#10 自分の大切な「なにか」を守りたい気持ち
今回で10個目のブログ。誰が見てるか分からないプラットフォームで、文章で自分のことを発信することが、どういう結果を生むのかという実験を兼ねて始めたんですが、私は心底SNSで何かを発信することに向いてない人だなってことに気が付きました。
自分が、あの時感じた気持ち、その時起きた出来事、全部「ことば」にすることで、あんなに大切だった全てが全部壊れてしまう気がして。
やっぱりどうしても、その大切な「何か」を100%そのまま届けるのってどうしても難しいから、もどかしい。
だから、本当に本当に、自分と対話するために手で書く日記にあるようなことは全然ブログに書けないんだよね。友達への近況報告っていうスタンスで書いてても、どうしても面白く書きたいって思うと、「ブログ用の自分」のスイッチが入っちゃったりして。
就活で、ガチガチに練習してどんな質問も想定して回答も用意して臨むんじゃなくて、「じゃあ、自分のことを自由に表してください」とか言われたときの、なんかちょっと裸をさらさないといけないみたいな恥ずかしさと緊張感とちょっとの絶望とワクワク感みたいな。なんかそんなことを本当は書きたいのに。
だからこれからはちょっと自分の琴線に近いことを書いていく実験をしてみようと思います。
ー 『スプートニクの恋人/村上春樹』を読んで ー
5/27(月)7:30am、新宿NEWomanの前、普段よりも3時間くらい早く起きてドイツ行く前のお見送りに来てくれた親友。彼女が、「まりちゃん行ってらっしゃい!」ってそっとプレゼントを渡してくれた。中に入ってたのは、マキアージュのアイシャドウ(これ、未だになんでくれたのか分からない。いらなくなったのか?)と、本と、それに挟んであるはがき。
その本が、最近の私をエモくさせている原因の、『スプートニクの恋人』。
渡独にあたって、極力荷物は少なくしようとして、1枚のキャミソールを入れるのも惜しんでいたのに、なぜこの人は私に本を与えるんだ。しかも、物を丁寧に扱わないといけないということがかなりのストレスになる私に、くれるのではなく、「貸して」くれた本。そんな本人には言えないモヤっとした感情を抱えて、「行ってきます!」の挨拶と共に私は『スプートニクの恋人』と旅立ったのだった。
結論、高校生の時に『ノルウェーの森』を読んで以来、なんだか暗い印象があって好きじゃないと決めつけてた村上春樹の印象が、180度、いや、450度変わった本でした。
彼が使うことばや表現が、自分が今まで感じた気持ちを100%に近い形で表していて、すごく繊細でもろくて、美しくて。海外の人にも評価されているというけれど、これは日本語でないと伝わらないと思う。日本人で良かったと、改めて感じました。
私が好きだった言葉たち。
それぞれが、それぞれの好きな人を、うわべではなく、エゴでもなく、好きで大切だったんだろうなっていうのが、1つ1つの会話や表現や風景の見え方から手に取るように分かって、
好きな人との大切な、色んなことを思い出して、めちゃめちゃエモい気持ちにさせられた。
初めて買い物行ったときとか、お店で一緒にモノ探したり、その帰り際におまんじゅう買ってくれた時にコーヒー買ったら「なんで分かったの?」って笑ってくれたりしたこととか、明日○○に行くけど一緒行く?とか、腕組んで歩いたあの道とか、「隣行ってもいい?」って寄り添ったあのドキドキとか。
全部が全部、すごく楽しくて、愛おしくて、涙が出るくらい大切な思い出。人を好きになると、最初は自分が好きなだけで本当に満足していたことも、気が付いたら向こうの私に対する気持ちとかも気になっちゃって、もし嫌われてたらって思うと「好き」って伝えることもこわくてできなくなっちゃって・・・
女子って上書き保存っていうけど、本当にそうだなって思うけど、でも、やっぱり大切な気持ちや思い出はそっと違うファイルに保存してあったりもするんだよなあ~~。
「好き」って言葉には1回もされなかったけど、あんなに一心に愛情を感じて、一緒にいる時は、時間がそこに埋没してるみたいに「愛」に埋もれてた感覚とか。この人だけにコミットすることはできないって思うのに、それでも沢山の愛情をくれた思い出とか。
こういう経験を、まだ生きている中でもっともっと色々な人と沢山重ねて、大事なファイルが増えていくような、そんな人生になったら幸せです。
恋愛って、何よりも「人と向き合う」ということを、すごいスピードとすごい難易度でできる、最高のモノだと思う。だから、おもしろいし、難しいし、すごく落ち込むし、すぐに舞い上がるし、大切で、好きで嫌い!で、めちゃめちゃ死ぬほど、一生してたい(笑)
そんなことを最近考えて夜は寝られず、昼夜逆転マンになっております。よろしくお願いします。
P.S.
私がこの本で一番好きなところは、英題。
「The Sputnik Sweetheart」
Berlinにてオープン予定の、日本食「ごはん」がでる、くもん教室併設cafeの、大切な大切な資金にさせていただきます💗