1/6現在の上海で新型コロナワクチン接種状況と注意事項
北京では1/1〜1/2までに73,537本分のワクチンが接種されたという報道がありましたが、上海での取り組みが発表されているので紹介します。
まず、1/4までに上海市でワクチン接種した人は32.6万人で、空港で働く人、コールドチェーンに関わる人、航空会社のクルーなど国際・国内の交通関係、医療関係、公安関係、消防関係、ソーシャルワーカーなど各住宅地で住民への仕事をする人が対象でした。中国ではこれらの人たちを重点人員と呼ばれ、中国全国では300万人が接種されています。スケジュールは、今年の1/15までに1回目の接種を終え、2/5までに2回目の接種を終了させるとのことです。2級以上の資質をもつ指定病院で予約制で接種されます。もちろん、これら病院では万が一に備えての救急設備を備えていて、ワクチンの追跡も1本1人単位で完全にできるシステムになっているとのこと。(注:筆者も来週接種することになっているので、また上海での詳細を紹介します。)
◉上海で使用されているワクチン
中国国産不活性ワクチン。2回接種で14日間以上あけること。部位は上臂三角筋。
◉接種されない人
・接種対象年齢は18〜59歳で、未成年や高齢者は現在接種されていません。まだこれらの人に対しての臨床試験が十分でないためです。
・過去にワクチン接種で強いアレルギー反応(アナフィラキシーショックなど)の出た人。例えば蕁麻疹・皮膚湿疹・呼吸困難・血管神経性水腫・腹痛などは接種を見送ること。
・急性疾患・重篤な慢性疾患・慢性疾患の急性発病期・発熱者。
・妊娠期・授乳期・3ヶ月以内に妊娠予定がある人。
・痙攣や癲癇、脳疾患、精神疾患があったり、家族でそれらの病歴がある場合。癲癇のコントロールが出来ていなかったり、その他の進行性の精神疾患がある場合。ギラン・バレー症候群がある場合。
・先天性もしくは後天性免疫不全、HIV感染、リンパ腫、白血病など自己免疫疾患がある場合。
・すでに重篤な呼吸器疾患があると疑われていたり、罹患している場合。重篤な心血管疾患・肝臓腎臓疾患・悪性腫瘍患者。
・抗癌剤など免疫抑制剤を使用している場合。
・新型コロナウイルスの感染者。
・臨床医師などにより接種に問題があると認められた場合。
(以上の詳細は担当医師に再度確認して下さい。)
◉ワクチン接種後の注意事項
接種前の問診、接種後30分の臨床観察が求められます。接種当日は接種箇所を濡らさないようにして、十分に休息をとる。接種後1週間はお酒を控え、アレルギーが出やすい食材などアレルゲンをさけ、刺激物や海鮮類の接種を控え、水分をしっかりと摂るようにということです。
◉抗体ができるまでにかかる期間
これまでの臨床研究で、1回接種後の7日目に抗体が作られはじめ、14〜28日目に抗体陽性率が60〜90%、2回目接種28日後で90%以上で抗体陽性率になることが分かっています。また、どの程度効果が持続するかは現段階でははっきりしたデータは出ていません。(新型コロナが発生してまだ1年程度ですし。)一般的には、半年以上は問題ないとされています。
◉ウイルス変異に対応出来るかどうか?
現在の中国のワクチンでは、米国・イギリス・ロシア・オーストリアなどのタイプのウイルスで、特異抗体の識別能力には影響を受けていないとのこと。変異したタイプのウイルスでも現段階では有効であるということです。
◉ワクチン接種を受けるとPCR検査が陽性になる?
実際に時々聞かれますが、あり得ません。不活性ワクチンは、すでに感染力と複製能力を失っていて、接種後に新型コロナを発生することはありません。なので、PCR検査を受けて陽性になることはありません。ワクチン打って、本当に感染してしまったらPCR検査で陽性になります。
ここまでは上海市が発表した情報の要約です。
よく勘違いされているのですが、実はワクチンを打っても、市中感染者が限りなくゼロになるまでは日常生活での対策は同じなんです。ワクチンを打って終わりではないのです。また上記で紹介したように、実際にワクチンを打てない人も沢山いらっしゃいます。隔離もマスクもまだまだ必要なんです。中国ではこのことも再三言われています。
インフルエンザで皆さん経験されているように、ワクチンを打っても感染する人は必ずいます。そのため、ワクチン打っても相変わらずPCR検査は行われますし、ウイルスから体を防御するためのこれまでのマスクやソーシャルディスタンスなどの対策は継続されます。しかし、重要なことは、ワクチンを打つことで、市中感染をゼロに持っていくための抑え込みに大いに役立ちます。そのための時間稼ぎをしているのです。
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