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人類文明のアップグレードと資本主義のアップデート

「資本主義のアップグレード」
このテーマで私の考えを綴っていきたいと思います。

資本主義のアップデートを理念に掲げている株式会社Figurout中村さんからのお声がけがきっかけで本記事を書かせていただくことになりました。
私も「資本主義のアップデート」には大変共感しており、弊社の事業としても資本主義のアップデートを念頭に置いてますので、現在進めている事業に関する私の考えを発信するという意味も含め本記事を書かせていただきます。
今回「資本主義のアップデートについて考えるアドベントカレンダー」にお誘いいただき大変感謝しています。

私のビジョン「人類文明のアップグレード」と金融について

私の事業ビジョンは「人類文明をアップグレード」させることです。
私の中での人類文明のアップグレードとは、テクノロジーを用いて世の中の課題を解決し、より良い社会を作っていくこと、をイメージしています。
人類文明をアップグレードさせるアプローチは様々ありますが、我々はまずは金融からのアプローチを試みています。
人類文明をアップグレードするためには、イノベーションを創出することが一番の重要要素と考えており、今の資本主義社会においてはそのイノベーション創出のために資金・投資が集まることが不可欠と考えています。
しかし、今の日本では、企業に目を向ければ内部留保が多くなっており、個人に目を向ければ資産を現預金として過剰に貯め込んでいます。
この過剰に貯め込んだ資金が投資に回る流れを作ることができたら、イノベーションが起きやすい環境を作ることができ、結果的に企業も成長し、個人の資産も増え、社会全体がより良い方向に向かっていくと考えています。
このことは私が創業当初に日本人の金融リテラシーの向上と投資マインドのインストールをミッションとして掲げていた理由です。

つまり、私が挑んでいる金融からのアプローチで人類文明をアップグレードすることとは、過剰に貯め込まれている資金を社会課題の解決やイノベーションの創出への投資に向かう流れや仕組みを作り、結果的により良い社会を作ること、です。

サステナブルファイナンスと資本主義のアップデート

余剰資金を投資に回そうという流れを作れたとして、そこで「具体的にどこに投資するか」という問題が発生します。
今までの資本主義での考えでは、投資するに当たってはやはりいかに大きなリターンを生み出すか(もちろんリスクも考慮して)、というのが基本的な観点でした。
これはいたって当たり前で、投資するにあたり儲けを目的にするということは通常です。
投資で儲けるには、儲けられる事業や企業に投資しますが、事業・企業が儲かる、つまり利益を生み出すということについては、今まで、そして今現在も問題を抱えていると思います。
それは、事業で利益を生み出すために、環境や社会に負の影響を及ぼすことがあるということです。
負の影響は、環境で言うならばわかりやすい例は日本での公害問題(工場から出た化学物質の影響で人体に悪影響を及ぼすなど)です。
最近で言えば最大の課題は温室効果ガス排出による地球温暖化・気候変動問題です。

経済的利益を追求する傍ら、環境や社会に悪影響を与え続けるならばそれは持続可能な事業とは言えません。
利益を得ながら自分の首を徐々に絞めつけているようなものです。
よって、この流れを食い止めるためにも経済的利益だけではなく環境・社会への影響も考慮して投資する、というのがESG投資、サステナブルファイナンスの考え方だと考えています。
このサステナブルファイナンスが普及することは、一種の資本主義のアップデートだと考えています。
今までのただ経済的利益を追求するという資本主義の概念が、経済的利益に加えて社会全体にとって本当に良いことを価値として評価する、という概念に変わるからです。

カーボンクレジットと資本主義のアップデート

私は現在このサステナブルファイナンスの普及・資本主義のアップデートを目指して事業に取り組んでいます。
その中でも今私が取り組んでいるのは、「脱炭素」関連の領域です。
脱炭素に関する取り組みの中でもカーボンクレジットなどの排出量取引に特に焦点を当てています。
カーボンクレジットとは、温室効果ガス(GHG)排出量の削減分を金銭的価値化し、それを取引できるようにした仕組みです。
簡単に言えば、CO2などのGHGを削減すればお金を得られる(逆にGHGを削減しなかったらお金を支払う)という仕組みです。
この仕組みは自分の中では既存の資本主義の概念をアップデートし得る画期的な仕組みだと思っています。
今までは環境配慮に対する取り組みはコストがかかって経済合理性に欠けていたのですが、カーボンクレジットなどの排出量取引は環境配慮行動に経済合理性をもたらすものです。

この仕組みによって、GHGを削減するという「環境・社会にとって良いこと」から金銭的価値を生み出すことができるということになります。
これは私が思う資本主義のアップデートの最重要ポイントです。
これまでの資本主義は、経済的利益を追求するにあたり環境・社会に悪影響を与える部分が看過される、ということが欠陥であると私は考えています。
この資本主義がアップデートされた理想的な社会の仕組みは、社会全体や人々にとって本当に価値のあるものに対してお金が集まる「価値主義」だと思っています。
これは私が尊敬する起業家の佐藤航陽さんの著書「お金2.0」でも言及しています。
「環境・社会にとって良いこと」という、本質的に社会全体や人々にとって価値のあることだと考えられるものが金銭的価値を持つというのは、「価値主義」に近づくことであり、まさに資本主義のアップデートだと思います。

ブロックチェーンとReFi

カーボンクレジット・排出量取引には現状様々な問題があるのですが、それらの問題を解決し、その仕組みの普及を加速させるポテンシャルを持つのがブロックチェーンであると考えています。
ブロックチェーンにより、カーボンクレジット・排出量取引の信頼性や流動性の向上、DXによる取引コスト低下などを実現できると考えられています。
カーボンクレジット・排出量取引もそうですが、ブロックチェーンは資本主義のアップデートに対しても、大きく貢献するポテンシャルを秘めていると考えています。
ビットコインは一見ただのデジタルデータですが、国などに価値を保証されているわけでもなく、世界の人々がそれに価値があると信じて金銭的価値を持ち、今では一つの資産として認められています。
ビットコインなどの暗号通貨のように、「環境・社会にとって良いこと」を人々が共通認識として価値があると考えれれば、それが金銭的価値を持つことができるのではないかと思っています。
それはつまり資本主義のアップデート・価値主義の実現に繋がることです。

このようにブロックチェーンを用いて社会課題を解決し、持続可能な社会を形成していくための金融モデルを構築することはRegenerative Finance:再生金融(通称ReFi)と呼ばれています。
我々は今このReFiを事業の中心に置いています。
「環境・社会にとって良いこと」に貢献すれば経済的利益を得られるような仕組みやサービスを作ることを目指しています。
現在これを実現するサービスのローンチに向けて着々と準備を進めております。(来年にローンチする予定です。)

最後に

資本主義のアップデートについての私の考えをまとめます。

まずは人類文明のアップグレード(テクノロジーを用いて世の中の課題を解決し、より良い社会を作っていくこと)のためには、世の中の課題解決の取り組みに対して資金が集まることが必要である。世の中の課題解決の取り組みには経済合理性が伴わないこともあり、そこに投資資金を向かわせるためにはサステナブルファイナンスを普及させ、資本主義のアップデートをしていくことが重要である。ReFiを用いて「環境・社会にとって良いこと」から経済的利益を得れる仕組みを作り、さらに資本主義のアップデートを加速させ、価値主義のような世界を構築していく。

上記の考えの基、我々のサービスがサステナブルファイナンス、ReFiの普及に貢献し、資本主義をアップデートできることを楽しみにしながら事業を進めています。

そして最終的に資本主義のアップデートという金融の面から社会課題を解決し、人類文明のアップグレードに貢献していくことを目指していきます。

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