【アメリカ流通業レポート⑤】5つの経営方針で挑戦と革新を繰り返すクローガー
4つのブランドをもつPBが好調
パンデミックは食品小売業界にとっては追い風となり、多くの企業がコロナ特需の恩恵を受けた。大手のクローガーもその恩恵を受けており、ガソリン販売を除く既存店売上は2020年期には14.1%と2桁代の伸びを実現。比較ベースが高かったことが影響して2021年伸び率は0.2%と低いものの、プラス成長が続いている。
重点的な設備投資が行われたデジタル販売も、2021年には2019年比で113%の増加となった。顧客の望む鮮度が高くサステナブルでパーソナライズされた食品や日用品を、店舗とデジタルでシームレスに販売するオムニチャネル戦略が功を奏した結果だと言えるだろう。
常連客を中心に人気の高いPBの4つのブランドは、それぞれ10億ドルブランドに成長している。今年に入ってからも昨年から続いている食品のインフレがさらに深刻さを増しているが、価格・価値の両面で訴求力の高いPBを中心とした効果的な販促により成長が続いている。
直近の2022年8月13日に終了した2022年第2四半期の売上高は前年比9.3%増の346億ドル。既存店売上はガソリン販売を除いて5.8%増と好調で、2022年度全体の業績予測を上方修正している。
4つのフォーマットを全米に2,726店展開
2021年度末で、総売上1,379億ドル、店舗数は全米35州とコロンビア特別区に2,726店舗を展開しており、食品販売では全米2位の売上を誇る。
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