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Blog|心理的リアクタンスと不確実性~変化を妨げる障害~

先日、グローバルパートナーのOZA社が主催したウェビナーに、ベストセラー『The Catalyst 一瞬で人の心が変わる伝え方の技術』の著者で、アップル、グーグル、ナイキ、アマゾン、GE、3M、ゲイツ財団などでコンサルティングを行うジョーナ・バーガーさんをお迎えしました!


バーガーさんの著書『The Catalyst』は、心の変化を妨げている障害を特定し、それを除去することで変化を容易にするアプローチについて書かれた本です。障害には5つのタイプがあり、「心理的リアクタンス(Reactance)」「保有効果(Endowment)」「心理的距離( Distance)」
「不確実性(Uncertainty)」「補強証拠(Corroborating Evidence)」の頭文字をとってREDUCE(減らす)と名付けられています。

今回のセッションでは、主に「心理的リアクタンス(Reactance)」と「不確実性(Uncertainty)」の2つについて語られていました。

心理的リアクタンス

変化に纏わる身近な例として「現状維持バイアス」と呼ばれるものがあります。例えば、消費者として、私たちは同じ製品を買い、同じサービスを利用する傾向があります。同じスーパーで同じものを買い、同じようなレストランに行き、毎年同じ場所に旅行に行きます。いつもと違うスーパーに行こうとすると、単純なことでもかなりの労力が必要になります。
この「現状維持バイアス」をどのように克服し、人々に変化をもたらすことができるのでしょうか?

私たちが「変化」について考えるとき、98%以上の割合で人は「押し付け」について挙げます。「押し付け」の例としては、数字をもっとあげる、ピッチや電話、メールの量を増やすなどの指示も含みます。

モノは押せばそのままスライドしますが、人は誰かに押されると、大抵の場合反発します。

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障壁を緩和することで、変化の可能性を高める。
科学の世界でも、変化を生み出す際には何かのエネルギーを加えるのではなく、変化の障壁を特定し、それを緩和することで、同じ量の変化をより少ないエネルギーで起こす事を考えます。

もし、あなたがマーケターやプロダクトマネージャーであれば、まずはあなたが採用したいと思っているものを、何が妨げているかを特定し、そしてその障壁について理解する事で、より効果的に変化を生み出すことができるとバーガーさんは言います。

" P&Gの洗濯用洗剤「Tide pods」リアクタンスの事例 "

人は押されると、正反対のことをする
「Tide pods」は、洗濯をより早く、より簡単にする目的で開発された洗濯用洗剤ですが、この商品を消費者が故意に「食べる」という問題がアメリカで起こりました。

消費者の一部が「Tide podsチャレンジ」というテーマを掲げ、動画をSNSに投稿したことで、情報が拡散しました。P&G側は、注意を喚起するための広告を新たに公開しましたが、「Tide podsチャレンジ」の検索数は下がるどころか、4倍も増加し、結果、警告は勧告となってしましました。

消費者が自分自身を説得するように導く
広告が入ったり、営業電話がかかってくると、人はそれを避けたり、無視したりするものです。また、私たちは何かを売り込まれた時、ただ聞くだけではなく、その提案が間違っている理由を無意識に探しています。そのため、説得力をあげたり、リアクタンスを減らしていくには、人々に自由とコントロールを与える事が大切だと言えます。

不確実性 〜 変化のコスト 〜

変化のコストやメリットは一体いつ発生するのでしょうか。
ほとんどの場合、人は時間・労力・お金・エネルギーなどのコストを最初に負担します。費用対効果のタイミングというのは、新製品の導入や新サービスの導入の際に、非常に重要な鍵といえます。

" 不確実性に対するDropboxの事例 "

Dropboxは、10億ドル規模のビジネスを展開するクラウドストレージソリューションで、今日では非常に成功していますが、以前はチームの誰が広告を出しても思うような効果が得られなかったため、一部のストレージを無料で提供することをはじめました。

明らかに消費者は無料のものが好きですが、無料で何かを提供してブランドを構築することはできません。しかし、彼らはストレージを無料で提供しただけではなく、プレミアムを利用しました。
ストレージや追加の機能が欲しければ、お金を払うという「フリーミアム」ビジネススモデルです。

このように過去数年間において、フリーミアムを適用するためにバーガーさんは、数々のブランドと協力してきましたが、クライアントから「ソフトウェアの例は理解できるが、物理的な商品の場合はどうなるんですか?」とよく言われたそうです。

ここで大切なのは、形あるものないもの関わらず、障壁を低くし、試行錯誤して初期費用を削減、提供物の価値を体験してもらい、自分で体験して気に入ったと判断してもらう事です。

これらの障害は、コントロールやバランス、コネクション、コンテナーといったZMETのディープメタファーと密接に繋がっています。ZMETを使って障害を理解することで、それぞれのコンテクストに沿って人々の考えや行動に変化をもたらすカタリスト=インサイトが見つけやすくなります。

生活習慣の改善や組織の変革など、行動変容を伴う課題・テーマに取り組んでおられるお客様は、是非ZMETを使って人や組織が変わるメカニズムを理解し、変化を起こすカタリストを一緒に見つけ出しませんか。


株式会社mctについて

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mctは、世界が認める最新の手法、人々に感動を与える創造力、そして障害を乗り越え、実行するチームづくりを通じて人間中心イノベーションのお手伝いをしています。


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