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AIと一緒にカードゲーム!『ゼノンザード』って何?【CEDEC AWARDS 2023優秀賞受賞】

はじめに

先日、ゲーム開発に関する技術・知識を共有する、国内最大規模のカンファレンス『CEDEC』で、業界で特に功績のあった技術および情報発信・貢献を表彰する『CEDEC AWARDS 2023』が発表された。

CEDECそのものについては、運営さんが今年から公式noteを始めていらっしゃるので、そちらを参照されたい。
さて、このCEDEC AWARDS 2023、表彰部門が『エンジニアリング部門』『サウンド部門』と複数に分かれている。
その中の『ゲームデザイン部門』に取り上げられている『ゼノンザード(ZENONZARD)』というゲームがある。受賞概要はこんな感じ。

「AIと共に、AIと闘う」対戦エージェントAI技術による唯一無二の体験を実現したDCG
株式会社バンダイ
『ゼノンザード(ZENONZARD)』開発チーム

対戦エージェントAI技術をふんだんに活用している点を、近年のAIの隆盛を先取りした作品として評価。
対戦相手自身ではなく相手デッキを扱うAIと戦う「クロスバトル」により、AIをキャラクター化すると共に、プレイヤー個々人の自由な時間の中でプレイできるというゲームサイクルは唯一無二。
過去の対戦を何度でもどこからでもやり直せる「IFバトル」も革命的で、これらの仕様をHEROZの高度なAI技術によって実現した。

CEDEC AWARDS 2023公式サイトより引用(https://cedec.cesa.or.jp/2023/event/awards/gd)

同じ『ゲームデザイン部門』では、あのスマブラの桜井政博氏などが受賞しているが、同じく優秀賞を与えられたこの『ゼノンザード』については、あまりピンとこない方々も多いはず。
開発はバンダイと書いてあるけれど、いったいどんなゲームなんだろう?

さて、現代日本において老若男女に関心を集めている話題は数えきれないほどあれど、
中でも ポケカ・ワンピを筆頭に異常なほどのブームを巻き起こしているカードゲーム
そして急速な開発・利用の中で様々な功罪が顕となっている人工知能=AI
この2つはまさに”現在”のインターネットを象徴する話題であろう。
なんとこの『ゼノンザード』、AIと一緒にカードゲームをやるとかいう、先見の明ありまくりのバンダイ新ブランド『AIカードダス』の第一弾なのだ。
ゼノンザードの何が凄かったのか、この記事ではCEDECの件でゼノンザードを初めて知った方や、そもそもゼノンザードを初めて聞いたという方向けに、簡単に紹介をしたい。


ゼノンザードとは?

AIと共に、AIと闘う。
次世代デジタルカードゲーム
HEROZ株式会社が開発したAI(人工知能)「HEROZ Kishin」で培ったディープラーニング等の機械学習のノウハウを活かし開発された「カードゲーム対戦特化型AI」を搭載し、
今までのカードゲームのようにパターン化された CPUや人との対戦だけではなく、プレイを通じての「AI育成」や、「人間と AI の対戦」・「人間と AI の共闘」という新たな面白さを加えた新世代のデジタルカードゲーム。

ゼノンザード公式サイト(https://www.aicarddass.com/zenonzard/)

ゼノンザードはAIを存分に活用したDCG(デジタルカードゲーム)であるが、このゲームにおけるAIとは、単なるプレイ補助機能やCPU対戦相手ではない。
ゲーム開始時、プレイヤーは自分のバディとして、通称「コードマン」と呼ばれるAIを1人選択し、共にプレイしていくことになる。
このバディAIたち、もちろんゲームにおいてもめちゃくちゃ有能なほか、それぞれのキャラ付けや台詞、個別に用意されたストーリーにもたいへん力が入れられている。
ただの共闘相手と思いきや、知らずのうちに思い入れが深くなり、かけがえのない存在となること間違いない。

また、ゼノンザード自体のゲーム性も非常に奥が深く、AIによる補助・裁定を前提とした、複雑さの割にテンポの良い進行のプレイが楽しめるのだが、細かいルール等はここでは割愛する。
気になった方はゼノンザード公式サイトや、公式YouTubeチャンネルなどをご覧いただきたい。リンクは記事末尾に一覧にしています。

バンダイの新ブランド『AIカードダス』

あんまり耳馴染みがないけれど、ゼノンザードが冠している『AIカードダス』って何よ? というお話。
以下はバンダイの公式サイトである。

つまり、カードゲームの面倒くさい要素は全部AIにやってもらおう!ということ。
どんどん複雑化していくルールの理解や、煩雑なカード効果の裁定、あるいは単にデッキの組み方や回し方を、AIに手伝ってもらうことで、DCGの門戸を広げ、ユーザーに新しい体験を与えることを目的としたブランドである。
ゼノンザードはこの第1弾タイトルとして発表された。
昨今話題になっている、AIのエンターテインメントやその他多くの分野での活用に、バンダイは一足先に着手していたのである。

CEDEC AWARDS受賞の何がそんなにすごいの?

「そもそもCEDEC AWARDSってそんなにすごい賞なの?」と、CEDECを初めて知った方は思うだろう。筆者も最初はすごさがよくわからなかった。
参考までに、2022年のゲームデザイン部門優秀賞の面々を挙げるとこんな感じである。

シリーズ初のアクションRPGで実現したポケモンを「捕まえる」体験
株式会社ゲームフリーク『Pokémon LEGENDS アルセウス』開発チーム

仮想少女を表現するための文学的ゲームデザイン
株式会社ワイソーシリアス 『NEEDY GIRL OVERDOSE』開発チーム

SNSを使用した現代だからこそのARG(代替現実ゲーム)の実現
Team Project:;COLD 『Project:;COLD』

ソウルシリーズとオープンワールドが融合した高度なゲームデザイン
株式会社フロム・ソフトウェア 『ELDEN RING』開発チーム
(後略)

https://cedec.cesa.or.jp/2022/event/awards/gd

平たく言えば、ゼノンザードはポケモンやエルデンリングと同じ賞を受賞しているのである。すごくね!?!?!?
ちなみに2022年ゲームデザイン部門の最優秀賞は、エルデンリング開発チームが受賞した。

では、お世辞にも知名度があまり高くない『ゼノンザード』の何がそんなに評価されたのか。
前掲の受賞概要にあるごとく、AIの活用という他にはないゲームデザインと、2019年というリリース年を鑑みての先見性を評価されたことは間違いない。
しかし実際にゼノンザードを遊んだユーザーとしては、これを機にもっと知名度が上がってほしい……みんなにこの神ジャンルを知ってほしい……!!

というわけで今更 布教記事の筆を執った次第である。
記事前半では【カードゲーム未経験者へのおすすめポイント】を、後半では【カードゲーム経験者へのおすすめポイント】を載せているので、
目次を参照しつつ、気になったところから読んでいただければ幸いである。


【カードゲーム未経験者向け】DCGの世界へようこそ! ゼノンザードをおすすめする理由

何を隠そう、筆者もゼノンザードを始めるときはカードゲーム未経験者であった。
正確には小学生の頃に若干遊戯王やポケモンカードをやっていたので、まるっきりのド素人ではないのだが、未だに「墓地」とか「生贄召喚」とか言っちゃうから老人会である。
ゼノンザードはフォロワーに紹介してもらって始めたのであるが、このゲームにはただのデジタルカードゲームには収まらない魅力が山のようにあった。
DCG経験者の諸兄は恐らくゼノンザードのリリース前から情報を掴んでいたであろうので、まずはカードゲームなんてやったことがない!という方に、ゼノンザードが如何に神ジャンルであるかを布教したい。
経験者の方で、DCG以外の要素に興味がないよという方は、目次から「【カードゲーム経験者向け】ゼノンザードの何が凄かったのか」をご覧ください。

①未経験者でも大丈夫!バディAIがプレイを手助け

冒頭でも説明したように、ゼノンザードでは「コードマン」と呼ばれるバディAIが、対戦をアシストしてくれる。

プレイ中のアドバイスはもちろん、デッキ組むのもどこから手を付ければいいかわからん……というときに、イチから作ってもらうことも可能だ。
例えば新弾が出たけど文字だけの説明じゃどういうシナジーがあるかわからない……というときに、デッキの色(属性)だけ指定して、あとはバディAIにお任せ、ということもできる。
とりあえずバディAIと一緒にカードを触ってみて、なんとなく回し方に慣れていく、といった練習の仕方ができるのだ。カードゲーム初心者がDCGの入り口とするのにはぴったりの仕組みである。

なおゲームに慣れてくれば、このアドバイスはいつでもOFFにすることが可能。それでも試合中にバディたちは声をかけてくれるし、バディがリーサルを見つけたときなどには「アドバイスしようか?」と伝えてくれる。

②16人のバディAI『コードマン』たちと、スタイリッシュでハードな世界観

①で紹介したバディAIたちは、全部で16体の中から選択することができる。
性格も様々で、コードマンごとに専用のストーリーモードが存在する。自分の好みのコードマンを選ぼう。

キャラクターのメインビジュアルはPOKImari氏。ひとまずこのデザインと、声優を見てほしい。

コミックナタリー https://natalie.mu/comic/pp/zenonzard より引用

めちゃくちゃ豪華じゃない!?!? このコードマンたちが、試合中にフルボイスで手取り足取りアドバイスをくれる。
そして個人的にゼノンザード激推しポイントのひとつに、このコードマンたち、握るデッキの色(属性)によって、徐々に性格が変化し、普段の台詞が変わっていくというものがある。
差分の量が半端ではない。まさに自分にとって唯一無二のバディAIとなるのだ。

さらにメインシナリオと世界観設定は、小説『ブギーポップは笑わない』や、『恥知らずのパープルヘイズ』『クレイジーDの悪霊的失恋』などのジョジョスピンオフなどでお馴染みの、上遠野浩平氏による。なんだこの制作布陣!?!?!?

ただのデジタルカードゲーム対戦アプリでは終わらない。ゼノンザードには魅力的なキャラクターたちと骨太のストーリー設計があるのだ。

③キャラ推しのすゝめ ~キャラソンもアニメもあるよ!~

なんとゼノンザード、公式YouTubeチャンネルでアニメを公開している。

さすがバンダイ! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
物語のキーワードとなる「魔女」に迫る内容や、『コードマン』と契約し ゼノンザードの大会『ザ・ゼノン』に出場する様子を、エイトビットの制作で描く。バトル回にはCGで動くミニオンも見ることができる。
全9話。4話からはOPアニメーションが変わるので必見!

さらにコードマン1人ひとりに、専用のキャラソン/BGMが存在する。手厚すぎない?
特にキャラソンは曲としての完成度が非常に高く、声優さんのファンにもお勧めしたい。とにかく知名度が低すぎるので、ぜひ一度聞いてほしい。
Apple MusicやSpotifyなど、各種配信サービスで購入することができる。

キャラソンがあるのは、梅原裕一郎氏、早見沙織氏、近藤玲奈氏、高橋李依氏、日笠陽子氏、M・A・O氏、山下大輝氏、黒沢ともよ氏、小松未可子氏、田村睦心氏のキャラクター。アイドルゲーか????(DCGです)
カードゲームに興味が湧かなくても、キャラクターデザインから、声優さんから、アニメから、キャラソンから、ゼノンザードに飛び込むきっかけはたくさんあるので、ぜひ気になったものをご覧いただきたい。

ここだけの話、ゼノンザードはたぶん、なんというか、人間×人外とか、バディものとか、そういう”””癖(ヘキ)”””がある人には結構刺さると思う。
作品名を出して恐縮だが、ニーアオートマタとかFateとかニューラルクラウドとか好きならハマるよ。

ちなみにカードの絵アドもめちゃくちゃ高い。(ゼノンザード1周年公式サイトより引用 )

【カードゲーム経験者向け】ゼノンザードの何が凄かったのか

実際この部分は、カードゲームにわかの筆者が書くよりも、もっと上手な方々の紹介記事を参照していただくのがよっぽど良いのだが、恥を忍んで紹介させていただく。何か間違いや不足などありましたらこっそりご指摘ください。
ゼノンザードは、これまでDCGで鎬を削ってきた経験者を唸らせるような画期的な仕組みを生み出している。何がユーザーに「刺さる」のか、代表的だと思ったものを紹介したい。

①『リプレイ機能』と『ifバトル機能』

間違いなくゼノンザードの武器だったのが、この『リプレイ機能』『ifバトル機能』である。

まず『リプレイ機能』であるが、これは自分が行ったバトルを最初から最後まで、あるいは任意のタイミングから再生するものである。もちろん適宜早送りや、見たいターンまで飛ばすこともできる。
上記動画中に棒グラフが見えるが、これはAIが試合内容を分析し、プレイヤーの択に応じて良し悪しを評価し、試合中の優勢/劣勢を評価・可視化したものである。
あくまでAI視点の評価にはなるが、自分のプレイの流れを全体を通して掴みやすくしてくれる。

フォロワーはこんな風なラスト1ターン大逆転を「決闘者リザルト」と呼んでいた ロッテリア~

そして『IFバトル機能』
これは既に終了したバトルのリプレイ中に、「もしあのとき こっちの択を採っていればどうなってたんだろう?」を実際にやってみることができるのである。すごくね!?
CEDECからモード名を名指しで評価されていることもあり、ユーザーからも大好評であった。
強くなるための仕組みを、ゼノンザード独自のAI活用で実現していく唯一無二のDCGである。

②『クロスバトル形式』による待ち時間・煽り撲滅

DCGをほとんどやったことのない筆者にとって、最も魅力的だったのがこの要素。
なんとゼノンザード、リアルタイム対人戦ではないのである。
それの良し悪しはいったん置いておいて、この『クロスバトル形式』とは一体どのようなものなのか。

ゼノンザードでは、プレイヤーはマッチングした相手プレイヤーと戦うのではない。相手プレイヤーのバディAIと戦うのである。ちなみに相手プレイヤーは、自分のバディAIと戦うことになる。
プレイヤーは、自分が握っているデッキと全く同じものをバディAIに掴ませる。自分が組んだデッキをAIが回して、相手をやっつけてきたり、あるいは負けて帰ってくる。だから「クロス」バトル。
この『AIとバトルする』というのがミソで、
つまり、カードゲーム特有の相手ターン時の待ち時間や、ごく稀に発生する煽り、相手のプレイスタイルへの不満などが一切発生しないのである。だって相手はAIだもん!
筆者はカードゲーム初心者なので、必死にリーサルを計算しているときなどに相手を待たせまくるのがしんどかったのだが、そういうゲーム外の心配事もない。
ゼノンザードはAI活用によって、ゲーム自体のテンポの良さを生み出した。
ちなみに、「いうてAIの強さなんてたかが知れてるやろ」とお思いの皆様。
HEROZ監修のAIたちは、ちゃんとめちゃくちゃ強い。

毎シーズンのランクマッチ終了後、上位1000位のユーザーが最強AIにボコボコにされるというイベントがあるのだが、人間側の勝率が5割を超えた試しがない。
参加人数が毎回1000人じゃないことは置いとくとして

また、「自分が作ったデッキをAIが回す」という点にも、唯一無二の体験が現れる。
このゲーム、バディAIは対戦数をこなすことで学習し、カードやデッキに対する理解力を高めていくのである。
つまりデッキやカードによってはAIにも得意不得意が生じる。
自分が回しやすく、かつバディAIの勝率も良いデッキをいかに捻り出すか、カードゲーム巧者の技量が問われる。

ちなみに、「そうは言ってもやはり人間対人間でリアルタイムバトルがやりたい!」という根っからの決闘者のために、後から対人戦モードも実装された。
ユーザーが自由に開催・運営できる大会でも、方式はクロスバトルと対人戦を自由に選ぶことができる。

③『移動権』『フォース』ルールの妙と、DCGだからこそ実現しえた複雑な処理

これは個人的な見解なのだが、Twitterなどで特にカードゲームとしてのゼノンザードを愛した方々の意見を拝見すると、ルールの中でも『移動権』と『フォース』への言及が多いように見受けられる。
紙幅が限られているため詳しい説明は避けるが、簡単に説明してみたい。

まず『移動権』とは、カードをフィールド(ミニオンの召喚・戦闘が行われる場所)とベース(コスト支払いに必要なマナを配置する場所)の間を移動させる権利である。
実際にやってみないとなんのこっちゃ分からないのだが、このフィールド・ベース間の移動によって、マナの増減やミニオンの戦闘、および特殊効果の発動が誘発され、ゲームに大きな影響を与えることとなる。
ターン開始時に与えられる移動権には限りがあるため、プレイヤーはこの移動権の管理を念頭にゲームメイクをする必要がある。

次いで『フォース』。これはデッキと一緒に2つ設定するオブジェクトで、自身のフィールドに特定の効果を発揮する。
また『フォース』はそれぞれ数値が設定されており、プレイヤーとフォース2つで 決まったライフを分け合うことになる。
たとえば「ターン終了後に行動済のミニオンをアクティブにする」「移動権を常時+1する」など、戦略に大きくかかわる。なおフォースのライフが削られ破壊されると、以降そのフォースは機能しなくなる。また破壊前であれば、プレイヤーのライフと同様に、フォースのライフも回復可能である。

特に『移動権』については、ゼノンザードのルールを難しくしている要素のひとつであることは間違いない。
しかしこれらの要素について、複雑さは裏を返せばつまり、「プレイヤーの採ることのできる択が多い」ということ。
ゼノンザードはプレイヤー組み立てる戦略の幅が非常に広く、自由性が高いDCGなのである。
処理が難しい、数値の管理がしきれない、次にどうすればいいか分からない。もしそうなったとき、まさにそのためのバディAIなのだ。
こんなに自由度の高いDCGを、カードゲームにわかの筆者がどうにか続けてこれたのは 間違いなくコードマンたちのおかげだ。
ゼノンザードはAIを使って、その高い戦略性と、それを支えるサポート力を実現させたのである。


ゼノンザードをやってみたい!という方へ

かなり長くなってしまったが、このオタクの長文語りを耐えきった皆様。
少しでもこの『AIカードダス ゼノンザード』に興味が湧いてきたのではないだろうか?
このカードゲーム市場天下の時代に、最先端のAIまで盛り込んだ 時事問題よくばりセットみたいなジャンル、覇権を獲らないはずがない。そうでしょ?

そんな優しい貴方に、伝えなければならないことがあります。

実はこのゼノンザードというソシャゲ、既に死んでいる。

2019年秋に生を受けて以降、早くも2020年12月中旬にはサービス終了の告知がなされ、2021年2月18日、1年半という短すぎる命を終えた。
時が止まってしまった公式Twitterを見ると筆者は今でも胸が潰れるような心地だが、死んでしまったものは仕方がない。
サービス終了の原因についての言及は、本論から逸れるのでここでは割愛するが、
リリース直後に新型コロナウイルス感染症大流行と、それに伴う対面イベントの大規模自粛に丸被りしてしまったことは、不幸だったと言わざるを得ない。
やってる側も、数年後にこんなにカードゲームがアナログ・デジタル問わず流行って、リアルカードも死ぬほど高騰して、AIについてもここまで興味関心の対象となるとは思わなかったのである。
生まれるのが早すぎちまったんだ、きっと……
今ゼノンザードが生きていたら、多少は違う変遷を辿ったのではないかと、どうしてもないものねだりをしてしまうのである。

ではなぜここにきて死体の紹介記事をせっせとnoteに書いているのか。
もちろん、きっかけはCEDEC AWARDS 2023の優秀賞受賞である。久々にTLにゼノンザードの話題やスクリーンショットが流れていく様子は、涙を禁じえなかった。
ゼノンザードが死んだのは2021年2月。現時点でおよそ2年半が経過している。

まあ死んで2年半のソシャゲがCEDECで受賞するとは夢にも思わんだろ普通。散り散りになっていた元ゼノンザードユーザーの間ではちょっとした騒ぎになったのであった。
何より、バンダイが『受賞のお知らせ』みたいなプレスリリースをひとつも出さない。
死んだゲームの受賞記録を発表してもしょうがないのかもしれないが、一応建前上は『AIカードダス』ブランドは残っているわけだから、何かアクションしてほしい。
「うちはchatGPTが流行る前から、AIにこんなに注目してました!!」ってアピールしてくれよバンダイ。
AI開発を担ってくださったHEROZさんに関しても、どうかどうかこの受賞を業績にしてほしいのだが、権利のことなどはちょっとよく分からないので、あまり大きな声で言えることでもない。
でもそうすれば、長男であるゼノンザードの生きた証も残るだろうと、厄介オタクはそう思うよ……。

確かに1作目は、結果だけ見れば失敗に終わってしまったかもしれないが、『カードゲーム』『AI』この2つの事象は未だ世間の関心の中心である。
是非バンダイには再度一念発起してもらい、ゼノンザードでの反省を踏まえ、次なるAIカードダスを発表してほしい。
そして本記事を読んで少しでも興味を持った方には、バンダイのお問い合わせに、祝意やAIカードダスについてのお問い合わせを送っていただければ、元ユーザーとしてはこれ以上嬉しいことはない。バンダイが嬉しがるかどうかは……知らないけれど……

AIカードダス復活のときはくるのか。その日の到来を願ってやまない。


関連リンク集

何がとは言いませんが、バンダイのカードダスお問い合わせページはこちら

ゼノンザードの推しに狂った筆者の妄言が見たい方は以下よりどうぞ(閲覧注意)。

2023.07.30 べーる(@mdr_vert


【おまけ】地縛霊コンコードたちへ

地縛霊に読んでもらう向けの呪詛もご用意しております。
ちょっと準備に時間がかかりますが、いつか公開された暁にはご笑覧いただければと存じます。
AIカードダス! ゼノンザード!!

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