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氷花(ひょうか)の一滴 ストーリー☆他一本

氷花の一滴


山奥の静かな村に、特別な冷酒を造る小さな酒蔵がありました。その酒蔵の名は「氷花(ひょうか)」といい、酒の造り手たちは氷点下の中で花のような美しさを持つ一滴の冷酒を生み出すことを目指していました。しかし、その製法は極めて繊細で、自然との調和が求められるものでした。

主人公の若い蔵人、真一(しんいち)は、この酒蔵で修業を積んでいましたが、まだ一度も「氷花の冷酒」を完成させたことがありませんでした。村では「氷花の一滴」と呼ばれる特別な冷酒が、年に一度しか仕込まれないため、失敗すればその年は再挑戦できないと言われていました。

ある年、真一は師匠から氷花の冷酒を任されることになります。自然の寒気と時間が絶妙なバランスで酒に影響を与え、僅かな温度変化で台無しになるため、真一は一日中、酒蔵にこもり、発酵の進行を見守り続けました。

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