映画「グレムリン」の指輪 〈映画の指輪のつくり方〉第20回
「指輪の中に何体隠れてるでしょう?」
1984年公開映画「グレムリン(GREMLINS)」
文・みねこ美根(2018年12月15日連載公開)
イルミネーションを“イルミ”と略すのは嫌いだ。そこかしこで、イルミイルミ。
クリスマスが近づいてきた。クリスマスは好き。食べ物も美味しいし、年の瀬も近づいて、特別な感じがして、ワクワクできるから。ただ、なぜこの時期になると、DVDレンタルショップが人々で賑わいだすのか!
カップルが「面白そう」と借りようとしてる映画、社会派のすごく重たいやつだけど平気かな…とか、子どもがR-18の映画を借りたいと駄々をこねて説明に困る親御さん大変そうだな…とか。「ハリーポッターの5と6はつまらないからぁ、見るなら一気に見ないとぉ」と偉そうに友達にアドバイスする女とか…。こらぁ! ハリーポッターは、5と6が最高なんだよ、ていうか全部最高なんだよ!と悔し涙を浮かべるのは、偉そうに月2回映画を紹介する私…。いいんです、構わないわ、みんなそれぞれ好きな映画があって、この時期を楽しむために借りに来る…。でも、なんだかいろんな会話が聞こえてきて、無駄にどきどきしてしまうのです。
そんなときには刺激的なクリスマス映画を観ようね。
ジョー・ダンテ監督作品「グレムリン」がクリスマス映画だとは知らなかった。正直に言うと、最初は「3人のゴースト」で指輪を作ろうと思っていた。でも全然モチーフが見つからなくて(あと、ビルマーレイが少しうるさくて)、急遽“クリスマス映画”で検索して出てきた「グレムリン」で指輪を作ることにしたのだ。
これは、ホラー映画だ。BGMやコミカルなシーンで緩和しているけれど、グレムリン登場シーンやら、ママとグレムリンの戦いのシーンなど、ここだけ切り取ったらしっかりめのホラー映画じゃん!という場面が多くて、面白い。このママとグレムリンの戦いは、素晴らしい。夜中に一人、大爆笑してしまった。気持ち悪いのが平気ならぜひ見て欲しい。ディーグル婦人とグレムリンのシーンも好き。
映画の舞台となる街並み、どこか見覚えがあるな…と思ったら、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じセットらしい。製作総指揮のスティーブン・スピルバーグが監督した「E.T.」や「インディ・ジョーンズ」のパロディ、カメオ(?)もあるので探すのも楽しい。ちなみに、脚本はクリス・コロンバス。ハリーポッターの1~3に製作・監督として携わっている。
そしてなんといってもギズモが可愛い。これは確かに長年愛されるわけだ…。ギズモがプリントされたパーカー、売ってたので買ってしまうかも。
さて、今年の連載は、今回で終わり。「なぜ再生回数が増えないのか。誰か見てくれているんだろうか。」という不安と、純粋に指輪を作る楽しさによる脳内麻薬的熱中とが入り混じるこの感じがくせになってきました。「指輪の動画見たよ!」と言って下さる方もいて、それを励みに頑張っています。ありがとう。来年もたくさん映画見て指輪つくるぞ。
見てくれないと、貴方の家のお風呂にグレムリンを浸しておくから。
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モチーフ:クリスマスツリーに潜むグレムリン、ゴミ箱に落ちたギズモ、
ミキサーにかけられるグレムリン、箱から手だけ覗くギズモ、
真夜中のフライドチキン、クリスマスの電飾、グレムリンの手
音楽:「The Gremlin Rag」 Jerry Goldsmith(オルゴールver. cover)