見出し画像

ソラを見上げて #53 それぞれの答え

失恋お掃除人のMC後、会場のスクリーンには4期生オーディションの映像が流れており、掛橋が活動休止してからリハビリを経て復帰するまでの舞台裏も映し出されていた。

<センター 遠藤さくら>
<センター 早川聖来>
<センター 賀喜遥香>


MC3

田:ありがとうございまーす。いやー、久しぶりにI see...のフルサイズやったね。

遥:ねー、楽しかったぁ。

田:知ってた? I see...からもう5年半経ってるんだよ。


早:早いなぁ。MV撮影した時のこと、いまだに思い出せるわ。

遥:私、矢久保がレイちゃんのフードをぐいってするとこ好き。

レ:そこ?

遥:さくも好きって言ってたよね?

さ:うん。美緒ちゃんがレイちゃんを雑に引っ張る感じが……ふふ。

矢:ホントに? やって良かったぁ。

レ:あれ結構な力だったからね?

矢:いやいや、そんなに力入れてなかったから。


田:まぁまぁ二人とも。さて、思い出話は尽きませんが今回のコンサートについても触れていこうと思うんですが……ここからは、聖来にバトンタッチしますね。

早:はい。そうですね……まず最初に梅さんと4期全員でコンサートの話をしたのが7月の頭くらいだったかな? そこで4期だけのパートがあるって教えてもらったんよね。


田:うん。

早:で、梅さんが『4期生には乃木坂の力を見せてほしい』って言ってくれて……それまで和やかだった雰囲気が急にみんな背筋がピーン!ってなってさ。

田:あっはっはっは! 覚えてる。

早:打ち合わせが終わった後、4期全員でもう一回集まって『どうするどうする?』ってなって、そこから毎週みんなで会議したんよね。

田:『力を見せつけるってどうすればいいの?』ってね。

遥:あはは。

早:その後もね、梅さんの言う力ってなんやろってめっちゃ話し合ったんよね。

遥:なんだっけ……ダンスの力強さ、美しさとか、見てくれた人を元気にする笑顔の力とか、いっぱい意見出し合ったね。


早:そうこうしてる間に、7月の終わり頃には一曲目が「4番目の光」で、最後が「I see...」っていうのは決まってたんだけど、2曲目が決まらなくて。

田:曲を決めるのも大変だったね。

遥:でも最終的には沙耶香の一言で全部決まったんだよね。

掛:私、何か言ったっけ?


田:えー、言ったじゃん!

林:あ、はい!

早:お、どないしたん? 林。

林:その話、私から説明したいです!

早:せやな。

遥:せやろなぁ。

林:真夏の全国ツアーのリハ終わりだったかな、矢久保が『沙耶香が戻ってきてくれたのは、嬉しかったし、待っていた期間も含めて4期が大きく成長できた』って言った流れで「図書室の君へ」はどうかってなって……

矢:うん。

林:あの時はもう満場一致だったじゃん。みんなでいいねいいねってなってさ。じゃあ決定!ってなりかけた時に沙耶香が『Out of the blueが良い』って言ったんですよ!

掛:あー、言ったね。


林:理由聞いたら『初めて4期が全員揃った曲だから』って。

早:そんなん言われたら、もう何も言えへんよなぁ。

遥:言えへん!

林:もう私、大感動して。


田:イケメン過ぎたね。

弓:沙耶香が男だったら一発で惚れてた。

黒:確かに。

掛:そんな大したこと言ってないって。

弓:いやいや! そういうトコだぞ沙耶香。


璃:そう! こういうコトがイケメンなの。

掛:あははは。ありがと。

遥:で、『乃木坂の力って、絆じゃん!』ってなったんだよね。

早:あれは後世に残る名言やった。

松:そういう事なら、私は聖来が言ってくれたことも覚えてるよ。

早:え、私なに言ったん?

松:『今までもらった4期生の曲は最初から16人の曲だったように思えた』って言ってくれたの、すっごく嬉しかった。

弓:それな。

早:へへ、なんか照れるわ。


黒:後から入った私達の間に入ってくれたのも聖来だったもんね。

早:もう言わんとって、恥ずかしいわ。

遥:あはは。じゃあそろそろね、あの子達がスタンバってますので私達はこのへんで……では! 引き続き、こちらをどうぞ!

(遥香がスクリーンに手をかざすと、会場が暗転)



暗転した会場のスクリーンには5期生オーディション当時の映像、デビュー時の紹介動画、各方面で活躍するメンバーの様子が映し出されていた。

<センター 井上和>
<センター 菅原咲月>
<センター/ピアノ伴奏 小川彩>


MC4(ステージ上には菅原咲月、一ノ瀬美空、中西アルノ、小川彩、冨里奈央、川﨑さくら) 

咲:はーい。4期生の先輩達の次は、私達5期生パートでーす!


美空:さて、私達も思い出を振り返っていきたいんですけども……さっちゃん。

咲:はい。

美空:彩、可愛い過ぎない?


咲:え?

彩:ちょっと?

美空:ん?

彩:思い出を振り返るんでしょ? なんでそうなるの?

美空:だって彩を産んでから今日までずっと育ててきたんだよ? 私の思い出は、全部彩のことで一杯なの。


彩:……

咲:うわぁ……

美空:彩が初めて立った日。初めての七五三、授業参観。初めて自転車に乗れた日に一緒に食べたケーキ……

冨:ひぃ。

中:怖い怖い怖い!


彩:だめだこりゃ。

咲:美空、会場が凍り付いてるから。

美空:はーい。じゃあひんやりとクールダウンできたところで、また熱いトークに話を戻しますね♪

冨:(小声)こういう切り返しとか、本当に上手だよね。


川:(小声)美空は天才的な部分より、サイコな一面が目立っちゃうんだよね。

美空:さっちゃんはこれまで活動してきて、印象的な出来事とかありますか?

咲:ん~出来事っていうか、「絶望の一秒前」の前後が記憶に残ってるかな。

美空:それは5期生の最初の楽曲だったから?

咲:それもあるんだけど……それこそ、さっきの4期生さんの話と少し似てるんだけど当時は瑛紗とさくらが学校の関係で参加出来なかったから、後になって全員で披露できる事がとっても嬉しかったっていうのをすごく覚えてる。

川:ありがと~、さっちゃん。


美空:さくらは、当時の状況とか心境とか……聞いてもいい?

川:通ってた学校が芸能活動禁止だったので、卒業するまでは活動を我慢するしかなかったんだけど、完成したMVを見た時は、少し寂しい気持ちにはなったかな。もちろん5期生の活動が始まったんだっていう嬉しさもあったんだけどね。


冨:嬉しかったよね、さくと瑛紗が初めて合流した時。

美空:うん。

咲:実は、私達5期生も事前に梅澤さんとコンサートの打ち合わせをさせていただいたんです。その時、梅澤さんからは『5期生には乃木坂の未来を見せてほしい』と仰っていただきました。

咲:何度もみんなで話し合いました。未来を見せるってどういう事なんだろう?って。披露する楽曲の振り付けや立ち位置、ダンスの呼吸を合わせたり、自分達なりに準備をしてきました。けれど、曲を披露した今でもその答えは見つかっていません。きっと、梅澤さんが見せてほしいって言った未来というのは、私達が振り付けを完璧に覚える事や、ダンスがうまくなる事とか、そういう事じゃないと思うんです。

咲:歩けなくなってしまった仲間に寄り添って、声をかけて背中を押してあげたり、後から追いついてくる仲間の為に歩幅を変えていける。個性が強い5期生だけど、一人ひとりが乃木坂46の一員という事を自覚し、行動していく事が未来に繋がっていくんだと思います。なので、これからも5期生のことを見ていて下さい。絶対後悔させません、よろしくお願いします。


(会場から大きな拍手が起こる)

咲:ありがとうございます。続いての曲はこちらです、どうぞ!

中央ステージでは、MCに参加していなかった5期生の井上和、五百城茉央、岡本姫奈、奥田いろは、池田瑛紗を含めたメンバーが梅澤を囲むようにスタンバイしている。


白いドレスに身を包んだ梅澤が目を閉じた瞬間、イントロが流れ始める……


―つづく―



【おまけ】


いいなと思ったら応援しよう!