ソラを見上げて　#35 インターミッション

(墓参りから数日後…)

―仙台駅構内 エスパル仙台・しろくま書店―

〇：さて、とりあえず音楽ジャンルから探せば見つかるかな。

ソ：いっそのこと店員さんに聞いちゃったら？

〇：それもそうだね。

(ソラの助言を受け、レジカウンターへ向かう○○)

〇：すみません。

店員：はい、いらっしゃいませ！

〇：本を探してるんですけど……

店員：かしこまりました。お調べしますのでどうぞこちらに。

〇：ありがとうございます。

(ソラと一緒にカウンター席に座る○○)

店員：タイトルとかお分かりですか？

〇：タイトルとかは分からなくて……作者っていうか、その人に関連する書籍とかあったら欲しいんですけど。

店員：ではその方の名前を教えてください。

〇：生田絵梨花さんって方なんですけど。

店員：え？　いくちゃん？　いくちゃんですか？

ソ：いくちゃん？

〇：え？　い……いくちゃん？

店員：あ！　すっすみません！　生田絵梨花さん、ですよね？

〇：え、えぇ。

店員：ご案内します。こちらへどうぞ！

〇：え？

ソ：どこに連れて行かれるのかしら？

(興奮気味の店員に誘導され、ついていくと……)

店員：こちらです！

〇：これは……

ソ：あら凄い。

(店員が立ち止まった場所は【いくちゃんコーナー！】とカラフルなポップが飾られた生田絵梨花の関連書籍コーナーだった)

〇：こんなに沢山あるんだ。

店員：お客様はどんないくちゃんをお探しですか？

〇：どんなっていうか、その……どんな方なのかなって思って来てみたんですけど。

店員：かしこまりました。だとしたらこれと……これ、あ～これもかなぁ。だとしたらこれも押さえとかないと……

(独り言を言いながら楽しそうに書籍や映像作品を選ぶ店員)

(数分後…)

店員：ありがとうございました～♪

ソ：よかったの？　勧められるがまま、全部買っちゃったけど。

〇：なんか断りづらくて……

(買い物袋の中には大量の書籍とBlu-rayが入っていた)

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―○○のマンション・リビング―

(買ってきた商品をテーブルに広げ、確認している○○)

〇：転調、インターミッション、カノン……写真集か。で、これはアンプラグド……ライブかな？　生田絵梨花卒業コンサート……これは乃木坂46を卒業した時のか。

ソ：映画もあるし、料理本まで出してるんだね。【いくちゃんのIHクッキング！】だってさ。ていうか、この本を読んで何かわかるのかしら？

〇：マスターが言った通り、食レポの人じゃなかったんだ。なんか悪い事しちゃったな。

ソ：すごい人だったんだね。

〇：うん、じゃあ早速見てみようか。

(インターミッションというタイトルの写真集を手に取る○○)

ソ：うわぁ……///

〇：ん？

ソ：い、いや……別に。

〇：なるほど。メイクと衣装をワンセットで考えるのも一つの方法か。おぉ、真っ赤なドレス……すごいな、こんな風に着こなしてもらえたら嬉しいなぁ。

ソ：やっぱり……○○もおっきぃ方がすき、なの？

〇：おっきぃ方って？

ソ：……///

(写真集の生田の胸のあたりに指をさすソラ)

〇：……あぁ、胸の大きさの事？　いや、気にした事ないけど。

ソ：そ、そっか

〇：そんなに気にする？

ソ：だって……

(自分の胸に手を当てて、いじけるソラ)

〇：胸の大きさで女の子の魅力が決まるわけないでしょ？

ソ：それは……そうかも知れないけどさ。

〇：胸がなくたって、ソラの魅力はたくさんあるしさ。

ソ：なっ無いわけじゃないもん！　控え目だけどあるもん！

〇：ごめんなさい。そういう意味で言ったわけじゃありません。

(顔を真っ赤にして訴えるソラ。土下座する○○)

ソ：ぷっ、あっははは。まぁ、女の子の悩みなんて○○には分かんないか

〇：うわひっど！　ソラから言ってきたクセに。

ソ：そういえばそうだった。あはは

〇：……

ソ：ん？　○○、なにしてるの？

〇：なるほど……確かに。

ソ：歯ぁ食いしばれぇ！

〇：いってぇ！

(メガホンで思いっきり殴られる○○)

―つづく―

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【おまけ】