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デザイン思考のマインドセットとしてのエフェクチュエーション

デザイン思考は新規事業創出に役立つのでしょうか?
41名の「デザイナーとして実務経験のある起業家」を対象に、彼らの「起業家的デザイン方法」や「デザイナー的起業方法」を調べ、デザイン思考とエフェクチュエーションの関係性、相違点、相乗効果を明らかにすることを目的に実施された研究をご紹介します。
※エフェクチュエーションとは、優れた企業家の思考/行動パターンを体系化した意思決定理論です。5つの原則などの概要はこちらをご覧ください。

デザイナー起業家は新規事業創出にデザイン思考を有効活用している

研究結果は「デザイナー起業家」は新規事業創出のための実践的なアプローチとしてデザイン思考を活用しており、デザイン思考が不確実性の高い文脈におけるイノベーションに有効であることや、新規事業創出に取り組む場合に特に有効である可能性を示唆しているというものでした。
では「デザイナー起業家」は新規事業にデザイン思考をどのように活用しているのでしょうか。エフェクチュエーションの原則とデザイン思考の実践の側面との関連が次のように示されています。

デザイン思考実践のマインドセットとしてエフェクチュエーションを取り入れる

ここまで「エフェクチュエーションの原則」に対して「デザイン思考」が有効活用できるという研究をご紹介してきましたが、逆に「デザイン思考をより上手に活用するには?」という観点からも「エフェクチュエーション」をマインドセットとして取り入れることが有効だと考えています。

例えば、慣れない人がデザイン思考を実践する際に起こりがちが問題として次のようなことが挙げられます。

それに対して、エフェクチュエーションの原則をマインドセットとして以下のように活用できます。

まとめ

エフェクチュエーションの原則に対するデザイン思考の有効活用、デザイン思考に対するマインドセットとしてのエフェクチュエーションの活用というそれぞれの側面についてみてきました。デザイン思考とエフェクチュエーション理論は互いを豊かにするものであり、デザイン思考とエフェクチュエーションの両方を学び活用することで相乗効果が期待できるとのではないでしょうか。

DMNプログラム/Effectual Co-creationのご案内

mctが主催するデザインマネジメント・ネットワークでは、エフェクチュエーションを学び体験する3日間(2/10,13,24)のプログラムを予定しています。詳しい内容は参加方法や費用などはこちらのリンクをご覧ください。

< 3日間のアジェンダ >
Day 01(2/10 16:00-19:00):アイデアの発散

・エフェクチュエーション概論レクチャー
・Work1-1: Means & Aspirations (両者がスパイラルに上昇気流を生み出す)
・Work1-2: クレージーキルト

Day 02(2/17 16:00-19:00):アイデアの収束とリフレーム
・Work2-1: 出来る及びコントロールできることの絞り込み
・Work2-2: レモネード(不測の事態に乗っかる、reframing)

Day 03(2/24 16:00-19:00):不確実性を乗り越えるための組織変容
・Work3-1: Upsaideを生み出す行動様式-Small winsの蓄積(Experiments)、リアルオプションの応用
・Work3-2: Downsideに対処する意思決定-Burn rate 及びAffordable Lossレベルの設定
・総括講義及び質疑応答

参考文献
『Entrepreneurial ways of designing and designerly ways of entrepreneuring: Exploring the relationship between design thinking and effectuation theory』Nico Florian Klenner, Gerda Gemser, Ingo Oswald Karpen
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jpim.12587

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