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【マスターデュエル】WCS予選の雑感・感想

・はじめに
普段はOCGメインでプレイしてますが、マスターデュエル(以下MD)について他の記事を書いてる方と同様少しでも参考になればと思いメモ代わりに残しておきたいと思います。

今回は普段のデュエリストカップと同様の方式で、世界大会(WCS)の予選となりました。日本からは上位2名というあまりにも狭き門かつ、OCGプレイヤーは主で走るであろう時間帯にYCSJやデュエリストフェスティバル、日本選手権ショップ予選の最後の駆け込み等があり、スケジュールとして破綻してるといっても過言ではない状態を強いられ、上位を目指すことが厳しいと感じました。

そしてなによりも、MDの環境面ではイシズティアラメンツの一強であることは誰もが認めるところであり、モチベーションの低下を招く最大の要因となっていたと思います。
1stステージから一貫してティアラと当たらない時間帯もポイント帯もほぼなく、デッキの性質も相まってストレスフルな環境そのものだと感じるプレイヤーも少なくなかったのではないでしょうか。「ティアラにあらずはデッキにあらず」とまではいかないものの、多少抗える程度では話にならず、まるまるデッキタイプごと有利を取れるデッキでない限りはまともにプレイすることすら難しかった魔境でした。

その中で、前々回のDC(Dec)から引き続き環境に対してどうアプローチするかを自分なりにテーマを決めて走りました。
前々回は後攻特化、前回は先攻特化、今回は

「あえてティアラメンツ以外を使う」

です。それを踏まえて書いていきます。

1stステージ編


1.使用デッキ


まずレシピはこちらになります。

ふわんだりぃずです。
今回はTwitterで げぼちさん(TwitterID:@LSSAH_1944) とペアを組んで、環境を見つつ構築を練りました。他者から意見、状況を聞くことで、対ティアラメンツへの考え方、他のデッキに対してのアプローチ方法、そもそもの要・不要カードの選定等が非常にスムーズかつ有意義になりました。
合致している点、相違している点をまとめながら適宜入れ替えていき、1stステージを突破した構築が上記のものになります。

2.選択理由


単純明快だと思いますが、ティアラを使わずにティアラに勝とうすれば必然的に選べるデッキは激減しますし、それ以外にも見なければいけないデッキが多い1stステージにおいて、最もメタ性能が高く、2ndのためにプレイの練度を上げる意味でも、ふわんだりぃずが適正だったと感じています。

こちらが後手のティアラ対面でディメンションアトラクターを使えば先手後手が実質入れ変わる可能性があり、次元の裂け目を使えばそのまま封殺出来ることすらあります。また、DDクロウをメインギミックで触ることが出来るのも優秀です。アトラクター・裂け目がなくてもティアラに対して1妨害作れるのは見過ごせない利点だと思います。

3.マッチングと傾向、データ


分布図
勝率内訳

毎度のことながら1stステージの序盤〜中盤が一番きついですね。多様なデッキタイプが存在しつつ、一度流れが傾くとそのままずるずると負け続けます。メタ読みもあまり通じなくなるのに加えて思考も偏りが出るのでドツボにはまります。

最多マッチングはティアラなのは置いておき、スプライトが多かったのは当初は意外でした。メタ性能は高くないイメージでしたが、OCGで全盛期のティアラと同時期に肩を並べることが出来ていたデッキとしてのポテンシャルは健在だったと思います。
メルフィー、ナチュルや春化精といった新たな顔ぶれや、いつものアダマシア、神碑といったデッキも一定数いたのがまたやりにくさを押し上げていました。

ただそれらに対してもふわんは余裕で抗える…はずだったのですが、最初期の構築では想像以上に事故率が高く、まともにゲームが出来ないレベルで事故を起こしていたので、とにかく安定性をあげることだけを考え、相方のげぼちさんや他のフォロワーから勧められ、どうしても入れたくなかったジャックインザハンドを投入、最終的にはそれで拾えた勝ちもあったため、やはり集合知は偉大で勝ちたいなら意地を捨てるべきだと学びました。

・対ティアラメンツ

何も言うことはないです。アトラクターを通す、先攻なら裂け目を通す、後攻なら拮抗勝負を通す。
サーチ先をイシズで飛ばされたり、すとりーをイシズで透かされると負けなのでそこに繋がらせないことが大事ですが、運が絡む+ケア手段が限られてるので頭の片隅においておくくらいでいいと思います。
ペルレイノだけはなるべく早く剥がしにいきたいので、そのためにお守りとしてコズサイを一枚入れています。これで勝ったゲームもちらほらありました。

・対スプライト系

なるべく着地狩りが大事ですが、どのタイミングでどのカードを切るかの見極めが難しかったです。
相手がなんらかの☆2をNS後、こちら地図or夢街発動からライザーで飛ばしに行くパターンだとスターター素引きが大きな裏目になったり、逆に巨神鳥を構えて夢街の墓地効果を使うとなるとこちらのアクションが増えてリソース管理が難しくなる等、考えることが多く対面してて疲れます。
特にメルフィーが入ってるパターンだと、かき集めたリソースを全ツッパしてラッシィのシンクロ効果でファイナルシグマを立ててくるパターンもあり、そうなるとこちらにはほぼ回答がありません。強金使ったあとにリンクカオソルやサロスが残ってなければ負けです。そういった不測の事態に対応しにくい点もふわんの弱点の一つではあったなと思いました。

2ndステージ編

おおまかなメタが絞れたところで2ndステージを走り切るにはどうするべきかを色々調べた結果、今まで完全に考えていなかった点があり、上位層のほとんどが行っていることがありました。

①デッキを2つ使用する
②良い流れ・悪い流れを見極める

この2点です。
①に関しては今まで一つのデッキに固執するあまり、見えなくなっていた部分があったり、単純に「普通のゲームをしない」ことに重点を置いたデッキを使用していたこともあり、やってみる価値はおおいにあると感じました。
そこで、ふわんの他にティアラに有利が取れ、ある程度以上の練度があるデッキをもう一つ用意することにしました。

②に関しても①に通じる部分があり、コイントスの偏りや連敗、事故が続くなどのマイナス要素が重なってくるタイミングで、一呼吸置きつつ別のデッキで気分を変えることが出来ます。明らかに流れが悪いタイミングは「確かに存在」していて、それを直接感じられたのは経験として大きかったです。

4.使用デッキ

一つは前述のふわんだりぃずをそのまま続投、もう一つはエクソシスターです。

ランクマで感触を確かめつつ、OCGでの経験をそのまま活かせる可能性があること、単純に使ってて楽しいデッキであること、ふわんとちょうどいいくらいの違いで気分や思考が変わることなど、様々な観点から選択しました。
本来勝ちにいくなら、ティアラを触らない以上、別のデッキとしての選択肢はスプライトが筆頭だと思います。しかし、ほとんど触ったことがないデッキを持ち込んで勝てるほど甘くないので断念。次があれば触っておいた方がデッキの一つだと思ってます。

エクソシスターですが、このレシピではアトラクターもアーメントも入ってません。理由は「いつ引いても強いわけじゃない」です。
本来、アーメントはともかくアトラクターを入れられるデッキに入れない理由はありません。環境的にティアラがシェア率および強さとしても頭抜けている以上、少しでも埋めるためには必要だと思いますし、現にふわんだりぃずには入れてます。
エクソシスターにおいても強いカードですが、誘発を投げたあと、特にGを投げたあとに引いたアトラクターを処理する手段が一切ないので、引いた分込みで手札とデッキの中に全く使えないカードが入っている、という状況になります。それを許容出来るほど余裕のあるデッキじゃないと個人的に思っているので、環境的に多少弱くても使い道のある神宣や、不必要な負け筋を引くとしてもマルファにどうしてもアクセスするための強金を採用しています。
アトラクターを投げただけで他に何もできませんは話にならず、シェアが圧倒的に高いとはいえふわんの様に効かないデッキと当たったときにも腐るので、安定性だけを重視してデッキパワーを落とした形になります。

アーメントも同様です。先手で伏せてデッキに合わせて対応するのはもちろん、小回りの効くカードですが、これもこれ一枚で何かすることは出来ません。モンスターとの合わせ引きが前提であり、それなら普通に展開するか、ミカエリスからのサーチの選択肢であれば既にパークス、バディス、リタニアと3種あるので、これ以上は過剰です。安定性という観点からも事故札になりかねない、強金採用なのでEXに必要なカードが残ってない可能性があるなど、コンセプトとして噛み合わなかった部分が大きいです。これは考え方や構築のプランに依るところが大きいので、一つの考え方、こういう人間もいる、程度に考えてもらえればと思います。

5.マッチングとデータ


戦績1
戦績2
分布図
その他内訳


勝率内訳、先攻率46%はきつい


案の定半分近くティアラメンツです。おそらく不明のデッキもティアラだと考えると半分いくと思います。ここまで偏ると逆に清々しいですね。

今回は50戦だけにしました。見苦しい言い訳になりますが、YCSJに出る関係上、どうしても日曜はプレイ出来ず、前日の土曜も調整等があったので、金曜夜〜土曜朝まで、残りを土曜の夜に回し、キリのいい50戦、それぞれのデッキでちょうどいい感じの落とし所を探した感じです。
当初は銀アイコン以上を狙うつもりでいましたし、実際チャンスが0ではない(限りなく0ではありますが…)環境だったので、日程を被せてきた運営には少しスケジュール調整を頑張って欲しかったです。

マッチング表に戻りますが、先述した「流れの見極め」での「流れが悪い」タイミングとしては14戦目のティアラに敗北から17戦目の天威相剣の敗北までです。
このときまでは完全に勝てる流れでした。勝率も高く、序盤とはいえうまく進んでいたところに手札事故からずるずると4連敗。おそらく今までであればそのまま続けて5敗、6敗…と抜け出せない状態になっていたと思います。
今回はそのタイミングでデッキを切り替え、なんとか勝利。変えた後もふわんとSRを踏んで負けた段階で早々に見切りをつけてふわんに戻しました。

6.決断

銅ボーダーから少しの15000帯にさしかかり、休憩と情報収集がてらTwitterを覗くとティアラメンツを使っているプレイヤーが軒並み苦戦していて、メタの推移が早いと感じたのと同時に、「ティアラ同士で潰し合いになっている」「非ティアラ側がその潰し合いで潰れたティアラを食い物にしている」ことを理解し、「このまま無理に走れば当初の想定より多く非ティアラ側とやり合い続ける必要が出てくる」、つまり対ティアラ用に積んでる札が軒並み意味をなさなくなる可能性があります。
特にふわんの裂け目アトラクターは顕著であり、あの段階で増えてきているふわんミラーやシスター、果てはメタビートなどのデッキとやりあうなら個別に対策札が必要になります。スプライトに関しても増えてくる読みをすると、現状の構築とプランではどちらにせよ不利対面になりかねないと判断、かといってティアラを使えば他の思う壺…ここで八方塞がりのような感覚に陥りました。
構築を変えようにも一定数まだティアラと当たるポイント帯はあるだろうし、銅アイコンボーダーを突破したタイミングが出遅れていたため、今後走っても20000前後で沼ることが予想されること、YCSJが控えていたことから、悔しいですがここでステイを選択しました。

7.結果と今後

結果は3539位、前回より大幅に上がり5000位以内の3連続での銅アイコンでした。

銅アイコンコレクター

環境としては一周回ってやりやすかったです。前々回や前回のDCのようにメタの方向が完全に散らばるようなこともなく、考えるのは「ティアラかそれ以外か」のみで、後者に対してどれだけうまくアプローチ出来たかが上に行ける条件だったかなと思います。

1stステージの段階でしっかり分析したり、他者との交流によって情報を仕入れたり出来たのも、今までとは大きく違って楽しかったです。巷ではクソ環境と言われることも多い現環境ですが、そのおかげで様々な経験が出来ました。
過去最高30戦しか走れなかった、それも無理矢理滑り込みだった自分が50戦も出来ると思ってなかったことも踏まえると、モチベーションも高かった方かなと思います。

余談ですが、今月ランクマで初めてダイヤ1を達成しました。
マスターランクが実装される前に最高ランクに到達したので少しほっとしてます。
今後実装される新規カードはほぼOCGで知っているカードばかりなので、経験をアドバンテージとして活かしていければと思います。


質問等あればTwitter
@md_se_gt
まで

ありがとうございました。
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・環境への"逆張り"思考について

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