打った実力から自分の実力を推測するツール

 昨日、①平均順位のブレと②自分が打った成績から自分の実力を推測する方法を述べた。


 この前提となる知識は大学の統計の講義で習うものばかりである。
 例えば、平均・分散・標準偏差くらいなら高校の確率で習う。
 しかし、中心極限定理・信頼区間・仮説検定となると、これらはみな大学で習うことである。
 私も講義で習ったわけではないし(講義登録はしていたが、教科書を買っただけで講義は受けず、試験しか受けなかった)、たまに誤ったことを書いてしまうくらいである。
 そのため、全部を理解するのは難しいし、ガチで説明すると1回の記事にまとめきれない。


 そこで、自分の実力の範囲を見積もるためのツールを作成した。
 ツールのエクセルファイルは次のURLにある。
 使用したい人はダウンロードしてほしい。

 自分の実力の範囲を求める方法は次のとおりである。

①、セルC3に自分の名前を入力
②、セルC4に自分がとった平均順位を入力する
③、セルC5に自分が打った試合数を入力する。

 そうすると、セルB8~G9に自分の成績の範囲が示される。
 画像に示すと次の感じである。

 この図はセルC3に「みーにん」、セルC4に2.35、セルC5に2000を入力した。
 これは、「みーにんは2000試合で平均順位2.35マークした」ことを意味する。
 そうすると、下の部分に、このプレーヤーの実力の範囲が示される。


 なお、1位から4位を取った回数は知っているが、平均順位と試合数が分からない場合、右側の「平均順位算出場面」の部分(I・J列)を使えば求められる。
 具体的には、

① セルJ3に1位を取った試合数を入力する
② セルJ4に2位を取った試合数を入力する
③ セルJ5に3位を取った試合数を入力する
④ セルJ6に4位を取った試合数を入力する

 こうすると、セルJ8に平均順位が、セルJ9に試合数が記録される。
 この数値をセルC4、セルC5に放り込めばよい。

 上の図では、1位から4位までの回数が200回だとしたときの試合数と平均順位を求めている。
 この場合、平均順位は2.5、試合数は800試合となる。


 あとは、使用上の注意をいくつか。
 まず、今回の計算はいいとこどりをすることを前提としていない。
 10000試合の平均順位は2.5であったが、いいとこどりしたら1000試合で平均順位2.45をマークするということはままあることである。
 この場合、いいとこどりをして1000試合平均順位2.45として実力を判定してはならない。
 10000試合平均順位2.5でカウントしなければならない。
 もちろん、打ち方を変えた場合は打ち方を変える前のデータを除去することは可能であるが、確変の部分だけ抜き取ることはしてはならない。
 いいとこどりをした場合は、別の方法で実力を見積もらなければならない。

 次に、今回の実力の見積もりは95%信頼区間を用いている。
 そのため、この範囲外に漏れ出る可能性がある。
 何故なら、今回の結果から言えることは、あなたの実力がこの範囲外の平均順位であれば、あなたの成績をマークする可能性は低い(2.5%未満)ということだけである。
 95%信頼区間を用いているからといって、この範囲に含まれる可能性が95%であることを意味しない。
 そこは注意してほしい(私も先日ツイートで取り違えて、あわてて削除した)。

 次に、このエクセルツールについて。
 私はこのエクセルツールを使用することによる一切の責任を負わない。
 また、このツールを改変・改良することには特に構わない。
 ただ、改変・改良するならば背景理論は理解してほしいとは思うが。


 なお、いいとこどりで考えた場合の実力測定については、別途議論する予定である。
 平均順位・安定RATEに関してはとつげき東北が下記URLで理論を発表しているが、安定段位に関しては同様の理論がないので。

 それでは。

もし気が向いたら、サポートしていただければありがたいです。 なお、サポートしていただいた分は、麻雀研究費用に充てさせていただきます。