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感情をなかったことにすると「未完了の感情」として何度も立ち現れる

おそらくあれは一種の睡眠障害だったのではと今なら思う。

10年以上もの間、ほぼ毎日悪夢を見て、自分の「やめて!!!!!」という大きな叫び声で目が覚める。泣いていた跡が顔に残っている。そんなふうに毎日目覚めていた。一種の習慣のようになってからは「またこの夢か」と思って体を起こした。

その夢を見なくなったのはその夢の中の相手に「もうやめてください」と現実世界で伝えることができてから。

いつも私が言葉を飲み込めば済むことだと思っていた。相手を傷つけることになる。自分が嫌だという気持ちよりも相手を優先した。相手には相手の事情がある。私の気にしすぎかもしれない。

そうずっと言い聞かせていた。それでも感情をなかったことにすることはできず、その思いは「悪夢」という形で出てきては、私を逃してはくれなかった。

感情は決してなかったことにはできない。なかったことにしようとした代償は「未完了の感情」として必ず立ち現れる、これが私が身をもって感じていたことだ。これをコーチングを通して、学んだ時は「やっぱりね」とどこか安心にも似たような感覚を覚えた。

なかったことにしなくていい。仮に相手を傷つけることになったとしてもあなたの気持ちはあっていい。伝えても伝えなくてもいい。でもなかったことにはしないで、せめてあなただけはあなたの気持ちを留め置いて、と伝えたい。

誰にもいうことができず、この闇に飲み込まれまいと必死だった。大丈夫なふりをした。そのうち1人でも大丈夫そうだよね!と言われることが増えた。そうだと思った。

けれど全然、1人で大丈夫なんてことはなかった、と今なら言える。誰かに寄り添ってほしかったと今なら言える。自分でしか過去の自分に寄り添うことは今となってはできない。せめて私が過去の私に寄り添うことだけはやめないでいよう。



だから私はコーチングをするんだとやっぱり思う。

進むのではなく、立ち止まることで、留まることでしか得られないもの、深まるものがある。過去の私のように今、それを感じている人に伝えたい。大丈夫、今あるものはあっていい。

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朝倉翠 | 心地よさの探求
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