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第2回 医療×ブロックチェーン ~予測市場でWELQ問題も解決?!~

昨年11月に第1回を書いてからはや4か月。巷でブロックチェーン関連の話題が盛んに出てくるようになりました。大手取引所のハッキングや国家単位での規制などネガティヴなニュースが前面に出て、暴落に多くの投機家が憂いている間にも、各スタートアップたちは粛々と開発・成長を続けており、私を含めた周囲の投資家たちはチャートは見ずに開発のフォローばかりしてきました。私は多くのスタートアップをそれらの発行したtokenを保持することで間接的に応援するばかりでなく、CEOらが来日する際には仕事の都合がつけば直接話をしに行くようにしています。
今回は最後の方でそのうちの1つのスタートアップをとりあげ、WELQ問題の解決案まで意図的に飛躍させてみたいと思います。

おさらい:WELQ問題とは?

WELQとはDeNAのキュレーションメディアサービスの1つで「ココロとカラダ」についての記事を束ねているウェブサイトでした。WELQ側から指定されたキーワードを盛り込み、SEO対策を行い、とにかくPV数を稼げる記事なら何でもOK!1つ書くごとに千円程度の報酬を得られるというものでした。
とにかく話題になるような内容であれば何でもOKであったためにその多くはデタラメで週刊誌以下の記事ばかりでした。

医学的な側面からまるでエビデンスが存在するかのように論じられている記事が多く、数千件の記事に対する苦情が殺到した後は医療関係者によるリバイス、監修を受けてから出直します、と宣言するも今度は医師らに数万円の報酬を提供して"ハンコ"を押させていたことも発覚しました。なぜここまで話題になったかについては割愛しますが、
・とにかくお金儲けのためにデタラメな情報を垂れ流していたこと
・パクり記事が横行し、著作権なにそれ状態であったこと
・それを何故か素直に信じてしまう人が多いこと
・正しい情報を懇切丁寧に発信しているひとにインセンティブがつきにくかったこと
が問題でした。では、どのような対応策があるでしょうか?

WELQ問題の解決策は・・・

①発信する側の対策
昨年、Googleが信頼性の低いウェブサイトを上位に出てこないようにする対策を発表しました。また、Yahoo!と国立がんセンターとのコラボなど、極めて合理的なモノが続きました。発信するメディア自体ではありませんが、発信される過程におけるキーパーソンの大きな舵取りはとても良いものであると思いました。

②受診する側の対策
記事を読む私たち全員が立ち止まって考えなおす必要があるのです。私見ですが記事を読むときには

どこの誰が書いてるのか?(誰が翻訳してるのか、は判断できないため海外の重要そうな記事は原文を読みます)
→医師が書いている医療系記事は必ず信頼に足る、というわけではありませんが所属や肩書を含めて公表しているなら責任が伴い、その責任が信頼となるでしょう。

いつどこで発信されたものなのか?
→医学の知識、常識はめまぐるしいスピードで変化していきます。最速・最新の情報を手に入れるには学会発表や研究論文までリーチする必要がありますが、一般的にはその記事がリリースされたタイミングで良いでしょう。

協賛はないのか?PR記事ではないのか?
→これは私も陥りやすいポイントです。Forbesというアメリカの有名メディアがありますが、よく「フォーブズに載った!」と豪語される記事を散見しますが、その一部がお金を払って掲載してもらっているPR記事なのです。すなわち、ただ言いたいから書いてるのか、マーケティングの一貫として書いてるのか、そのあたりは判断する必要があります。暗号通貨界隈でいえばICO案件にまつわる記事の8割はマーケ、アフィリエイトなどです。

ブロックチェーンを用いてみんなでつくる
記事の"新しい信頼度"

(また性懲りもなく、使わないように決めたのに"〇〇"のカッコ使っちゃいました、いや、わかりやすいと思うんですが…。)

やっとブロックチェーンを絡めた話に移ります。最近は無理やりブロックチェーン技術と他の分野を絡める動きが凄まじいですが、私自身もそのひとりであったりします。が、その中にはブロックチェーンじゃなくても良いモノが多く、本当にブロックチェーンとの親和性が高いモノはごく少数です。さて、私の考えはどうなんでしょうか。。。

①信頼のチェーン
私はAmazon大好き人間のため、特に島生活中はAmazonに頼り切っています。いろんな買い物をする中で他の顧客のレビューを参考にすることが多いのですが、その際には1人のみならず複数のコメントを確認し、総合的に判断するようにしています。が、それでもハズレをつかまされることがあり、原因として販促側のコメントばかりクリックしてしまったパターンが考えられます。そんなとき、パッと自身が信頼できるコメンターにたどり着ければ安心ですよね。そこでTrustDavisというサービスを紹介します。ざっくり言えば、信頼に足る評価をすることにインセンティブを持たせるサービスでスライドにまとまっています。例えば私が信頼するXさん、Xさんの信頼するYさん、Yさんの・・・と複数人が信頼のチェーンで繋がっているときに、不可逆的で改ざん不可能な信頼のチェーンは私からZさんまで繋がっており、それによって理論上、私はZさんを信頼できることになります。この信頼のチェーンを用いれば自身が参考にすべきコメンターにたどり着くことは困難ではありません。

この信頼のチェーンをうまく用いれば信頼できる記事にもたどり着けるかもしれません。

②予測市場 prediction market ~新たな集合知~
こちらが今回の記事のメインディッシュになります。みなさんは予測市場という概念をご存じでしょうか?

予測市場 (よそくしじょう、prediction market) とは、将来予測をするための先物市場である。将来事象に関する群衆の意見を先物市場のメカニズムを用いて一つの数字に集約し、その数字を「予測値」とする。先物市場の仕組みを使うため、その予測値はリアルタイムで変化し、外部の情報(ニュース等)によっては大きく変化することもある。アンケートが一人一票であるのに対し、予測市場は個々人の自信の度合いに応じて票数を変えることが可能である。また、アンケートはある一時点での意見しか集約できないが、予測市場はリアルタイムかつ継続的に意見を集約できるという点で異なるといえる。 (Wikipediaより抜粋)

説明するのもなかなか難しいので、静岡大・佐藤教授の大変わかりやすい記事をご参照ください。これで理解できなかった方は今度お茶でもしながら熱く語りましょう…!アンケートのような投票は真剣に答えなくても損失は生みませんが、市場になったとたん、損得勘定が働きます。これをWELQ系記事に対する評価に適応させるのです。
例えば《赤ちゃんにハチミツをあたえるとIQ220になる》という記事を評価してもらい、1/100人が「信頼できる」99/100人が「信頼できない」と回答すればオッズはその逆数となり、もし記事の内容が真実であれば1人の方は大きな利益を得ます。(お金の出どころは評価者全員からの拠出です)
これを法定通貨でやろうとすると賭博になってしまい、オトナの事情が前面に出まくるのでそれをブロックチェーン、ひいては仮想通貨を用いて行おう!というのが今回の伝えたかったことです。なお、ブロックチェーンを用いた予測市場プラットフォームづくりに傾倒しているスタートアップはいくつか存在しますが、その中でもイチオシなのはICOから参加したGnosisAugurです(Gnosis派ですが)
Gnosisについての説明は・・・また今度にします・・・

なお、なにげなくCoincheck銘柄だからというpoorな理由でREPを、それも中にはXRP(Ripple)と間違えて買っているDEGAWA組が非常に多くてビックリしたのが記憶に新しい…)

さいごにお誘い!

①私自身もいろいろ臨床から得たアイデアを持ちつつも、エンジニアさんとの繋がりが甘く、できれば定期的にハッカソンをしたいと考えています!ぜひ、ご興味ある方がいらっしゃいましたら、一緒に日本の医療システムを良くしていきましょう!

こんなところにも所属しています(^^♪

②将来的にはサービスローンチするとなればやはりICOでの資金調達が現実的?→と、前回は書きましたが、モノが良ければ通常の資金調達の方がベターだと思っています。。。


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