旅ノートのこと その2「インク沼」
副題「旅ノートと万年筆インク沼」
私の日常的な筆記具(家での)は万年筆です。メンテナンスが必要だったり手間がかかりますが、だからこそ可愛い。現在十本くらい所持していますが、万年筆って毎日使わないとインクが煮詰まったり、詰まったりしてしまうので、インクが入って稼働しているのは現在四本ほど。
お気に入りは就職祝いに自分で買った、プラチナ万年筆のセルロイド金魚ちゃん。名前も刻印してもらいました。我が家で一番高価な子。
それと、上のシルバニアちゃんが掲げている万年筆が最近のお気に入り。横浜の伊東屋さんでオーダーメイドした可愛い子ちゃんです。不思議の国のアリス展に言ったのでアリスをイメージして。中字が好きみたいです。
そしてそして。ここ一年くらいの旅ノートがこちら。表紙もこだわります。上から今年の春に行った「明治村」、「ゴッホ展」、「不思議の国のアリス展」「京都一人旅」の旅ノートになります。
ゴッホ展の日に行った「森鴎外記念館」のページ。別に誰にも頼まれていないし何の得にもならないけれど、「森鴎外の常用の筆記具が鉛筆って本当?」という疑問を調べたくて直筆をガン見してきたというページ。国文卒の研究者魂がうずく……!(専門は中世だったので全く関係ありません)
冬の日のおでかけだったので、冬っぽいインクが使いたくて。ミルクティーっぽいインクを使いたくて「リップカラーインク」の「ピンクベージュ」を買いました。そうです。おでかけの度に万年筆インクが増えるのです。
こちらは去年の十月に行った横浜の「不思議の国のアリス展」の旅ノートです。日本文学大好きですが、『不思議の国のアリス』は原文で読むほど大好きです。
こちらの万年筆インクは伊東屋・横浜元町店で作っていただいた「カクテルインク」の「元町イブニングスカイ」です。いわゆる「ご当地インク」ってやつです。店員さんが目の前でカクテルのようにブレンドして作ってくれるインクです。楽しすぎた。
京都一人旅の一日目。二泊三日だったので、日ごとにインクを変えていました。一日目は新選組ゆかりの地めぐり(プチ)が入っていたので、「浅葱色」のインクです。インク自体は台湾の文具メーカーのもので、通販しました。はじめての海外インク! どうして日本に浅葱色のインクってないのだろう? 緑よりの水色がとても可愛い。
二日目は鞍馬山dayだったので、「萌黄色」 なぜ萌黄色なのかというと、私が義経に興味を持ったきっかけは2005年の大河ドラマ「義経」で、その中で主演のタッキーが萌黄色の水干を着ていたから、未だに義経には萌黄のイメージがあるんです。通称「フレッシュグリーン義経」(当時本当にこう呼ばれていた)
しかもこの萌黄色インクは、京都の文房具屋さんが作っているご当地インクなのです。完璧。現地で買おうと思っていたんですが、地元で発見したので旅前に買いました。
三日目は「蹴上の桜襲」こちらも上のインクと同じ文房具屋さんが出しているものです。単純に「京都のご当地インク」で「一日目・二日目と被らない」可愛い色を探していたところ、また地元で発見したものです。後から知ったのですが、この「蹴上(けあげ)」という地名は、義経が由来という説があるみたいで、自分の引きの強さにびっくり。とても物騒な由来なのもびっくりしました。
そんな感じで、どんどん増えていく万年筆インク。私が住んでいる静岡県はご当地インクが豊富県です。地元のインクも思い出が詰まっていて大好きです。
来年の一月に東京へおでかけの予定が(舞台が中止にならなければ)あるので、そのときは念願の「オカモトヤ」さんに行きたいな~。一日でも早く何の憂いもなくお出かけできますように……。
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