ソラを見上げて #28 三人のキャプテン
―都内某所・駐車場―
玲:確認だけどさ、真夏
真:ん?
玲:ビルから出てきたら確保。でいいんだよね?
真:そだよ。
玲:大丈夫かな?
真:なにが?
玲:だって私たち力弱いじゃん。太刀打ちできるかな?
真:なんで戦う前提なの? 大丈夫だって。
玲:あとは運転かぁ。
真:運転するのは私。別に玲香が心配することじゃないでしょ?
玲:うーん……(だから心配なんだってば)
―SME六番町ビル(※)―
※ソニー・ミュージックエンタテインメントの略称
仕事を終えた私は、かっきーと一緒にビルのエントランスへ向かっていた。
遥:美波さん、この後って予定ありますか?
梅:ん? 無いよ。
遥:じゃあこれからご飯行きません? 美波さんとお喋りしたいです。
梅:うん。行こっか。
遥:ホントですか? やったぁ! どこ行きましょっか?
梅:そうだなぁ。かっきーは行ってみたいお店とかある?
遥:じゃ中華でもいいですか? この前テレビで見たお店のエビチリがすっごく美味しそうで行ってみたかったんですよ~
梅:OK。じゃ、決定ね。
遥:やったぁ♪ 瑠奈も呼んでいいですか?
梅:ふふ、いいよ。
遥:私、なにか変なこと言いました?
梅:いや、子供みたいに喜ぶなぁって
遥:美波さん、私もう23歳ですよ?
梅:いやー見えない。肌綺麗だし、無邪気に笑うし
遥:そんなこと言ったら美波さんだってにじゅうご
梅:なんか言った?
遥:なんでもないでーす。あっはは
梅:まったく……
―SME六番町ビル・エントランス―
(遥香が携帯電話で林に連絡を取っている)
遥:うん、そう。行きたかったでしょ? OK、じゃあ一時間後ね?
【ピッ……📱】
梅:行けるって?
遥:はい! すっごい喜んでました。『すぐ行く!』って
梅:じゃ、どこかで時間潰そっか?
遥:そうですね。適当に喫茶店でも
梅:ん? どうしたのかっきー?
遥:え?
梅:今、梅って言わなかった?
遥:いえ……ていうか美波さんのこと梅なんて呼ばないですよ。あはは
梅:確かに呼ばれた気がしたんだけどな……空耳かな?
遥:美波さん、空耳じゃないかもしれないですよ
梅:なんで?
遥:ほら、あそこ
梅:え? あ。
かっきーが指を差した方向を見ると、私の名前を大声で叫ぶ怪しい二人組が見えた。熱心なファンかと思ったけど、あの変な走り方には見覚えがあった。
梅:どうしたんですか真夏さん!? それに玲香さんまで!
真:はぁっはぁ、梅。あした、やす……でしょ?
梅:え? すみません。よく聞こえませんでした。
真:ちょ、れいか……代わりしゃべって
玲:無理。わたしも、しゃべれない
遥:仕事か何かでいらっしゃったんですか?
真:と、とにかく……くるま。くるまあるから、いっしょに、きて。
梅:え、私ですか?
玲:ついでに肩かして……もう歩けない
(ヨロヨロと梅澤に寄りかかる玲香)
梅:えぇぇ!? ちょっと大丈夫ですか?
遥:あの……美波さん?
梅:ごめんかっきー。二人を車に送ってくるから、先に行ってて
遥:わかりました。お店決まったら連絡しますね。
梅:うん、よろしく。
そう言いつつ、私は玲香さんの腕を肩にかけ、真夏さんの背中をさすり、二人が停めた車の場所まで向かった。
遥:初代と二代目を背負って歩く三代目。格好良いわ。
―都内某所・駐車場―
梅:はい! 着きましたよ玲香さん。真夏さんも大丈夫ですか?
玲香さんと真夏さんは這う様に車に乗り込んでいった。
真:もっと近くの駐車場にすれば良かった。
玲:しっかりしてよ、真夏。ちゃんとジム行ってんの?
真:玲香だってヘロヘロじゃん!
梅:お二人ともお元気そうで良かったです。じゃ、私はこれで
真&玲:ちょいちょいちょーい!
(昭和漫才さながらのベタなツッコミをする真夏と玲香)
梅:はい?
真:ちょっと! これじゃ私達が何しに来たか分かんないじゃない!
梅:え? じゃあ……何をしにいらっしゃったんですか?
玲:そうだよ、梅ちゃんにまだなんにも言ってないじゃん。
真:言われてみれば……走って梅に声かけて、一緒に戻ってきただけだったね。
梅:私に用事だったんですか?
玲:そ。梅ちゃん、明日休みでしょ?
梅:え? えぇ、はい。
真:梅、今からドライブ行くよ。
梅:はい!?
玲:問答無用! さ、梅ちゃんも乗って。
梅:でも、私これからかっきーと瑠奈とご飯食べに行く約束が
玲:真夏、電話。
真:ほいほーい♪
戸惑っている私などお構いなしに真夏さんは携帯電話で誰かに連絡を取っている。
真:もしもーし、そっちはどう? あ、OKね。じゃあそっちの二人は頼んだよ。はーい。という事でOKです。
玲:では出発!
梅:いやいや! 何がOKなんですか!?
真:大丈夫大丈夫。
梅:かっきーに連絡しなきゃ……あれ、LINE来てる。
梅:は? 誘拐ってどういう事?
手元のスマホが立て続けに通知音を鳴らす。
梅:どうなってんの? あ、またきた
梅:もう意味わかんない
混乱する私に車のエンジン音が追い打ちをかける。
梅:本当にこのまま行くんですか!?
真:しゅっぱーつ♪
玲:真夏、折角だから乃木坂の曲かけようよ!
真:じゃあ……あ、これとかいいじゃん。ぴったり!
玲:ホントだ! かけようかけよう♪
梅:ちょっと、私の話を
真&玲:レッツゴー!
梅:話を聞いてー!
結局何も聞かされないまま、真夏さんと玲香さんに言われるがまま、私は誘拐された。車内に流れ始めた曲は【帰り道は遠回りしたくなる】だった。
―都内某所―
(どこかへとひた走る一台の車)
遥:ご飯代まで出していただいて、ありがとうございます。
林:こんなに沢山テイクアウトしちゃって……食べきれます?
?:いいのいいの。こっちも何も言わないで誘拐しちゃってる訳だしさ。
美:かっきーのエビチリ、私も食べたーい。
遥:あ、美月さんも食べます? はい、あーん。
美:あーん♪ んーおいしー♪
?:美月、自家用車なんだからこぼさないでよ?
美:わかってまーす
珠:肉まん、うまー。
林:なんか、遠足のバスみたいですね。
(運転手の後ろでは賀喜遥香、林瑠奈、山下美月、阪口珠美がテイクアウトした中華料理を囲んで談笑している)
?:いまごろ梅は大混乱だろうな。驚く顔が見れないのが残念だけど……ふふ。
―某所―
(梅澤を乗せた車は東名高速道路を降り、30分ほど走ったところで停車する)
真:梅、着いたよ。起きて。
梅:ん……ここ、どこですか?
玲:梅ちゃんおいで。降りるよ。
梅:はい
玲香さんに腕を引かれ車を降りると、どこか懐かしい匂いがした。
梅:波の音……え? ここ、海ですか?
玲:ただの海じゃないんだなぁ、こっちだよ
玲香さんに腕を引かれるまま着いていくと、見えてきたのは……
梅:ボードウォーク……えっ! ここ平塚じゃないですか!?
玲:お、気づいた? 暗いのによくわかったね
梅:だって地元ですよ? そりゃ気付きますよ!
そこは、ひらつかビーチパークだった。まさか地元に来てたなんて……
梅:どうしてここに?
玲:さぁ、なんでだろーね
梅:なんでって……
真:梅をここに連れて来ようって言ったのは私なの。
梅:え?
真:波の音は心身をリラックスさせる効果があるんだって。それに、梅の地元だったらもっと効果があるんじゃないかなって思って。
梅:……
言葉に詰まっていると、玲香さんが『うみだー!』と叫びながら砂浜へ走っていった。
梅:そう……だったんですね。
言葉が出ない。だって、あんなに多くの人に迷惑をかけたのに、失った信用を早く取り戻さなきゃいけないのに、私にリラックスしている暇なんてあるわけない。
真:まーた難しいこと考えてるでしょ? いいから何も考えないでさ、目を閉じて波の音を聞いてごらん
梅:……はい
本当は嫌だった。目を閉じるのは苦手だから。暗い世界にいると悲しい記憶ばかり思い出す。だれど、この瞬間だけは波の音が寄り添ってくれている気がして、自然と目を閉じる事ができた。
梅:すぅ……はぁ
波の音に包まれながら深呼吸すると、懐かしい記憶が蘇ってきた。
白石さんが載ってる雑誌を持って美容院に行った事もあったっけ。白石さんに憧れて、生まれて初めて握手会に行った日。目の前に立ったら涙が止まらなくて、そんな私に白石さんは……
嬉しかった。声をかけてくれた事だけじゃない。白石さんと私の間に共通点が出来た事。そして、それを白石さんが見つけてくれた事。白石さんは私の人生を変えてくれた。乃木坂は私の希望だった。なのに、それなのに私は……
梅:うっうぅ……
希望になるどころか不安にさせて、ガッカリさせて、メンバーに隠し事をして、先輩の手を焼かせる始末。
梅:あぅ……えぐ、うぁぁ
自分に、絶望する。
梅:ごめんなさい……ごめんなさい。
泣いたってどうしようもない事くらいわかってる。それでも、溢れてくる失望と涙を止めることは出来なかった。
真:梅……
玲:よいしょっと
(玲香が梅澤の横に座る)
真:(小声)ちょっと玲香、もう少しそっとして
玲:キャプテンってさ。強くなくていいんだよ、きっと。
梅:……?
玲:私や真夏がキャプテンやってたの見てきたでしょ?
梅:はい。
玲:梅ちゃんの目に私達はどう映った?
梅:いつも明るくて笑顔で優しくて、メンバーに声をかけてくれて、締めるところはキチンとしてて、凄い方だって思ってました。今も、思ってます。
玲:そっか。
梅:なのに振りも立ち位置も完璧に頭に入ってて
玲:真夏。
真:え?
玲:本当はどうだった?
真:いいの? 言っても。
玲:うん。
真:泣いてたよ、いつも。
梅:え?
玲:私にはキャプテンは務まらないってずっと思ってた。人をまとめた経験なんてないし。毎日のように『私には出来ない!』って大声で泣いて、パニックになって。若月とかまいやんに泣きながら相談して、励ましてもらってた。
真:私も同じ。二代目に任命された時、毎晩考えて、どうしていいか分からなくて、泣いて、実際に動き始めてからもよく泣いてた。梅に相談した事だってあったよね?
梅:はい
玲:私と若と花奈の三人で、よく真夏の家に行ってたね。
真:うん、だから私や玲香は決して梅が思ってるようなキャプテンじゃないんだ。
梅:……
玲:一人じゃ絶対乗り越えられなかった。
真:そうだね。同期や梅、卒業していったメンバーが相談に乗ってくれたお陰で私でも少しずつ進んでいけたんだよ。
梅:私は真夏さんの話を聞いていただけで、何も出来ませんでした。
真:何言ってんの。梅に話を聞いてもらってどれだけ楽になったか。
梅:え?
真:辛いことや悩みは人に話せば半分こ。嬉しいことは倍になるんだよ。
梅:人に、話せば……
玲:辛かったり苦しかったら素直に口に出す事も大切だよ。そして、その声を聞いた誰かがきっと力になってくれる。梅ちゃんの周りにもいるんじゃない?
梅:それは
『いますよ、たくさん』
梅:!?
声がした方へ振り向くと、そこには……
珠:背の高い意地っ張り女の悩みをお掃除してって依頼があったんだが?
梅:珠美……ぅわ!
誰かに、抱き着かれた。
林:わたし……梅澤さんに出来る事なんてこれっぽっちも無いかもしれません。でも話ならいつだって、何時間だって聞きますから! だから……うぅ
梅:瑠奈……
美:様子がおかしいのは分かってた。でも何を聞いてもアンタは大丈夫大丈夫って…そんなから返事、私達がのん気に信用すると思ってんの?
梅:ごめん。これ以上みんなに迷惑かけたくなくて
美:バカ! ちょっと人よりデカいからって一人で何でも背負って、抱えて、足元見えなくなって! 転んでもまた背負いこんで。梅の悩みも苦しみも少しは私達に背負わせてよ、仲間でしょ……同期じゃんか。
梅:美月、ありがとう
遥:美波さん
梅:ごめんね。せっかくご飯誘ってくれたのにこんな感じになっちゃって
遥:私、今すごくホッとしてるんです
梅:どうして?
遥:私の中の美波さんって、可愛くて綺麗でビシッとしてて……なんでも出来るスーパーマンだったんです。
梅:そんな事ないよ。今の私を見ればわかるでしょ?
遥:はい。美波さんも私と同じように悩んで、涙を流すんだって。だから、美波さんの事がもっと好きになりました。大好きになりました。
梅:頼りない先輩でごめんね。
遥:分かってないですね~、そこが良いんじゃないですか! なので、これからは先輩後輩関係なく遠慮せず相談してくださいね? 私も瑠奈も待ってますから
梅:うん。
真:よかったね梅。
梅:本当にありがとうございます。お二人のお陰で気が楽になりました。
玲:そっか。よかった
梅:はい。やりたい事も出来ましたし。
真:やりたい事?
珠:チートデイでヤケ食い?
梅:ねぇ! 空気読んで珠美!
珠:すまん
林:あっはは! なんか久しぶりです、この感じ
真:何をするつもりなの?
梅:全部、話します
遥:全部って……
梅:なにもかも。あの日から今日までの、全部。
梅澤は久保が亡くなった日から今日までに起きたことを全て話した。そして、空扉に関して隠していた事も……
美:久保の事だとは思ってたけど、まさか空扉もだったなんて……
遥:美波さんにとって、それだけ久保さんの存在が大きかったんですね
林:グループの今後の事や、活動について相談するのは決まって久保さんでしたね
梅:後は、コレを渡せなかった事が悔しくてさ。
珠:それ、梅がいつも身に着けてるお守りじゃないの?
梅:うん。これね、実は久保が亡くなった日に行った登山ロケで買ってきたお守りなの。早く病気が治りますようにって。ロケが終わったら渡そうと思ってた。
梅:……でも間に合わなかった。
美:仕方ないじゃない。携帯の電源切ってたんだから
梅:何を言っても言い訳にしかならないよ。
美:あれから桃子とは?
梅:……あれっきり
美:もう二年経った。ちゃんと話せば桃子も分かってくれる。
梅:うん。でもその前にしなきゃいけない事があるから
美:しなきゃいけない事?
梅:うん。ファンのみんなにも、全部話す。
美:本気?
梅:もう隠し事はしたくない。メンバーにも、ファンにも。
遥:でもどうやって……
梅:SHOWROOMの生放送。そこで伝えようと思ってる。
林:ファンがどんな反応するか、想像出来ないですね……
梅:正直怖い。怖いけど、このまま活動するのは嫌だから。
遥:お手伝いさせて下さい! もし配信中に美波さんの事を馬鹿にしたり批判する奴がいたら、私が首根っこ捕まえてギッタンギッタンにしてやります!
珠:ちょっと落ち着くんだ、かっきー。
遥:美波さんはこれまでずっとグループの事を考えて、苦しんで、倒れても立ち上がってきたんです。これから先は、笑顔でいて欲しいじゃないですか!
梅:かっきー……
遥:乃木坂と美波さんは、私が守ります。
珠:頼り甲斐あり過ぎんか?
林:わ、私だってギッタンギッタンにします!
梅:ちょっと、いつから乃木坂は武闘派集団になったの?
美:キャプテンに似たんじゃない?
梅:あぁん?
美:こわ♪
真:じゃ、そろそろ帰ろっか。
梅:そうですね、よっこいしょっと。ん~っ!
立ち上がって大きく息を吸って伸びをする。こんなに気持ちよく深呼吸するのはいつ以来かな。今なら、何だって出来る気がする。
玲:梅ちゃんは、アッチの車で帰りなね?
梅:え? アッチって……
玲香さんは美月達を指さしている。
遥:そういえば若月さんってどこいったんですかね?
梅:若月さん!!?
林:あー、梅澤さんに言ってなかったですね。
珠:私達をここに連れてきてくれたのは軍団長なんだな
梅:じゃあ誘拐犯って……
―同時刻・浜辺が一望できる駐車場―
(梅澤達がいる浜辺を携帯電話で映している若月)
若:見える?
『うん』
若:一期はあぁいうの無かったね
『三期は体育会系だからね』
若:ノリの違いか……
『いいなぁ、私も軍団欲しかったな』
若:今更? 一応聞くけど、軍団名は?
『飛鳥ちゃんリスペクト軍団』
若:だっさ!
『傷つくわー』
若:設楽さんだったら言うでしょ?
『言うね。あっはは』
若:そろそろ顔くらい見せてあげたら?
『……』
若:誰も怒ってないって言ってんじゃん
『ま、落ち着いたらね』
若:ちゃんと連絡するのよ?
『はーい』
若:何か伝えとく?
『いい。言いたくなったら自分で言う』
若:そ。
『そ。じゃあね』
若:飛鳥
『ん?』
若:寂しくなったらいつでも
『ばいばーい』
若:あ、コラ!
(スマホの映像通信が切断される)
若:ったく。言いたくなったら……ね。会いたいクセに。
(20分後…)
―神奈川県某所・車内―
梅:若月さんも人が悪いですよ。後輩だまして地元に連れ込むなんて……
若:お陰で元気になったでしょ?
梅:ん、まぁ……そうですけど。なんか納得いかない!
美:何言ってんの、ハッピーエンドじゃん。ねぇかっきー?
遥:そうですよ。みんな美波さんのこと心配してたんですよ?
梅:んぅ……ごめん。
林:とにかく、元気になってもらえて良かったです。
珠:うまい肉まん食えたから許してやろう。
梅:肉まん?
林:あ、エビチリも美味しかったですよね~
梅:エビチリぃ?
遥:……(あ、ヤバイ)
美:かっきーにあ~ん♪してもらったエビチリ、美味しかったぁ♡
遥:(小声)ちょっと美月さん!
梅:かっきー?
遥:な、なんでしょう? うふふ
梅:食べたのか?
遥:な、何をでしょう?
梅:私と食べに行く予定だったエビチリ。美月にあ~ん♪ したのか?
遥:あ、いや……その、成り行きと言うか、何て言うか——
美:ちょっとやめて梅! 私とごま団子を分け合った可愛いかっきーをイジメないで♡
どいつもコイツも……いい度胸してやがる。
梅:よーし分かった。
珠:お、この感じは
林:あの……梅澤さん?
梅:お前ら歯ァ食いしばれぇ!
遥:ごめんなさーい!
若:車で暴れんな! 新車なんだぞ!
美:ぎゃっはっは!
―同時刻・別車内―
玲:とりあえず役目は果たせたかな?
真:そりゃもう作戦大成功! でしょ?
玲:なんかさー
真:ん?
玲:あの子達見てたら、ちょっと羨ましくなっちゃった。
真:ね。あんなの見せつけられたらたまんないよねぇ
玲:このアルバムのジャケット。もう誰もいないんだね。
真:それだけ乃木坂が長く愛されてるって事でしょ
玲:さすが、良いこと言うね~
真:玲香、10曲目かけて
玲:10曲目ね、ほいほい。
(車内に乃木坂の曲が流れ始める)
玲:いい曲だよね、コレ
真:うん。三期って感じするよね。
(真夏と玲香を乗せた車は海岸線をひた走る)
真&玲:うっみぞいの~ボードウォークまで~♪
―つづく―
【おまけ】
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