子供のころ体験した「現実のバグ」の話。
小学生の頃、近所に
廃車がたくさん積んである場所があった
危ないからそこで遊んではだめと言われていたけど
ある日そんなことも忘れるほどにアッパーで楽しいような気分だった日、
いつも一緒に遊んでいた友達と探検に入った。
廃車の中には軽トラなんかもあって、しかも積み重なってるものだから
バランスを取りながら車の上を歩く。
今考えるとちょっと恐いが、子供なんかそういうところ渡るのの大好きなんだから、それだけでももう一つの遊びとして大満足だった
車の隙間に、なにかいいものないかな〜と覗きまわっていたところ
銅だかなんだか、そんなようなもので出来た女神のベルが出てきた。
しかも大量に。
「女神のベルを拾う」なんて、RPGでしか体験しなさそうなことだが実際に拾うことがあるんだな。
でもゲームだとしたらそんなにまとめて一箇所に置かないし、数的にもそんなにあったらおかしいレベルで大量にあったし、
いずれにしても現実が「ゲームのバグ」になったような瞬間だった。
最初はわたしも友達も
「こいつぁ〜お宝だ!!ぜひ持って帰ろう!!」という気分だったけれど
どんどん表に出して並べていくうち、なんというか「ウンザリに近いような気持ち」になってきて、だって本当に何個も出てくるものだから、最初の1個と同じテンションでは受け止められないわけ。
次第に「結局これはなんなわけ?」「緑の錆が浮いてて汚い」「呪われてるかも……」と不安になってきて
「持って帰ったらお母さんに怒られるかもしれないしね」と
「この不安を、怒られることへの不安に強引にねじ曲げて」
最終的に発掘したそれらは、その場に放置してそれぞれの家に帰宅したのだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?