中国の新型コロナ対策 中リスクエリアの考え方
中国の新型コロナ対策の中で、とても重要なのが頻回のPCR検査だけでなく、高・中リスクエリアを設定して、そのエリア内で集中的に隔離する方法です。逆にいうと、感染者が出て来ても、この中リスクエリアがしっかりと線引き出来ておれば、そのエリアの感染は時間とともに収まっていくのです。
一応、中国のリスクエリアの定義は以下の通りです。ただ、実際には現場の状況を見ながら、専門家が判断しながら臨機応変に運用されています。
◉低リスクエリア:過去14日間に確定患者がでていない。
◉中リスクエリア:過去14日間に確定例50例未満、若くは50例以上だが、過去14日間に集団感染発生せず。
◉高リスクエリア:過去14日間に集団感染が発生。
さて、1/4現在、中国では感染者などが出て中リスクエリアに指定されている場所は49箇所あります。高リスクエリアはゼロです。
◉北京ー順義6箇所、朝陽1箇所。
◉河北ー石家庄2箇所、邢台2箇所。
◉遼寧ー瀋陽16箇所、大連16箇所。
◉黒竜江ー黑河6箇所。
https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_10650391
中国では、新型コロナの感染者が発生した場合、まず濃厚接触者と濃厚接触者の濃厚接触者(二次濃厚接触者)を見つけ出します。これが第一段階。その次に、ロックダウンするエリアとスクリーニングPCR検査する範囲を定めます。そして、しっかりと範囲を定めた後に、実際にPCR検査が行われていきます。北京市順義区の中リスクエリアでは、これまでに42.2万人が2回のPCR検査を受けていますが、1回のPCR検査は2日間ぐらいの速度で行われました。迅速に集中的にすることが重要視されています。
このやり方でいくと、一般に2週間ほどでちらほらと散発的に感染者が確認され、さらに1〜2週間程度(合計で3〜4週間)で中リスクエリアが解除されることになります。一旦中リスクエリアになると、エリア外への出入りが禁止になり、自宅隔離の状態になります。上海でも11月に中リスクエリアがありましたが、たまたま封鎖される前に客をマンション敷地内へ送り届けたタクシー運転手が封鎖によって出られなくなり、中リスクエリア解除までエリア内でボランティアとして協力したというエピソードもありました。それぐらい突然に実行されますので、我々の日常生活では注意が必要です。例えば、中国国内の旅行にいって宿泊施設が突然中リスクエリアに指定されてしまうという可能性もゼロではないのです。そうすると最悪3〜4週間はそこに留まる必要があります。
という訳で、出張や旅行に行く前は、現地の感染情報をしっかりと確認しておくことが重要です。でも、それさえ怠らなければ、中国の大部分のエリアでは現在のところ移動は自由に出来る状態(低リスクエリア)になっていますので移動は大丈夫ですが、これから春節にかけて中国では民族の大移動が始まります。海外から戻る人も増加するでしょう。何かとややこしくなる時期であるには変わりません。