トルコ
5番目の国、トルコ
トルコは行ったことのある友人皆高評価だったので期待に胸を膨らませて行きましたが、期待は裏切られませんでした!トルコが大好きになりすぎて、次の国メキシコに着いた当日はトルコロスになったぐらいです。私的にはイスタンブールは大都会過ぎてNG、地方都市のイズミル(いってもトルコ第3の都市)や田舎の町(カッパドキア地方のウルギュップ)のほうがよほど好きでした。
トルコに移住するのはほぼ考えていませんでしたが、住むには良さそうというイメージを持っていました。というのも、私がファンである漫画家の高橋由香利先生の「トルコで私も考えた」シリーズを愛読していて、トルコ生活やトルコ家庭料理などに長年あこがれていたからです。日本に住んでいた時はトルコ人のオスマン先生のトルコ料理教室に何回か通ったほど。今回イスタンブール、カッパドキア、イズミルと一週間ずつ滞在しましたが、ここには絶対住めると思ったのはイズミルでした。イズミルは近くにエフェサスやパムッケレという大観光地があるものの、なぜか長期滞在する観光客は少ないようで、客引きもぼったくりもおらず、ローカルプライスで全ていける、外国人観光客には夢のようなトルコです。歴史的にエーゲ海側はイスラム色が少ないようで、私の滞在していたコンドではアザーン(礼拝)の音は全く聞こえませんでした。街中にあふれるレストランやカフェ、果物屋、蜂蜜屋、デリ、パティスリー、ナッツ屋、スーパー。毎日同じ通りを歩いても飽きることなく散策しました。トルコの人はリタイヤが早いのか無職の人が多いのか、はたまた休憩が長いのか、日中いつでもチャイ屋でたむろっている人たちで通りが賑わっていて、レストランやカフェでも長居は当たり前、早く席を空けてほしいという店側の沈黙の意図を感じたことは皆無。リラ安もありトルコでは何もかもリーズナブルで、にわかに豊かになった気分になれます。食料自給率100パーセント以上のトルコは特に食料品のクオリティが高くて安価、レストランでもパン食べ放題は当たり前、こんな豪華な前菜無料でくれるの?というレストランも多くあります。そして世界3大料理に数えられるトルコ料理、もちろん美味しく、基本的には地中海料理に近いので健康にもよさそうです。個人的にはMezze(前菜)は野菜たっぷりで美味しくて大好きですが、トルコ料理はケバブやドネルサンドなど、肉料理が多いのが玉に瑕。私自身はベジタリアンですが、トルコ料理はヨーグルトやチーズを多用するのでビーガンには大変かもしれません。トルコ人は親日で、基本親切な人たちばかり。ただこれはトルコに限らず世界中どこでも同じですが、イスタンブールのように観光客が多いところはあの手この手で少しでもぼったくろうという輩がいますので要注意です。その点カッパドキアは観光客だけで成り立っているような場所ですが、ほとんどの観光客が拠点とするギョレメでも結構素朴でしたし、もっと長く滞在した近くのウルギュップでは完全にローカル値段で過ごせました。ウルギュップの街も綺麗で安全ですし、のんびり過ごすにはとてもいい所です。私のイチオシはイズミルですが。イズミルはイスタンブールと同じように海に面していて、海岸沿いにレストランと遊歩道が並び、多くのコンドミニアムのバルコニーから美しい海の景色を見渡せます。トラムもイスタンブール程混雑していませんし、トルコ人はお年寄りや子供に席を譲る習慣が根付いているようで、アジア人感覚では年寄のカテゴリーに入らない夫でさえも席を譲ってもらいました。又、空港へ行く際に大荷物を二人で四苦八苦して駐車場へ運んでいた時も、チャイを飲んで休憩中のおじさんが片手にチャイを持ちながらスーツケースを運んでくれました。私は一人旅の際このような見知らぬ人からの親切を受けることはよくありますが、夫といるとそれ程体験しないので(あまりヘルプを必要としないので)、トルコ一人旅ではどれだけの親切をうけるか想像出来ます。又トルコの街はどこもきれいで、店や屋台がぎゅうぎゅうに立て込んでいる割にはゴミや臭いの問題もなく、古いヨーロッパ風の建物とモスク等のトルコ風建築が素敵な雰囲気を醸し出しています。イスタンブール空港に至ってはチャンギ空港顔負けのスケールと洗練さ、トルコ航空は国内線も合わせて8回乗りましたが大満足でした。意外に思ったのが物乞いやホームレスがあまりいないこと。カザフスタンでは物乞いが違法だそうですが、トルコはそうとは思えないので、不思議です。メキシコシティでは到着した当日だけでトルコ3週間を超える数の物乞いに声をかけられました。トルコは気候も良く、私が滞在した9-10月は、カッパドキアは夜少し冷えたものの、温暖で快適でした。トルコは遺跡や観光資源にあふれているので国内旅行先に事欠きません。観光大国なのでありとあらゆるツアーが存在しており、アクティビティに困ることはないと思います。
私的には良いことばかりのトルコで、とくに問題点や嫌だったことは思いつきませんが、あえていくつか微妙な点を挙げてみます。これは中国も同じですが、トイレットペーパーの質が良くないためか、まれに便器にトイレットペーパー捨てるのを禁止されているトイレに遭遇することがありました。そのようなトイレでは便器脇のゴミ箱に使用済みトイレットペーパーを捨てることになりますが、個人的にはちょっと抵抗を感じます。トルコのトイレットペーパーの紙質はそれ程他国のものと変わらない感じでしたが、どうなんでしょうか。ちなみにカザフスタンの高級ホテルのトイレットペーパーは今までの人生で一番厚手のトイレットペーパーで、流すのが不安になるほどでしたが、特に問題ありませんでした。そしてなぜかトルコのレストランのトイレによくあるのがモーションセンサーライトなのですが、5秒ぐらいしか電気がつかないので、トイレの最中暗くなってしまうという、よくわからない不便なつくりでした。
中近東文化圏は大概そうですが、男女問わず香水大好きで、街中香水の匂いがぷんぷんするのには閉口しました(特にイスタンブールの人混み)。香り付き、というのが肯定的にとらえられているのか、洗濯用洗剤や掃除用洗剤も香りがきつい印象で、化学物質過敏症の人には厳しいと思います。スモーカーも男女ともにまだまだ多く、レストランは禁煙、分煙してないところが殆どです。他の国と同じく現地語であるトルコ語が出来ないと不便ですが、トルコ語はアルファベット表記なので推察できる単語も多く、グーグル翻訳等へのインプットも簡単なので、他の言語よりもハードルは低そうです。私は旅行者だったのでリラ安の恩恵を受けるだけでしたが、インフレは欧米よりもひどく、リラ安も終わりが見えない状態ですから、長期滞在、移住となるとそれなりの対応は必要だと思います。家賃も上がっていると聞きました。
ということで、トルコは本当にいいところ。ぜひまた数か月のんびり滞在したい国です。
まとめ
プラスポイント
物価が安い
街が綺麗
安全
食べ物が美味しい、地元産農作物が豊富
豊かな自然
おしゃれなカフェ、レストラン乱立状態
親日、人が親切
観光資源が山ほどある
マイナスポイント
トルコ語が出来ないと地方ではやや不便
喫煙者多し
ビーガンには厳しいかも
インフレ、貨幣リスク有