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ソラを見上げて #49 4番目の光

―アリーナ・メインステージ―

『ゲネプロは以上です。各自休憩、昼食をとって本番に備えてください』

梅:ありがとうございます。本番もよろしくお願いします。

『よろしくお願いします』

(梅澤に続き、スタッフにお辞儀をするメンバー達)



(30分後…)

―アリーナ・控え室―

(休憩中の3期生メンバー達)

珠:梅、今日でケータリングも最後だぞ。いっぱい食え。


梅:そうなんだよね~。萩の月と笹かま、司の牛タンにエビチリは絶対食べたいし。定義三角あぶらあげでしょ、はらこ飯にせり鍋。ずんだシェイクも飲みたいし……

蓮:いやいや、全部食べたらさすがにヤバいっしょ。


梅:だよね。あー迷うなぁ。

蓮:ていうか、まだ行ってないのに何でケータリングのこと知ってんの?

梅:ふふん、それはね……

(得意げな表情の梅澤。と後方の入り口から大量の食べ物を抱えて入ってくる池田)


池:あ、梅澤さん。ケータリングのお店の方に『梅澤さんによろしくお伝えください!』って言われたんですけど。私、何の事だかわからないままお返事しちゃって……


梅:いいのよ、教えてくれてありがと。

蓮:どゆこと?

美:今日のケータリング、梅が選んだんでしょ?

梅:そ。

蓮:なるほど。そういう事か。

梅:今野さんがやりたい放題やれって言ってくれたからね。

池:んふぅ、これが赤坂璃宮のエビチリ……

五:んはぁ、エビマヨもうまいおき……

(料理を頬張り、恍惚とする池田と五百城)


理:赤坂璃宮?

珠:宮城に赤坂なんてあったか?

美:梅、もしかしてあのエビチリって……

梅:ま、あの子達には助けてもらったしね。

美:お優しい事で。

梅:ごま団子もあるわよ?

美:ちょっと、まだ根に持ってんの?

梅:ふふ。食べ物の恨みは怖いのよ?



(3期生が談笑していると……)

林:4期、集合!


『はい!』

(林の号令でテーブルに集まる4期生)


美:お?

珠:なんだなんだ?

林:今日は私達4期生にとっても大切な日だからね。美波先輩の雄姿を目に焼き付けて、言葉を胸に刻んで、これからも……ううん、今まで以上に頑張っていかないといけない。

林:寂しいなんて言ってる暇は無い。私達が悲しんでたら、見に来てくれたファンが楽しめない。今は一緒にステージに立てる事に感謝して、何よりも自分自身が楽しんで。いい?

『はい!』

(大きな声で返事をする4期生)


蓮:すご。

与:4期にもああいう感じあったんだね。

美:あらあら、誰に似たんだか。


梅:ふふ。

葉:しっかり梅の背中を見て育ったんだね。

与:梅の分身って感じするもんね。

(林の姿に目を細める3期生達)


林:では担当を決めます!

『はい!』

梅:ん? 担当?

林:第一陣、司の牛タン担当。みんご、柚菜、松尾!

黒:はい!


林:続いてお皿とお箸、飲み物担当はさくちゃん、遥香、まゆたん。エビチリ、エビマヨ、はらこ飯用の取り皿とレンゲも忘れないで。

田:はーい♪

(林の指示を受け動き出す4期生メンバー)


梅:え? なにが始まったの?

林:第二陣、せり鍋とあぶらあげ担当。璃果、弓木! 汁物だから手で持たず配膳トレイを使って運ぶこと。いいわね?

弓:がってんです。


林:次、萩の月と笹かま担当。掛橋、やんちゃん、矢久保。萩の月は冷凍と常温が用意されています。キチンと確認するように。

掛:了解です。

(笑顔で敬礼する掛橋)


第三陣、赤坂璃宮担当はレイちゃんとあやめん。エビチリとエビマヨは人数分の量を大皿にもらってきてください。食後のデザートのごま団子と杏仁豆腐も二人に担当してもらいます!

レ:はい! 行こ、あやめん。

あ:うん!


林:第四陣、はらこ飯は聖来! 期別におひつを用意してもらっています。持って帰ってくるときは細心の注意でお願いします!

早:よっしゃ。ほな行ってくるわ!


林:さくちゃん、遥香、まゆたんは準備が終わり次第、私と挨拶回り! ケータリングに来てくれたお店の方に最新シングルとグッズ配るよ!

さ:OK。


林:さぁしっかり食べて、本番に備えるよ!

(張りのある声で号令をかけ、準備に取り掛かる林)



(その模様を一部始終見ていた3期生達…)

梅:……

麗:なんか、すごかったね。

葉:瑠奈ちゃん、あんなに大きな声出るんだ……

理:リーダーシップすご。

梅:うーん。

美:どうしたの?

梅:やっぱり全部食べたいかも。

美:えぇ!?

梅:咲月、お腹の状況は!?

咲:まだまだイケます!

梅:よし、付いてきな!

咲:はい!

(意気揚々と控え室を出ていく梅澤と咲月)


与:私も燃えてきた。おかわりしてくる!

蓮:私も、もうちょっと食べよっかな。

(梅澤に続いて控え室を飛び出していく与田と蓮加)


美:あらあら、まさか瑠奈に触発される日が来るなんてね。ふふ。

―つづく―



【おまけ】


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