「夢ノ棺ノ時間ドロボウ」レビュー(後半ネタバレあり)
とりえもすたぶ様の「夢ノ棺ノ時間ドロボウ」のプレイレビューです。
前半はネタバレあり、後半ネタバレなしでレビューしていきます。
作品はこちらです。
プレイ環境は対面、ココフォリア使用。担当PCは常闇一夜です。
ネタバレなし感想
可愛くて綺麗なイラスト、BGMも相まって少し緩めの不思議な雰囲気でワクワクする作品でした。
ストーリープレイングが好きな人ならとても好きになれる作品だと思うのでぜひプレイしてほしい作品です。
また、情報もわかりやすく文章量自体も多いというわけではないので、マーダーミステリー初心者の方にもプレイしてほしいなと思える作品でした。
RP重視のシナリオなので、反対にそういったものが苦手な方や少しギスギスした話し合いの雰囲気が好きな人、高難易度の推理を求めている人は物足りないと感じると思います。
以降ネタバレあり
評価・感想
評価 6/10
初めにも述べたようにストーリープレイングとしてクオリティが高く感動的な作品でした。
キャラ1人1人の個性が立っていてRPがしやすいのも良い点だと思います。
文章量が多くない分、自分のイメージと合わせてキャラを落とし込みやすかったです。
ココフォリアの演出も凝っていてイラストを見るだけでも楽しかったです。立ち絵やミニキャラが可愛く、物語の雰囲気にも合っていました。
実際、一夜やその他のキャラにも感情移入できていたので閉幕後も余韻が残って心に響く感じがありました。
エンディングでは感極まって泣いてしまいそうになりました。
センセイ…
推理要素やマダミスらしい議論時間の面で見ると物足りなかったです。
突発的な犯行なのでトリックなどがないのは当たり前ですが、推理内容がだいぶ素直だなと。
基本的に時系列を整理するだけで犯人が特定されてしまうので夕華が勝つのがほぼ不可能です。
夕華の性格的にも、犯人だと疑われた場合に言い逃れしない場合もあるんじゃないかと感じました。
一夜としてはPCの正体などの真相追及が目的になりやすいかと思います。
しかしこれが難しかった!
私はロボットという真相にたどり着くことができなかったです。
1つのクローゼットに4人分の服がありそうだった点
時間ドロボウごっこ中に 一夜 × 誰か の描写しかなかった点
記憶の思い出し方・途切れ方がおかしい点
センセイの「あなたは人殺しにさせない」というセリフが誰に向けていたのかわからない点
などから4人は1つの身体に宿った4つの人格であると予想しましたが外しました。
悔しい!
夕華の「熱さも痛みも感じない」という話を完全に忘れてしまっていたのがもったいなかったなと反省しました。(朝日の記憶の違和感は盤面に出てこなかった)
エンディングがかなり長く、そこは人を選ぶ作品かなと思いました。議論時間より長いんじゃないかな?
個人的にはもう少し推理や議論がしたかったです。
シナリオの仕組み的に夕華が勝つのが厳しすぎるのと、ロボットを推理するのがかなり厳しいというのが残念なポイントでした。
前者は前述のとおりですが、他に疑わしい人がいても良かったような気がします。
なんとなく夕華が犯人投票されるのが既定路線のような感じがしてしまいました。
ハンドアウトの情報からロボットは導けますが、Eの部屋にある機械が最終的には予想でしか推理できないことが惜しかったです。
エレベーターのメモがセンセイのものであることは想像できますが、「おれ」表記は朝日へのミスリードを意識しすぎなような気がします。
時間ドロボウごっこの絵本を置くのはセンセイでも本当に時間ドロボウの正体という訳ではないので、シンプルにセンセイが機械に強いということがわかるように「私」表記の方が情報の繋がりが綺麗になると思います。
ストーリープレイングとしてかなり面白い作品です。
人や卓を選ぶと思いますが、一度は視聴・プレイしておきたい作品だと思います。
ありがとうございました。