。
中村 : 「せんぱーい!」かなんか入ってるとか。
Dreams Come True 「Go For It!」 (CD, Single.Epic.1993)
2:56に「あおいちゃーん!」という声が入っている。
奇妙に過ぎるケース
MIGHTY : 大槻ケンヂが「奇妙に過ぎるケース」っていう風に言うてるねんけど。
一同 : ふんふん。
MIGHTY : 英語でいうたらね。「ハイストレンジネス」って言う現象やねんけど。
鈴木 : 「ハイストレンジネス」?
MIGHTY : そう。楳図かずおがさ、漫画の中で頭から両手が生えた人間を描いてんな。
で、ある日、誰かが家に訪ねて来て、ドアを開けたら頭から実際に手が生えてる人が来て、「描くな!」と言われたと。
ショウゴ : 笑
中村 : 俺を描かんといてくれと(笑)。
MIGHTY : そう(笑)。実際に描いた人物が現れるとか、そういうケースの事やねんけど。
結構他にも事例があるのよ。
ショウゴ : え!?
MIGHTY : 平井和正っていう「幻魔大戦」とか描いた人がいるねんけど。
小説家 平井和正
鈴木 : うんうん。
MIGHTY : あの人が「ウルフガイ」っていう狼男の作品を描いてて、その主人公が犬神明っていう男で、狼男になるねんけど。
MIGHTY : それを連載してる時に、投書か何かで「私が犬神明です。」っていう人が連絡くれたらしいねん。
家族か、知り合いかが「ウルフガイ」シリーズを見つけて。
ショウゴ : 笑
鈴木 : ほぉ!
MIGHTY : で、最初は平井和正も適当にあしらってたらしいねんけど。
鈴木 : ヤバい奴や、みたいな。
MIGHTY : そう。けど、言うてる事がどうもおかしいと。
で、平井和正は、実際その人に会って話を聞いてみて、「これは、犬神明や。」と(笑)。
一同 : 笑
中村 : 納得したんや!
MIGHTY : で、実際その当時のSF雑誌でその人と対談までしてるねん。
一同 : へー!
SFアドベンチャー 1986年8月号(徳間書店)
MIGHTY : 俺は、その本を読んで無いけど、平井和正本人は大真面目に紹介してたみたい。
鈴木 : へー。
MIGHTY : そういう現象があるっていう話。
面白いよね。
鈴木 : 大槻ケンヂが2つとも話してたん?
MIGHTY : 去年出たアルバムで曲にしてて、「奇妙に過ぎるケース」っていうのを。
で、そういう話を紹介してた。
MIGHTY : で、楳図かずおの話は、昔聞いた話やね。テレビとかで。
鈴木 : 僕は、猫目小僧が、家に来たって話を聞いたけどな。
何かですり替わってるんかもわからんね。
呪いの映画 Message From Outerspace
MIGHTY : で、あといわく付きの映画ね。
結構あるやん?
「ポルターガイスト」で、実際に人が死んだり。
鈴木 : あー、主演の女の子が。
MIGHTY : あと、「サスペリア」でも実際の心霊現象が映ってたり。
中村 : えー!?
鈴木 : 最初のタクシーか何かのシーンやんな。
MIGHTY : そうそう。
2:01秒のシーン左下に女性の叫ぶ顔が映る
鈴木 : けど、「エクソシスト」もちゃんと見た事なくて、見たら。
あれも最初、古代文明みたいなんから始まるねんな(笑)。
ショウゴ、中村 : へー!ちゃんと見た事無いわ。
MIGHTY : そうやねん。あれも悪魔払いの話のようであるけど、実は、あの悪魔の正体っていうのがパズス神っていうメソポタミア文明の神やねん。
ショウゴ : あ!そうなんや(笑)。
鈴木 : 最初に古墳を掘ってるねんな。
中村 : へー。
MIGHTY : そう。そのパズス神の像が遺跡から出てくるねん。
で、最後に神父さんが女の子に憑いた悪霊を倒すときも、女の子の後ろにパズス神がブワーって浮び上がるねん。
ショウゴ : ヘー、そういう話なんや。
MIGHTY : で、そのパズス神っていうのがイラクのメソポタミア文明トップの悪の神。
けど、疫病とかの神様として祀られてるねん。
Pazuzu - Mesopotamian Demon, 1st Millennium BC
鈴木 : 今見たら、っていうのが結構あるよね。「ゾンビ」も最初宇宙の爆発から始まるねん。
MIGHTY : あ、そうなんや!
一同 : 笑
中村 : へー!
鈴木 : それ、カットされてるバージョンとされてないのがあるねん。
たぶんそれで、病原菌みたいなんが降って来てみたいな感じなんかな?
MIGHTY : 実は、エイリアン的な要素があるんや(笑)。
鈴木 : めっちゃエイリや〜ん(笑)。
それ、多分YOUTUBEとかにあると思う。宇宙の爆発から始まる「ゾンビ」。
MIGHTY : ちょっとなんか、「寄生獣」的な感じもあるな。宇宙から降ってくる的な。
ショウゴ : そやね。
鈴木 : 「ゾンビ」も単純な話じゃないもんね。社会的なメッセージある様な感じやし。
MIGHTY : うん。絶対あると思う。
野蛮なファンタジー
MIGHTY : あと、「オズの魔法使い」っていう映画。
一同 : ふんふん。
MIGHTY : いっぱい映画化されてるねんけど、一番最初の1939年版。
鈴木 : 何個もあるねや。
MIGHTY : うん。わかるかな?一番有名な「オズの魔法使い」やねんけど、見た事ある?めっちゃ古典。
ほんまに一番最初期のカラー映画やねん。
鈴木 : あのブリキの奴とかね。
中村 : 俺、多分見た事あるな。
MIGHTY : で、家に始めてVHSが来た日に、父ちゃんがレンタルビデオやで借りて来たのが「オズの魔法使い」やねんけど(笑)。
ショウゴ : 笑
MIGHTY : めっちゃ好きな映画やねんけど。
これも調べたらもの凄い、いわくつきの映画で。
鈴木 : あ、そうなんや。
MIGHTY : 当時、莫大な費用を投入して作られた映画やねんけど。主役がジュディー・ガーランドっていう女の子で、その後に大スターになるねんけど。
「オズの魔法使い」の時は、まだ16歳。
中村 : ほぉ。
MIGHTY : で、16歳当時で、ガンガンの覚せい剤中毒者。
中村 : へー、当時から(笑)。
MIGHTY : で、13歳の時にその役に見いだされてんけど、役を勝ち取ったのも、13歳でプロデューサーと寝て勝ち取ったと。
鈴木 : へー。
中村 : おぉぉぉ。
ショウゴ : 笑
MIGHTY : で、当時はすごいぽっちゃりした子やってんけど、その当時は、戦前でまだアンフェタミンとかも合法やったから、「アンフェタミン飲んで痩せろ」って言われて、飲んで役に挑んだと。
ショウゴ : 笑
MIGHTY : 映像とかも、今見てもめっちゃヤバいねん。
今のSFのCGとかよりも、すごい生々しくて。
一同 : うんうん。
MIGHTY : カラーの色彩とかも独特でいいねん。
で、色んなメッセージが隠されてて、途中で芥子(けし)の花畑が出てくるねん。
ショウゴ : 笑
MIGHTY : で、芥子(けし)の花畑で主人公のドロシーが酩酊して寝るねんな。ドラッグのメタファー。
一同 : うんうん。
MIGHTY : その時に魔法使いが雪を降らすわけ。
撮影の時、その雪に使われたのが100パーセントのアスベスト(笑)。
一同 : えー(笑)!
MIGHTY : で、このかかしのメイク。
かかしの役の人も、当時特殊メイクにゴムを使ってて、そのゴムの跡を取るのに一年。
一同 : うぇぇぇ。
MIGHTY : ライオンの衣装も40キロくらいあったり、ブリキの人形の人も、映画に出てるのは2人目やねん。それはなんでか?っていうたら、1人目の人は、肌に塗る銀のアルミの塗料で中毒なってもうてんて。
一同 : うわ〜。
MIGHTY : だから、当時の全部の技術を駆使した、超ケミカル作品。
一同 : 笑
MIGHTY : すごい不思議な話もあって、そのオズの魔法使いっていうのが、エメラルドの都に住んでるねん。
で、主人公のドロシーとブリキの木こりと、かかしと、ライオンがエメラルドの都を目指すねんけど。
MIGHTY : ブリキの木こりは心が無いと。ライオンは、身体は強いのに勇気がない。
で、かかしは、知能が無い。藁しか入ってない。
一同 : うんうん。
MIGHTY : で、それを都に行って、魔法使いに付けてもらうっていう話やねん。
MIGHTY : で、エメラルドの都に行ったらオズの魔法使いっていう最強の魔法使いがおるわけよ。
MIGHTY : けど、その最強の魔法使いは、結局ペテン師やねんな。全部科学でやってるねん。全部仕掛けがあって、タネがあるんやけど。
それ自体がメッセージというか、魔法と思ってるモノにはカラクリがあるっていう。
一同 : うんうん。
MIGHTY : で、不思議な話が、オズの魔法使い役の俳優さん(フランク・モーガン)が、当時のプロデューサーの人に衣装でコートを揃えろと言われてん。「くたびれてるけど、仕立ては良いコートを探して来てくれ。」って。
古着屋でその俳優さんがコートを選んで、それを着たらコートの内ポケットにネームの刺繍がしてあってんて。それを調べたら、オズの魔法使いの原作小説家の名前やってん(笑)。
ショウゴ : へー!
中村 : それすごいなぁ。
MIGHTY : で、実際にその原作者が着てたコートやって。奥さんに聞いたら、「うちの旦那が着てたコートや。」って。
中村 : へー!「売ったやつや。」って(笑)。
一同 : 笑
MIGHTY : 「オズの魔法使い」は、みんな見てほしいですね。
デザインとか映像やってる人は、絶対見なあかん作品やと思う。
戦前の作品とは、思われへんから。ものすごいクオリティ高いし。
色合いとか、世界観がめっちゃキレイ。
一同 : うんうん。
鈴木 : 今、アマゾンプライムで確かあるとおもう。
MIGHTY : あと、途中にマンチキンっていう種族がでてくるねんけど。
小人やねん。
一同 : あー。
MIGHTY : それも当時、250人くらいの小人を呼んで撮影されてる。
中村 : 人形とかじゃないもんな。ほんまにそういう人らを呼んで。
ショウゴ : CGちゃうもんな。
MIGHTY : それも当時のナチス・ドイツからアメリカに逃げて来た人たち。アメリカで見世物小屋とかをやってる人たちを集めてんて。
ショウゴ : すごい量やもんな。
MIGHTY : で、その当時は、小人の人らがめっちゃガラ悪いねんて。
鈴木 : ヤサグレてる感じ?
MIGHTY : ジュディー・ガーランドがセクハラされまくっとたらしい。
中村 : 笑
鈴木 : ティム・バートンとか影響受けてそうな感じやね。
映画監督 ティム・バートン
中村 : 受けてそうやな。おもいっきり。
MIGHTY : みんなちゃう?それこそ、ハリウッドでファンタジーやってる人らは。
鈴木 : 「カリガリ博士」って見た事ある?
MIGHTY : ない。どういうやつ?
鈴木 : 白黒映画やねんけど、ドイツ表現主義かなんかで。
何年代くらいなんやろ?めっちゃ古い映画で。
建物とかも意図的に歪ませてたり。
ティム・バートンとかにめっちゃ影響与えてて、丸尾末広とかも。
MIGHTY : ヘー。見てみよう。
エロスとタナトス
鈴木 : けど、やっぱり好奇心があるから音楽とかやったり、絵も描いたりするし、そんな感じなんやろね。怖い話とかUFOとか(笑)。
なんか知りたくなっちゃう。
MIGHTY : そやな。
中沢新一が何かの本でエエ事言うててんな〜。
「なんで怖い話をするのか?」っていう。
人類学、宗教史学者 中沢新一
中村 : ほぉ。人は、なんでしたくなるのか。
MIGHTY : 「死」を身近に感じられるから。
普段生きてて、現代人って死ぬ事とか意識せえへんやん?
鈴木 : うん。
中村 : せやな。
MIGHTY : 性欲とかに似てるらしいよ。
一同 : あー。
MIGHTY : 「生」と「死」って一緒やから。
性的興奮にもちょっと似てたりするって。
中村 : それこそ遊園地で、ジェットコースターに乗るとかも、そんな感じなんかな?わからんけど。
MIGHTY : あー、そやな。
ジェットコースター好きの人は性欲強いって言うもんね。
鈴木 : そうなんや。へー!
中村 : 笑
MIGHTY : ほんまに、それはあるかも。俺、30代中盤位からジェットコースターが苦手になってん(笑)。
中村 : あ〜、性欲の減退と一緒に(笑)。
MIGHTY : ジェットコースターってこんなしんどなるもんやったっけ?って(笑)。
一同 : 笑
(おわり。)
ー 次回「めっちゃエイリやーん」は、年末スペシャル!!!
レギュラー4人にプラスゲストを迎えて、「ゼロ年代」を語る!乞うご期待!
「アホと未知との遭遇編」はこちらから全話まとめてお読みいただけます↓
Mixcloudでは、めっちゃエイリやーん「アホと未知との遭遇 -世にも奇妙な作品-」 のラジオ音源をお聴きいただけます。
4人のゆるい雑談トークが聴けるラジオ版も併せて要チェック↓