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「ショッピング散歩道(Aコース)」
真冬の鹿児島に、
厳しい寒さは感じられない。
20年前に長野県からUターンした時は、
冬だってことが信じられないくらい暖かいと思った。
それから早20年。
今では、鹿児島の冬が「暖かい」なんて思わなくなった。
ずっと鹿児島にいると、冬はやっぱり寒く感じる。
でも、今日は
昨日までと違って、寒さもちょっと一段落。
午前10時。
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アスファルトの坂道が陽光を跳ね返す。
黒のコートが太陽の熱を吸い込み、その暖かさが心地良い。
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陽ざしを浴びる
山間いの町。
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陽光を求めて枝先を伸ばすツバキの生垣
キラキラとまぶしい光を跳ね返す。
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この道、僕が城西中学校に通っていた頃は、もっと狭い道で、
左側には、石造りの鹿児島刑務所があった。
昭和61年に移転し、跡地には鹿児島アリーナが建っている。
写真中央やや右。
直線道路が伸びたその先に、鹿児島中央駅の観覧車「アミュラン」が見えている。
もう少し歩いた所にあるスーパーで食材を買い込み、
帰りは往路とは別なコースを選ぶ。
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甲突川の水面で、光がキラキラと踊っていたんだけど、
静止画像に閉じ込めると、なんとも地味でつまらない。
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この木の前に来ると、いつも少しだけ立ち止まって見上げる。
背後には、旧刑務所の石造りの正門が・・・
木の左側、ガードレールに説明看板が取り付けてある。
旧刑務所、遺された石造りの正門、架け替えられる前の石造りの鶴尾橋についての説明。
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草牟田の町を通り抜ける。
その途中に、酒屋だった建物が廃屋となったまま佇んでいる。
店として機能していた頃のことを僕は知らない。
でも、ここを通るときにはいつも目を奪われ、あれこれと想像してしまう。
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これは、一般住宅の石塀なんだけど、
猫の通路のような小さな穴が開いていることに初めて気づいた。
たまたま陽ざしがちょうど通り抜けるような日射角度になっていたからだね。
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鹿児島工業高等学校正門前。
ここを通ると、この高校に進学した中学同期生の顏がいつも思い浮かぶ。
ギタリストの末原君はここの卒業だし、ベースの鮫島君も、大阪に転校するまでの約1年半ここに通ってた。校舎が改築される前のことだ。
あ、そう言えば、亡き母が一時この高校に勤務してたな・・・
不良染みた男子生徒に靴を隠されたなんて話も聞いたことがある。
自分の高校時代とは時間が隔たっているので、そのイタズラ生徒は自分とは全く関係のない赤の他人だ。
草牟田の町には、「出会い坂」とか「見返り坂」「つげ櫛通り」みたいに洒落た名前の付いた道とか、「西郷大久保の通った道」「調所広郷別邸跡地」西南の役の火種となった「火薬庫跡地」等の史跡もあって歩くだけで楽しめる。
草牟田を通り抜けると、
国道3号線を越えて、
玉江橋を渡ると、
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その先の坂道を上ると我が家へとたどり着く。
これが、僕のショッピング散歩道「Aコース」である。
総距離約5.5キロ、約7000歩。
良い運動になる。