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PanelVisorはなぜ生まれた? ~「どうせ無理」を越えた挑戦~

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正直な話、PanelVisorを作ろうと思ったとき、周りからはこう言われました。

「すごくいいと思うけど、そんなの無理だよ」

でも、その「無理」を乗り越えないと、夢なんて実現しません。

僕がPanelVisorを作ろうと思ったのは、
単なるDIY製品を届けるためじゃありません。

そこには、運転士として働いていた頃に感じた「不甲斐なさ」と「志」がありました。


今回は、なぜこの製品を生み出そうと思ったのか、僕自身の体験からお話させてください。


運転士としての誇りと悔しさ


運転士という仕事は、人々の生活を支える「誇りある仕事」です。


毎日列車を走らせ、乗客を安全に運ぶ。
その責任感や使命感は、他の仕事にはない特別なものがありました。

運転士の一員になれた。
世界中で働く鉄道運転士の中の一人として、人々の生活を担っている。

運転士になりたてのころは、ただそれだけで幸せでした。


しかし、年数を重ねてくると、一方で悔しさを感じるようになりました。

鉄道の本当の価値に、みんな気付いていない。


地方の鉄道では、過疎化や利用者減少の影響で、路線が廃止の議論が行われる現場を目の当たりにしました。

僕が働いていた場所も例外ではありません。


「もっと自治体や利用者に鉄道の価値を伝えられれば、こんな状況にならなかったかもしれない」

「鉄道が地域の価値や治安にも影響していることは、採算以上の価値がある」

「鉄道従事員の仕事への向き合い方に対して、賃金が安すぎる」


そう思いながらも、目の前の仕事に集中するしかなかった自分がもどかしかったんです。


「伝えたい」という思いが原動力


この不甲斐なさを抱えたままでは終わりたくない。
鉄道の魅力を伝えたい。
運転士という仕事の素晴らしさを知ってもらいたい。

そのために、自分ができることは何なのかを考え続けました。


その答えが、「自宅で本格的な運転台体験を届けること」でした。


僕が運転士として感じた緊張感、使命感、そして誇り。

そのすべてを、自宅で気軽に体験できる環境を作れば、多くの人に鉄道の価値を感じてもらえる。

そう信じて、この挑戦を始めました。


DIYが教えてくれた「つくる楽しさ」

小さいころから工作が大好きでした。
段ボールを切り刻んだり、家にあるものは何でも使って電車の運転席を作っていました。

祖父も父も手先が器用だったため、段ボール工作も木工も、すぐ近くに師となる人がいたんですね。

現在のマスコン製作も、最初は自己満足でした。

3Dプリンターでパーツを作り、自宅に運転台を再現して楽しむ。
ただの趣味の延長だったんです。

でも、それをYouTubeやXで公開したとき、想像以上の反響をいただきました。

「自分もやってみたい」「こういうのが欲しかった」
その声を聞いて、気づきました。

「僕だけじゃなく、みんなも“つくる楽しさ”を感じたいんだ」

運転台を自分で作り上げるという行為そのものが、体験としての価値を持つんだ、と。

「無理」を越えたからこそ生まれたもの



PanelVisorを製品化するまでには、多くの壁がありました。
少量生産、手作業、コストの問題。

それでも、諦めなかったのは「これを届けたい」という強い気持ちがあったからです。


次回の記事では、PanelVisorの価格についてお話しします。
「高い」と感じるかもしれません。

でも、その理由を知れば、この価格がいかに奇跡的か分かるはずです。

どうぞお楽しみに。


次回予告:
「PanelVisorが高い理由、それでも“安い”と言い切れる理由」

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