1月に図書の入れ替えを行いました。
おすすめの本のご紹介です(^ω^)
たぬき
いせひでこ
平凡社
沢山のかわいらしいたぬきの表紙に惹かれて手に取った絵本。
そこには生きること、生きてほしい願い、胸がきゅっとなるような
愛おしさと切なさ、悲しみ、希望がぎっしり詰まっていました。
東北の震災の後、地震の記録、原発事故の報道を記録していた作者は
庭先に現れたたぬきと出会います。
小さな森の大自然に守られ、翻弄されながら、
生まれた命たちを育んでいくたぬきと、一生懸命に生きる練習をする
子だぬきたちの日常を優しいタッチで描いています。
たぬきたちの姿に心が温かくなり、どうか平和に、と祈りにも似た気持ちで
ページをめくっていきます。
大きな地震以降も続く地震にたぬきたちを取り巻く環境も変化してくる。
そこには抗えない自然の摂理と
「いのち」を見つめ続けた作者の喪失感が切なく伝わってくる。
「生きて、生きて、生き抜いてほしい」
願わずにはいられない。
尊い
その一言に尽きる絵本です。