赤い賢者と青いバカ 1

むかしあるところに 
たいそうあたまのわるい
あおい鬼がいました

とてもよわむしで
ちからも
とみもないので
まわりの鬼とも
ひととも
けんじゃともなじめなくて
ひどくみじめなおもいをしていました

はたけをたがやしては
しっぱいして
ものをつくろうとしても
かたちにならなくて
だれかをたすけようとしても
かえってこまらせてしまいます

なので
できるだけ
まちがいをおこさないように
いしをなげつけられないように
あつれきをうまないために
だれともかかわらないようになりました


しかし
それでもはらのむしはなるし
よからぬおもいがよぎってしまうので
だれかがすててしまったものを
おじぎをしてちょうだいしたり
かわにあたまをつっこんで
おおきなあわぶくをはきだしたりしました

そうやって
だれかのたすけをかりながら
よしなにはからわれるよう
いままでいきてきました

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