二次流通のつぶやき「マイアミの金くれおじさん 2000ドル」
「マイアミの金くれおじさん 2000ドル」
この記事では僕が社会人1年目並行輸入販売の為、マイアミで商品仕入れに向かい奮闘した日々や、ブランド品の鑑定士として、毎日凄まじい数のブランド品にまみれて勉強した小ネタや経験談を気ままに書いていきます。
商品の仕入れは一日の中で圧倒的に車中にいた。
とにかくたくさんのショッピングモールをまわっていたのですが、一日に6件くらいはしごするのはザラで、大体はマイアミからオーランド、サウスカロライナにかけて行ったり来たり。
その中でよく見かけて印象深かったのは頻繁に待ち構えている「金くれおじさん」だ。
アメリカの田舎よりの道路は広くて大きい。もちろん車もよく走っている。信号待ちの際には知らないおじさんが外からよく話しかけてきた。大体、大きめの紙に僅かな文章を書いていて、詳しくは覚えていないのだけど内容はほぼみんな同じ。
「金を恵んでくれ。」
日本でも上野や新宿なんかに行くと、被災地支援などの名目で募金を呼び掛けている人が信号か駅近くで立っているのを見るけど、アメリカでは詳しい事はあまり書いてはいない。
簡単に言うと「金をくれ。」だ。
なんだか怪我しただの働けないだの言っていた人がいた気がするけど、興味深いのは身なりが汚いわけではなく、全然お金に困っていなそうな人が結構いた。
現地に住んでいる当時の上司曰く、そこにいる一見ホームレスはちゃんと家があって毎日お風呂に入り、美味しいご飯を食べていて、なんとその信号待ちで恵んで貰ったお金で生活しているという。
日本では考えられないけど国民性の違いなのか、少なくとも暖かいマイアミの人達は20ドル札を割とその一見ホームレスおじさんにあげてしまう人がいるらしい。
どのくらいの方々が恵んでしまうかというと、一カ月に2000ドルほどの収入になるホームあるおじさんが多々いるという事が驚きだった。アメリカどこでもというわけではないだろうけど、1日4人くらいは20ドル札をくれる計算。
おそらく金くれおじさんなりの戦略でトライ&エラーを重ねた結果なのかもしれないけど、日本じゃ成立しないと思う。
あとポイントは20ドル札で、キャッシュなら支払いは20ドル札の組み合わせだ。日本みたいにチマチマ小銭出さない。本当に一定数いるのだけど、おつりの小銭引き出しに入れっぱなしにしている人、結構いる。
あとクレジットカードの限度額マックスまで使いきって、毎月給料入ったら全額支払い、結構いる。いつも亀仙流のTシャツを着てた同い年のアンドリュー、そいつがそれだった。
たまに仕入れの手伝いをアルバイトでしてくれていて、車中では常に仮面ライダーのゲームをしていた。僕の拙い英語にもつきあってくれたりして、いつも変な恰好だったけど憎めない優しい奴だった。あいつが当時と同じ亀仙流の姿で立っていたら、20ドル渡すかな。