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サウナラップリリック解説①〜Hokuo Wind編〜

はいどうも、こんにちは。

買ってもらった そうび品は 返しておく。でおなじみのキーファです。

えーそれは嘘でして、サウナラッパーmczguyと申します。皆さんいかがお過ごしでしょうか。


今回はですね、待望の(誰が?)サウナラップリリック解説の記念すべき第1回目!をやろうと思います。

本当に誰が待望してるのかよく分かりませんが、基本的に自己満足で進めさせていただく企画なので悪しからず。


まずは「Hokuo Wind」という楽曲について。皆さんはすでにご視聴しておられますでしょうか?

この曲を簡単に説明いたしますと、これはかの有名な「サウナ&カプセルホテル北欧」について歌っている曲です。作るきっかけになったのが、2020年の緊急事態宣言明け。サウナ北欧さんに行き、外気浴をしてきたときに、「フッ」とHookのフレーズとリリックが浮かんできたんですね。で、これは曲にしなければいけないと。急いで家に帰り、PCを立ち上げ、ビート制作にかかりました。

ちなみに僕がなぜサウナラップを始めようと思ったかについては過去の記事を参照ください…

色々と語りすぎてしまいましたが、まだ聴かれてない方はぜひご一聴ください。

いかがだったでしょうか。サウナのある日常の素晴らしさが伝わったらそれはもう嬉しいです。

ちなみにPVについては、サウナ北欧さんの貸し切りイベントに参加させていただいた時に北欧さんの内装や露天風呂の映像を撮らせていただきました。その節は参加者の皆様、サウナ北欧の皆様、本当にありがとうございました。

では今の時点でこの記事を読んでいる方はきっとHokuo Windを聴いてくれている方だろうと思うので、リリック解説早速参りましょう。歌詞の意味、ライミング両方の観点でなるべく解説しようと思います。一曲分は長いので、パーツに分けて解説します。


1st verse A

2ヶ月間の我慢の日々
うちの中でオアシスを無理に見出だし
勿体無いくらいの陽が差し込む窓側
デスクの向こうに楽しみ
空の下ととのえる屋上はどんなリゾートより極上さ
思い出すと今も夢の中なら足を運ぶ場所は上野だな

入りの部分ですね。「2ヶ月間の我慢の日々」というのは2020年の1回目の緊急事態宣言の事を指していて、この時わたしは試行錯誤しながら家のお風呂で温冷交代浴を繰り返していました。ベランダにヘリノックスチェアを置いたり、入浴剤を色々と試してみたり…。だから「うちのなかでオアシスを無理に見出し」。

MVでも映っていますが、主に僕の自宅で撮影をしており、仕事場の雰囲気が伝わるんじゃないかなと思います。机のすぐ向こうに窓があって、晴れてる日はよく陽が差し込んでめちゃくちゃ気持ちいいです。仕事中も気持ちよくて、あーサウナいきてー、っていう気持ちによくなってしまい、北欧の予約をしたりします。だから「デスクの向こうに楽しみ」。

こちらでぜひ予約をしてみましょう。

後半2行はリリックの通り。解説することはありません。「屋上は」「極上さ」(ououa)、「夢の中」と「上野だな」(ueoaa)で踏んではいます。ちなみにPVでは北欧に行く夢を見てたけど結局昼寝してただけだったという夢オチの演技をしてます。伝わった?笑


1st verse B

公園じゃなく浅草口
高速の下を散策し
忙しそうに行き交うタクシー
駅の落書き、さながらバンクシー
真っ赤なビルまでたどり着き
今じゃ日本の誰ものお墨付き
エレベーターに乗りこんにちは
LCCより気軽な旅

「浅草口」「散策し」「行き交うタクシー」「さながらバンクシー」で韻をたたみかけてるこのライン。上野駅といえば公園口の方が賑わってるイメージがありますが、北欧があるのは浅草口方面。駅を出て階段を降りると、すぐに首都高速の高架下が見えます。その脇道を入っていくと、真っ赤なビル・北欧が見えますね。もう今やサウナファンで知らない人はいないですよね、北欧。サウナって本当に旅行とかに比べたら気軽な値段で楽しめる旅だな、と思いました。


1st verse C

手にしたfablic そのどこからも雪国らしさは窺えないが
溶けることのない永久凍土の様にこの習慣を続けようと
自分の居場所を確保することすら難しい時代になり
付箋で示してるEEZ
こういうところも人力

これはドラマ「サ道」の1話でも言及していた内容のサンプリングですね。館内着から北欧らしさは感じられない、という。サ道へのリスペクトとしてサンプリングさせてもらってます。そして北欧、という寒そうな話題から、「永久凍土」「続けようと」というライミングに持ってきています。実際僕にとって、サウナという習慣は死ぬまで、もしくは何らかの理由でサウナに入れなくなるまで一生続いていくんだろうなと思っています。

北欧の特徴といえば、脱衣所のロッカー。付箋が置いてあり、自分のタオルなどをロッカーに入れたら、付箋を貼って自分のものだと主張する仕組み。なんだか生きづらい世の中で、自分の居場所や覇権を争っていることの縮図みたいで面白いなあ、と思いリリックにしました。EEZとは排他的経済水域(Exclusive Economic Zone)のことです。ここが自分の場所だとするのにも、周りへの主張が必要になる時代なんだなあと思いました。ちなみに北欧さんの採用しているこの仕組みに対してはなんの不満もないし、むしろ文化として残して欲しいと思います。そのためには僕ら利用者がマナーをこれからも守っていく必要がありますね。盗難なんてもってのほかです。


Bridge 1

回線はパンク、取れなかった切符
やりたかった 露天でハイ、チーズ
ストレス社会で需要は倍に上がって健康にバイバイキン
屋上、包まれる陽光に
気持ちだけは宇宙へ上昇し
ネガティブな感情は側溝に流して、その通り

上2行目は、緊急事態宣言明けに北欧さんの貸切イベントがあって、電話予約をしようと思い大学時代の友人と電話をかけまくったんですが、回線がパンクしてしまい予約できなかった、という悔しさを表しています。笑 まあただこればかりは仕方ないですね。もうみんな行きたいのは同じですから。それに僕は結局別のタイミングで行けているので、その時に十分楽しませてもらっています。ほんと贅沢です。でも、また貸切イベントがあったらいいですね。女性の方にとってもきっとチャンスでしょうし。

2020年、気づけばサウナブームは2019年の倍くらいの盛り上がりを見せたと思います。仕事や学校のストレスをどう解消するかで試行錯誤してきた人たちが、おそらく最適解を見つけてしまった、みたいな形じゃないでしょうか。気軽さといい、気持ちよさといい、サウナは現代人にマッチしたアクティビティだなあと思います。「健康にバイバイキン」は、普通に暮らしていても仕事やストレスや生活習慣により健康からはどんどん離れていっているな、という気づきがあったので入れました。健康に生きるってすごく難しいことだと思うんです。だからこそ陽光に包まれた北欧の屋上でととのいたいんですよね。それだけでネガティブな感情はそっとしまい込んで、思考が整理される。というかもうどうでも良くなっちゃう。これが本当のデジタルデトックスです。一応「陽光に」「上昇し」「側溝に」「その通り」で踏んでます。


Hook

空からの使者がタオルを振る
神の息吹か閻魔の怒りか
熱すぎて寒く感じる
まるで臨死体験、でも気にしないぜ
熱い風に身を委ねると
目の前の世界が瞬くぞ
ちゃんと思考の先へ旅立ってく

北欧で外気浴してたら降りてきたフレーズです。実はこの日、スカイスパ横浜の箸休めサトシさんがアウフグースしにきてたんですね。で、それを受けた直後に降りてきました。だから「空からの使者」。そして、サトシさんの風はものすごく強烈で、北欧の一番上の段に座っていた僕は、熱すぎてなんだかよくわからなくなって、「これはむしろ寒いのでは?」と思っていました。めちゃくちゃ熱い風呂に入ると一瞬逆に寒く感じるという現象、ありますよね。あれを初めてサウナで感じました。文字通り臨死体験かと。しかしその後水風呂→外気浴と順番を踏んでいくと、いままでにないグラングランなととのいが襲ってきました。しかも緊急事態宣言明けだからもうオーバードーズですよこれは。めちゃくちゃサウナは苦しかったけど、その後のととのいは別格。ということで、空からの使者だけど神様なのか閻魔様なのかわかんねーな、と思ったという話です。「臨死体験」「気にしないぜ」で踏んでますが、気にしてなくはなかったですね。俺もう実は死んでるんじゃないかとハラハラでした。でもだからこそのととのいは別格でした。サトシさんありがとうございました。

(余談ですが、実は僕が初めてアウフグースを受けたときも、熱波師の方は箸休めサトシさんでした。「北欧乃風 2nd」というイベントで、友達と一緒に行ったんですが、いきなりたくぞうちゃんさんやサトシさんなど熱波師の方々がサイリウムを持って音楽に乗せて踊りながらロウリュしにきて、めちゃくちゃカルチャーショックでした。アウフグースってこんな感じなんだ!って本気で思ってました。そのイベントの最後にサトシさんが「人生生きてれば辛いことあるよ!だけどそのためのサウナだろ?辛くなったらサウナに来いよ!」と仰ってて、北欧のサウナルーム並みに目頭が熱くなったのをよく覚えています。このイベントがあってこその「Hokuo Wind」というタイトルなのかも。)

ほいで、「目の前の世界が瞬くぞ ちゃんと思考の先へ旅立ってく」というラインは、「瞬ぞ ちゃんと」と「また、たくぞうちゃんと」でかかってますね。やっぱり北欧さんのスタッフの方としてリスペクトしているので、どこかの歌詞に名前をバレないようにというか、あからさまな形にならないように入れたいな、と思っていました。そしたらなんとご本人に気付いていただくことができました。勝手に名前使ってごめんなさい & 本当にありがとうございます。いつもYouTube拝見しています。


2nd verse

いつも目指してる理想とゴール
高層ビルの先に見渡す外
お湯に浸かりペナント予想
忘れておくな、打線は水もの
視界に入るどでかいBeisia
水は例えれば天使かメシア
古参新参である以前に
人はここを前に等しいのさ

続いて間奏を挟んで、2バースめです。聴きやすさとかを考えて、1バースめよりは短めの内容にしています。

まず1行目、これは気づく人も多いかもしれません。「理想とゴール」は北欧の露天風呂でお馴染み「トゴールの湯」とかかっていますね。前半4行は「とゴール」「外」「予想」「(水)もの」という2文字韻ですね。実際北欧に行ったらおじさんたちがトゴールの湯で日本プロ野球のペナント予想をしていて、いいなと思ったのでリリックに採用しました。割と実際にあったこととか、リアルなイベントを歌詞に登場させることは他の曲でも多いと思います。「サウナ水風呂外気浴〜」みたいなわかりやすい言葉をタカタカ乗せるだけなのって僕はなんかダサいと思っているので。

北欧に行ったことがある人ならきっと見たことがあるでしょう。トゴールの湯に入っていると、大きなベイシアグループの看板が目立つビルが見えますね。僕はなんなら北欧といえばBeisia、くらいのイメージでいます。なので歌詞にも登場させました。「Beisia」と「メシア」でかけてます。僕は小学生の頃から西武ライオンズファンなのですが、ここでエルネスト・メヒア選手を韻で登場させようか迷いました。結果として入れなくて良かったと思います。デストラーデやボカチカでもいつか踏んでみたいですね。

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最後のラインは常に思っていることです。サウナを前に皆平等。そこに一定のリスペクトとマナーがあるかどうか。これさえ理解していればサウナはいつでも気持ち良く感じられるのではないか、と思います。


Bridge 2

経験則から判断し
時間が解決することもある
交互浴が癒すこともある
知らない世界がここにある
何度も熱い風を受ける
何度も水中でchillする
これだけで昨日の自分と違う
新しい俺に生まれ変わる

サウナに通うようになってから認識し始めたことがあります。何かに悩んで、そのことしか考えられなくなる瞬間も人生にはあるけど、意外と時間が解決してくれたり、ほとぼりがさめたりしたらどうでもよくなってしまうということ。サウナも同じで、熱さを耐え抜いている際はキツいこともあるかもしれないけど、キツければキツいほど後で得をするし、結局水風呂と外気浴をしてしまえば辛さなんて忘れてしまう。そしてサウナを通して出会った世界。これを繰り返しているだけで、なんだか一皮剥けたような、一つ成長したような気になれる。とても幸せなことだと思います。


Hook

空からの使者がタオルを振る
神の息吹か閻魔の怒りか
熱すぎて寒く感じる
まるで臨死体験、でも気にしないぜ
熱い風に身を委ねると
目の前の世界が瞬くぞ
ちゃんと思考の先へ旅立ってく

最後にHookを2回繰り返して終わり。オチサビ的なものも作ろうか迷ったんですが、Hookで言いたいことはこれしかないな、と思ってやめました。このおかげでぐっとメッセージ性は上がったんじゃないかなあと思います。どうなんだろ。まあよくわからんけどそんな感じです。



はい、いかがだったでしょうか。一聴してみてこの歌詞よくわかんねえな〜ってとこがあったら今回ので解決しましたかね。そもそも歌詞なんて聞いてないかな。まあでももう一回聴いてみて何か発見があったら嬉しいです。はい。

ちなみに、ビート製作およびギター、ピアノ、ベースのフレーズ入れも自分でやっている(ミックスのみ友人に頼んでいます)のですが、Hookのピアノのパン振りだったり、Hookのベースの1音目のどっしり感は頭の中をよく再現できたなあと思っています。音楽理論的に不安定な部分もあるんですが、ミックスで本当に良くしてもらいました。

こういう風に意外と本気で音楽を作ってたりするので、これを聴いてもらって、北欧行きたい!予約しよ!ってなってくれたら、本当に嬉しい限りです。


今週はこれでおしまい。次の記事ですが、来週はちょっと記事執筆をお休みして、再来週になると思います。

では次回、何書こうか決めてないけど何かしらに続く!


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