戦え、女子。



謎の敗北感の飲み下し方を知らない。
都度都度、思うのは、わたしが心の広い菩薩のような女でよかったね?ってことである。


あなたの女であるためには意地もプライドも捨てた方がいいんですか?


問いかける。本当はそんなこと絶対にしたくない。わたしはわたしが一番可愛い。そんな蝶よ花よと持て囃している自分自身を、どうしてわたし自ら蔑まなければならない?ましてや、自分の好きな人のために。どんなひどい所業ですか?試されているのですか?


彼と彼の友達との飲み会で、居た堪れなくなることってあるんだ?元カノの話されることってあるんだ?大丈夫そう?道徳心とかその他諸々。一度誰かと行った場所にはもう行きたくない、のうのうと宣った彼についにカチンと来てしまった。つまり元カノと旅行したすべての場所はその子との思い出だけでいいんだ?その思い出はずっとずっと下手したら棺に入るまで持っていくつもりなんだ?へえ、ふーん。


は?


そんな話しれっとされて笑顔でいられる女がどこにいるんですか?いないだろ。黙って微笑んでいればよかったんですか?どんな文句も嚥下してあなたの半歩後ろをついていけばいいのでふか?
何度も言うね、女の敵は女よ?愛しい彼の記憶の中にこびりつくその女がわたしの敵なの。わかる?その女に勝つためなら何にだってなる。どんな不満だって飲み下すの。でもね?その女との思い出話を飲み下すのは無理。心が狭いのかな?そんなことないよね?あ、わたしってあなたの一番じゃなかったんだ。萎えるわ。一昨日きやがるわ。って思わない?わたしが余裕ないだけなの?


は?


ていうか勘違いしないでほしい。わたしだってかつて陶酔してた男がいるってこと。なにも心からあなたの虜ですなんて一言も言ってない。寂しい夜に思い出すのが必ずあなたですなんてことも言ってない。わかる?あなただけじゃなくて、わたしにも言えることなの。でも、今わたしはあなたを愛しているし、これからも愛したいから黙っているの。それがマナーだと思う。あなたと生きていきたいですって示す姿勢だと思ってる。過去が美しいなんて当たり前だ。それを壊せるのは自分だけだから。現実を突きつけることができるのも自分だけだから。他人に干渉されない思い出はうつくしいよ。けどそれを他人にひけらかすのはどうかな。

わたしに嫉妬して欲しいのかな?だとしたらもう十分だと思うけどな。ちゃんと教えてよ。その思考の意図を。何も考えてませんでしたなんて今更言えると思わないでね?踏んだ地雷結構大きいよ?女のプライド踏み躙ったんだから、それ相応の罰は甘んじて受け入れなきゃ。


わたしを愛してるならわたしのことを一番に可愛がってよ。あなたが一番わたしを持て囃してよ。べつに飽きたら捨てていいよ、でも飽きるまではちゃんと態度で示して。その分だけわたしは可愛い女でいられるの。本当はこんなこと言いたくないよ。あなたのこと手放しで愛してたいよ。


お願いだから、あなたの手でわたしの価値を下げてくれるなよ。

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