1/18 中国の新型コロナ状況&中国での濃厚接触者の定義

 1/18 発表 1/17 0〜24時の中国大陸新規感染者。
◉市中感染確定例93(河北54 吉林30 黒竜江7 北京2)
◉海外輸入確定例16(上海4 陝西3 浙江2 湖南2 北京1 天津1 福建1 広東1 四川1)
◉市中無症状感染者104
◉海外輸入無症状感染者11

1/17は吉林省で確定例が増え始めていますが、すでに隔離されている無症状感染者関連でした。今日も各地の状況を見てみましょう。

◆河北省 

 市中感染者54例のうち、52例は石家庄からで、そのうち27例は無症状感染者から確定例に。邢台市からは2例。邢台市の2例は隆尧県から。この2人は1/13にPCR検査を第三者検査機関で受けていたのですが、結果が分かったのが1/16で、しかも陽性でした。これは、この第三者検査機関に問題があり、この2例の確定例とさらに1例の無症状感染者を見逃しており、警察当局が検査機関に対して捜査に入りました。結果、隆尧県がロックダウン状態になったのは昨日お知らせした通りです。あってはならないことが発生してしまいました。厳しい処分が下されるはずです。

  無症状感染者は6例で、石家庄市から5例、邢台市からは隆尧県からの1例でした。

 1/18から河北省石家庄新楽市と邢台市南宮市全域が高リスクエリアに指定されました。河北省では藁城区に続いて3箇所目の高リスクエリアになります。

 中国各地からの救援の医療隊も続々と石家庄に入っています。今日1/18には四川大学華西医院からも派遣されました。華西医院は中国でも名門中の名門の病院です。警察隊に先導されて、最敬礼で現場入りされたようです。

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 河北省では各地でロックダウンや、感染者の疫学調査が行われていますが、これほどまでの規模になってくると、当然CDCだけではなく、警察との協力が欠かせません。1/17には中国CDCの高福主任などの専門家が石家庄公安局を訪問し、捜査や偵察などで公安との協力体制を確認しています。

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◆吉林省

 昨日も紹介しましたが、1例の無症状感染者から101例も感染させた、スーパースプレッダーが出現した吉林省。1/17の確定例は30例でした。内訳は長春市から13例、通化市から17例。このうち27例は既に隔離されていた無症状感染者からの確定例。また無症状感染者は17例ですべて通化市からでした。

 その結果、吉林省通化市では1/18の12時から、14箇所が新たに中リスクエリアに指定されています。 

 https://wap.xinmin.cn/content/31886779.html


◆黒竜江省

 黒竜江省では1/17は7例の確定例。内訳は绥化市達市で4例、北林区で2例、海倫市では無症状感染者から確定例1例。また、無症状感染者は81例で绥化市望奎県74例、绥化市青岡県2例、ハルビン市松北区2例、チチハル市昴昴渓区3例でした。ただ、これらの確定例・無症状感染者はすべて高リスクエリアである望奎県恵七鎮恵七村の確定例・無症状感染者の濃厚接触者・2次濃厚接触者として隔離された人の中からのPCR検査陽性でした。隔離された人の中から陽性が出てくるというのは、感染コントロールするという立場からするととても重要なことで、隔離範囲が正常に機能していたことを示します。

◆北京市

 北京市からは2例の確定例が出ています。1例目は63歳女性で、大興区天宮院街道在住で、北京から出るために自主的に1/16にPCR検査を受け、1/17確定例普通型。2例目は、1/17に1例目の濃厚接触者としてPCR検査し、陽性。確定例普通型。濃厚接触者43例や、2例目が勤務しているビルの従業員2,000人もPCR検査を受けています。今のところ陽性者は出ていないようです。引き続き調査中です。

 最後に、今日は中国での濃厚接触の定義を少し紹介しておきます。 

 まず、濃厚接触者は、疑似例・確定例・軽症など、発病4日前(無症状感染者ならPCR陽性検査の検体を採取した4日前)、有効な予防策を採らずに1m以内で接触したこと人のことを指します。たとえば、一緒に居室で生活していたり、同じ教室で勉強や同じオフィスで仕事をした場合に該当します。また、そうした人を診察・看護し、有効な防護策をとっていない医療関係者やその付き添い家族等、同じ病室にいた患者・付き添い家族等も、自家用車・タクシー・ハイヤーなど同じ乗り物を利用していた人全員が該当します。例えば、飛行機に乗っていて感染者が出た場合の濃厚接触者の範囲は、同じ列の人と、前3列、後3列、その区域を担当しているクルーが濃厚接触者として扱われます。公共の交通機関で、空調がついていて、密閉された車内なら、その車両にいた乗客全員が該当することもあります。会食や旅行に関しては、最終的にはCDC専門家によって厳密に判断されます。少なくとも、マスクをしていたら濃厚接触にはならないという様なことは中国では決して言われません。濃厚接触者探しは非常に専門知識が必要な作業であることが分かります。






  

 

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藤田康介
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