ヨーコさんの"言葉" じゃ、どうする
まちライブラリーZiba,今日のおすすめは
ヨーコさんの"言葉"
じゃ、どうする
佐野洋子:文
北村裕花:絵
株式会社 講談社
100万回生きた猫で知られる佐野洋子さんのエッセイ
北村裕花さんのいまにも動き出しそうな絵が、彼女の文章に花を添える。
これはNHKの番組「ヨーコさんの言葉」を書籍化したもので
ひとつひとつが短編小説のよう。
彼女の言葉は優しく温かく辛辣。
ページをめくるたびに「そうそう」と頷いたり、
くすりと笑ったり、せつない気持ちになったりする。
もしも、この本にある言葉たちを、10年前、20年前に聞いていても
いまと同じ気持ちにはならなかった。
年齢や経験で読んだ本や観るドラマに対する感想は変わってくる。
今の私にすとん、と入ってくる言葉が多いのは、
それ相応の年齢になったからかな、と思う。
「子供の頃、おばあさんを見ると、
生まれつきおばあさんなのだと思っていた」
「外見や条件で人はわからない。一個一個調べないとわからない。」
「一番難しいのは身近な人に長きにわたって
変わりなく親切にできることだ」
(本文より)
あとがきとして書かれた友達の話に、不覚にも涙がこぼれそうになった。
「立派な尊敬にあたいする友人だけを持っていたら、
私はなんと貧しい土に生きている生き物だっただろう。」
(本文より)
ラスト2ページは、本当に今の私が思っていることそのもの。
読んだ後、私の心にひと足早く桜が咲いたような気持ちになりました。
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