#95 夜の悪戯
夜12時前、私は女友達と六本木のいつもの出口のところに集合した。
夜遊びってこの時間帯なのか、と思ったりして、イケナイことをしているみたいで、わくわくとドキドキが止まらなかった。六本木の明るいライトはどれも宝石のように輝いていた。
私の大好きな女友達はオールブラックに身を包み、キラキラのバックを肩にかけてやってきた。目もギラギラだった。彼女は思い返せば、いつにも増して妖艶だった気がする。改札を通り抜けてイヤホンを外しながら、私のもとにやって来ると、男釣ってやるぞとか言いながら、クラブの位置を探しながら携帯とにらめっこしていた。私はそんなことを言う彼女が好きだった。
彼女と当たり前のように腕を組みながら、クラブの入り口までは彼女のこないだまで付き合ってたくず男の話で盛り上がっては、腹を抱えてばか笑いしかしてなかった。
入り口につくと、強面のお兄さんにセキュリティーチェックとやらをされて、クラブの中に入っていった。建物の中から、少し爆音の振動が伝わってきて、私たちは目を合わせてニヤッと笑ってしまった。ちょっと怖かったから手を繋いでドリンクバーまで歩いて行った。フロアにはすでに人が多くいて、色んな人とぶつかりながらドリンクバーの行列に並びにいった。
ドリンクを作っているお姉さんがあまりにも菊池凛子に似すぎていて私は目を見張った。いや女優さんがこんなところで働いているわけがない、、、!こんなにもそっくりな人がいるのか、、、とびっくりした出来事だった。そんなお姉さんに作ってもらったジンライムを片手にフロアに繰り出した私たち。
フロアで爆音の音楽に乗せられて、酔いもどんどん回ってくる。色んな男と目が合っては近づいてくるが、うまく交わしては女友達とひっつきにいった。音楽が脳内で振動していて、おかしくなりそうだった。DJブースの前には、綺麗でセクシーな女の人が立つお立ち台があった。深夜になると、そこにお姉さんたちがやってきた。音楽に合わせてくねくねと腰をうねらせながら、男たちを誘っている。私もそそられてしまった。こんな職業の人も世の中にいるんだと思い、私は少し興奮した。
男たちがお立ち台にいる女の人の豊満なお胸に札束を挟んでいるのを見ていると、クラブの店員が近づいてきて、「VIP席どうですか?」と尋ねてきた。VIP席という響きに私は好奇心を発揮し、自分の女友達となら良いと言って、彼女を連れ立ってVIP席に行った。VIP席には男たちが座っていて、座るやいなや肩に手を回してシャンパンが注がれたグラスを渡された。友達も男の隣に座らせられ、なにやら楽しくお喋りを開始している。それを見て、私も隣の男の時計と来ている服、持っているクラッチバックを見て、狩りを始めた。
この素晴らしき時間と六本木の夜に乾杯。私は、 優越感をかみしめながら、VIP席からフロアを眺めシャンパンを飲み干した。
爆音と煌びやかな光は夜明けまで続いた。
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*このnoteはすべてフィクションです。
今日も最後まで読んでくれてありがとう!
See you again, chuchuchu♡