過去の麻雀研究記事のサルベージを
先日、麻雀の局収支シミュレーションを始めた人を見かけた。
そして、その人とツイッター上でやりとりを行った。
そのやり取りで思ったことがある。
過去のブログなどに掲載した記事をサルベージしようかな、と。
この点、その人はあるシミュレーションが過去になされていないかを調べていた。
そして、そのシミュレーションは私が13年前に行っていた。
よって、私はそれが掲載されている媒体を指摘した。
ネット上の記事はもうない(今回の記事は「麻雀一番街」にあったが、「麻雀一番街」が閉鎖された関係でもうない)。
まあ、『統計で勝つ麻雀』にて掲載されているし、さらに言えば、『知るだけわかる麻雀の二択』にもそのさわりが掲載されているが。
この点、過去の麻雀研究記事については、既に最新研究によってオーバーライトされているものも少なくない(つか、オーバーライトされていない方が珍しいのではないかと思う)。
とすれば、それをわざわざ公開する意義があるのか、と疑問に思うこともあるだろう。
しかし、例えば、麻雀一番街の私の記事はネマタが書いた『勝つための現代麻雀技術論』の結論を支える根拠を構成している。
つまり、特定の本の根拠を知りたければ、最新研究にあたるのではなく、当時(過去)の研究結果を参照せざるを得ない。
その意味で過去の研究記事には価値がある。
また、過去の研究と今の研究を比較することで、研究の変遷を調べることができる。
そこで、過去の研究記事の公開は戦術の変遷の理由を調べる際に役に立つ。
さらに、過去のシミュレーションのモデルは今のモデルと比べて簡易である。
いきなりnisiシミュレータ並みのモデルを組むとなると容易ではないが、凸理論局収支シミュレータを組むなら(nisiシミュレータを組むよりは)容易である。
とすれば、過去の研究を参照することで、段階的に麻雀研究を始められる。
また、私が過去に公開したブログなどはすべて文章がバックアップとして取ってある。
とすれば、一から書き直す必要はない。
つまり、それほどコストが高くない。
以上を考慮すれば、やる価値はあるかなあ、と思う次第。
価値があると言っているだけで、本当にやるかどうかは分からないが。
というのも、やるべきことはほかにもたくさんあるので。
しかし、今回のようにプログラムなど(エクセル含む)によって数値を求めようと思う人間が現れることはありがたいことだ。
こういう人が現れれば、私が数理的麻雀研究の結果を公開し、データについて普及してきた価値があったことになる。
まあ、一方で「麻雀研究不要論」などと言った論考が発表されたりしているので、本当に私の研究に関する行為が(麻雀界にとって)価値があったのか疑問なしとはしないが。
では、今回はこの辺で。
もし気が向いたら、サポートしていただければありがたいです。 なお、サポートしていただいた分は、麻雀研究費用に充てさせていただきます。