ソラを見上げて #30.2 気丈な者達
(2025年4月某日……)
―仙台・XX墓苑―
(墓苑の敷地内に明るく元気な声が響き渡る)
北:ほら、純奈早く!
純:大きな声出すんじゃないの、日奈子。
(敷地内で明るく振舞う北野日奈子と、呆れつつ後をついていく伊藤純奈)
北:よ! そっちはどう? 元気?
純:あんたねぇ、子供じゃないんだから……
北:いいの! 私なりの挨拶なんだから
純:はいはい。
北:ねぇ覚えてる? 活動をお休みしてた時に『日奈子さんがいるから戻ってこれた』って言ってくれた事。私が卒業発表した時に泣きながら『置いてかないで』って言ってくれた事。
純:日奈子のこと慕ってたもんね。
北:なのに、なのにさ。今度は私を置いて行っちゃうなんてヒドイよ……これからもずっとよろしくねって乾杯したのに。……ぐすっ
純:日奈子……
北:うぇぇぇん、寂しいよぉぉぉ。一緒にご飯食べたいよぉぉ!
純:お墓に抱きつくな! 史緒里に笑われるわよ!
-continuing to episode30.3 選ばれし者達-