夏のホラー淫ク☆リレー企画'22 「街を徘徊する妖怪」裏話
能書き
ずっと他の人がやっているの見て感化されて、やろうやろう思っててほったらかしだった動画の裏話、というかわからない部分が多いと思うのでその解説をこれからたまにしていければと思います。
まあ、動画を自分で解説しなきゃならない時点で半分負けたようなものなんですが、反省も込めて見直していこうと思います。とりあえずまずは去年のホラーリレーの参加作品である「街を徘徊する妖怪」についてリレー参加の感想も含めて、綴っていきます。
参加経緯
ホラーリレーは21年の時も見てはいましたが、自分はホラー淫夢とは縁遠かったので特に関わる事は無いと思っていましたが、冬の恋バナ淫ク☆リレーの時に何を血迷ってたのか呼ばれました。
その際は、私が求められているのはこういうものだろうとBBHTN劇場の特別編という体でDBMOの動画を出しましたがこの辺は今回は割愛します。
ともかく恋バナリレーに参加した縁で、当時参加するとは思っていなかったホラーリレーに参加することとなりました。
BBHTN劇場との関係
HTN劇場を見ていた視聴者ならわかると思いますが、「街を徘徊する妖怪」は私が普段投稿している「BBHTN劇場」シリーズと共通の世界観であるという裏設定があります。
BBHTN劇場は私が普段気まぐれに更新している基本1話完結の動画シリーズです。元は緑のお茶姉貴の二軍淫夢BB劇場のパロディとして出していたものでしたが、好き放題キャラを取り入れて、自分がやってみたいものをぶつける実験場的なものとしても扱うようになりました。
そして丁度ホラーリレーにスカウトされる少し前から、このシリーズはホラー編を始めていました。これは二軍淫夢BB劇場でも途中から流行りに便乗したのか日常系から唐突にホラー編を始めた事に対するリスペクトとして考えていたものでしたが、
先述したように私の挑戦も兼ねた、実験的な側面もありました。
具体的にどのような部分が実験的かというと大体以下の通りになります。
・単純にホラー物への挑戦
・現在主流となっているホラー淫夢への反立、別解の挑戦
・バツsideで悲惨な結末に至ったCRNへの罪滅ぼし
1つ目はまあそのままです。これまでほとんど関わってこなかったホラーものへの挑戦です。
2つ目は現在主流となっているホラー淫夢は
ツォーシヵンク兄貴
↓
レインコート兄貴
↓
ケツホルデス兄貴
この流れの影響が強いと考察しています。よってこれらとはまた違ったアプローチができないかと、挑戦したわけです。
これらの共通点は端的に表せるものではないですが、例えばこれらは洒落怖やSCPの影響が強い事は実感できるかと思います。ただそのせいで怪異をそのまま輸入する形にもなってしまっていました。
つまり野獣たちが八尺様やコトリバコといった超常現象とコラボしているわけです。
またそれによって野獣たち淫夢キャラがその特異性を失い、単なる一般人になってしまいがちという点(AKYSが霊媒師になったりムエモン化したりや何もしなくても汚物そのものなのに邪視相手に汚物を用意し始めてしまう等)も気になりました。
これを輸入に頼らず、淫夢ネタのままで完結できないかと模索しようというのが2つ目の目的です
これは詳しくは後述しますが、裏世界を下北沢。そこからやってくる怪異を野獣等いわゆる一軍淫夢キャラとして扱うようにしてみました。
野獣たち淫夢キャラは既に魑魅魍魎の類なので、彼らを出すだけでもホラーになるのではないかという狙いです。
3つ目はバツsideの解説で少し触れていますが、将来CRNをHTN劇場で活躍させるつもりだったので、バツsideで遠慮なく曇らせる展開に持っていきました。
その活躍の場がHTN劇場のホラー編です。
しかしこれにはひとつ問題があり、CRNを始めとした立教三人娘はHTN劇場でOPにも出していない状況でした。元々は二軍淫夢BB劇場のように途中からOPを延長して新キャラを出していこうと考えていましたが、話の進みが遅すぎて既存のOPキャラすら出し切れていないという有り様でした。
バツsideを始めたあたりには既にCRNをDIYUKIと戦わせるというアイデアは温めてはあったのですが、HTN等既存キャラとの関わりが薄く、やるとしたらスピンオフ的な作品になってしまうのに、これではHTN劇場がその話までたどり着くのはいつになってしまうのかもわかりません。
そんな中ホラーリレーに誘われます。
恋バナリレーの時は正解だったかはわかりませんが、企画側の需要を勝手に汲み取りHTN劇場の特別編を出しました。しかしホラーリレーではそのような需要はないだろうし、企画側からも単体で完結する作品にするよう指示もされていました。
これはHTN劇場の世界を舞台にしつつも、立教三人娘中心のHTN劇場とは異なる話を出すには絶好の機会でした。
その結果出来たのがHTN劇場と世界観を共有しつつも、登場キャラはHTN劇場に居なかったキャラばかりと言う、世界観の共有をあくまで裏設定に留めた「街を徘徊する妖怪」であり、これが先述していた温めていたCRNのストーリーでした。
マネキンに遭遇したこころ
この動画は街を徘徊する妖怪より一足先に出したHTN劇場です。従来のHTN劇場ホラー編を踏襲しつつも新キャラとしてRMAが登場し、ストーリーの関連は薄いですが街を徘徊する妖怪との関連も匂わせる内容にしています。
つまり街を徘徊する妖怪の"HTN劇場視点"といった感じです。
この動画ではあからさまにRMAに不穏な要素を描写しています。
これによって、本来RMAが黒幕というオチは意外性のあるミステリー要素ですが、マネキン回を見た人にはその展開が容易に想定できるサスペンスとなることを狙いました。
そしてマネキン回を見る人は、ホラーリレーを追う人よりも遥かに少ないであろうHTN劇場を見てきた人がほとんどであると思うので、多くの人は街を徘徊する妖怪をミステリーとして見つつ、サスペンスとして見ている僅かな視聴者が残すコメントが解説にもなって理解しやすくなることを期待していました。
ちなみにリレー動画の1週間前ぐらいに出したかったのですが、意外と制作に時間がかかってしまったのと、急遽リレーの順番が変更になってしまったのでギリギリの投稿になってしまいました。
怪異と恐怖について
動画では安易に怪異という単語を使用しないようにしていますが、この動画のいわゆる怪異に当たる存在は暴走したDIYUSIとも言える存在「DIYUKI」です。
DIYUSIは今更説明するまでもない人気キャラですが、それ故キャラの存在そのものが大きな信頼となってもいました。つまりDIYUSIがいればどんな絶望的な状況でも打開してくれる、DIYUSIがいれば安心といったものです。
しかし、今回はそのDIYUSIが元凶の妖怪だっという状況にすることで、その信頼をそのまま恐怖に変えることが、今回のホラー演出の挑戦でした。
つまりDIYUSIの動画を見てきた淫夢厨だからこそ成立する信頼への裏切りです。
動画内ではDIYUSIに実績は描写されていません。強そうな頼れそうな会話をちょっと出しているだけです。しかしDIYUSIがこれまで様々な作品で見せた活躍が実績として視聴者に刻み込まれている為、これだけで十分な信頼感が得られます。これは動画のコメントを見ても思惑通りだったかと思います。そしてその信頼を裏切る。
ド派手隠レ兄貴の「怪談闇捕袋」といった前例もありますが、RMAを黒幕にしたのもその一環です。
淫夢動画を見てきた経験を逆に利用して恐怖にする。これが淫夢ならではのホラーにならないかと挑戦したわけです。
茶碗の欠片兄貴の「神隠しの噂」が偶然にも、ぱっと見それっぽい雰囲気だったので、彼の制作報告を見た時はちょっと焦りました…
DIYUKIについて
ただ悪堕ちさせただけだと芸がないので、あくまでヒーローとしてイメージされるDIYUSIらしい悪役を目指しました。元々そういう面が強かったはずのシユヂも(DIYUKIのアイデアを出した)当時には早くも善玉側になりつつありましたからね。
そこでイメージしたのがオフッside:DIYUSIの初期案です。オフッは元々DIYUSIは血も涙もない浄化の権化にするつもりだったとアノマーロ兄貴は語っていました。
しかし結果としてその路線は変更し、あのような結末にしたらしいです。
そこでDIYUKIはそのオフッ初期案のような浄化の権化として出すことで、DIYUSIらしい悪役に出来ないかと設定しました。
なので、戦闘演出も浄化されるのは自分たちの方だったと認識させるようオフッを再現したものにしました。
まさか同日公開の第七位相兄貴の「まがきてのひら」にもオフッの効果が見られたのには驚きましたが。
名前はDIYUSIの捩りであると同時に大妖怪のTDN表記でもあります。このアイデアを思いついた時誰かの先を越されないか心配になるぐらい画期的なアイデアだと自惚れていたのですが、後述するようにこれが最大の反省点となりました。
見た目はDIYUSIを大人にしたような姿です。これは大人にすることでなれの果て感を出したかったのと、八尺様や悪皿など、成人女性型の妖怪のような存在にならないかとイメージしました。具体的な造形は早口おばさんや依姫を参考に描きました。(その割には特に白黒の場面だと妹紅っぽくも見えますが)
衣装は交通整理DIYUSIの生みの親であるメリル・リンチ兄貴最後のDIYUSI素材であった警察姿のDIYUSIを基にしています。
HZNの正体
実際の怪奇現象はDIYUSIだったわけですが、では動画内に登場したHZNは何者だったのかと言うと、身も蓋も無い言い方をすると、DIYUSIの幻覚です。
本物のHZNは作中で解説されているように大昔に下北沢に封印されており、既に実質的な故人となっています。
途中逃げ出したみちゃ姉貴はDIYUSIがHZNだと思い込んでそう見えていただけで、CRNには初めからDIYUSIがみちゃ姉貴を襲っているようにしか見えなかったですし、冒頭のKSM姉貴もDIYUSIにはHZNに見えていました。
HZNが存在しない中、HZNを倒さなければいけないという使命を果たそうとした結果、アレルギー反応を起こす免疫のように、関係ない人がHZNに見えてきて襲っていたわけです。
では何故少女ばかり狙うのかと言えば、途中解説にあったようにHZNは少女の姿に扮する能力を持っているからです。特にHZNと同様魔理沙の姿をした少女が標的にされがちでした。
それでHZNって結局何者なのかって事ですが、これも作中で解説されたようにひょんなことから悪魔(クソデブ姉貴)と契約を結び、特別な力を得たセクハラ親父です。セクハラが高じて世界征服に乗り出す流れは、常識改変系のエロ漫画の竿役をイメージしています。
ちなみに彼の異名として出した「千のひっかき傷を持つ伝説の痴漢」は1・2の三四郎から持ってきてます。
下北沢とその大戦について
今作の舞台はよく扱われる下北沢ではなく、八王子や池袋(立教大学)となっています。
今作では淫夢で怪奇現象を再現する事をテーマにしていますが、その一環として下北沢には「異界」や「裏世界」などと呼ばれる存在を担当させました。そしてその住人である所謂一軍と呼ばれる淫夢やクッキー☆キャラが「怪異」に相当するような役を担っているわけです。
これが私が挑戦した既存の妖怪を輸入しない淫夢によるホラー物のアイデアです。
また下北沢や一軍が怪異となってしまった経緯の解説を動画後半でしているわけですが、その経緯も淫夢動画っぽさを維持する為、往年のバトルクッキー☆にありがちなものとしています。そうする事で淫夢動画を見ていれば説明で示唆する程度で描写する事なく状況が想像でき、尺も省けます。下北沢に限らず今作では淫夢らしさの追求も兼ねて、こういった淫夢厨なら解説不要なネタを設定として取り入れることで、尺を減らし、解説する以上の情報を与えられる手法を積極的に使っていきました。だからこの役割は一軍を使っている訳でもあります。
反省点
慣れない(自分としては)長編のホラーBB劇場という事もあり、色々ありますが、大体以下のような部分が反省点だとしています。
DIYUKIが何のTDN表記か伝わらなかった
もうこれが私にとって反省すべき部分の大半になります。先述したようにこの名称は画期的だと自分では思っていたのですが、視聴者のTDN表記の読解力をかなり過大評価していました。単なる誤字にしか思っていない視聴者もいるようでした。もうここが伝わらないと、伝えたい事の大半が伝わりません。妖怪に襲われているという状況すら理解されていなかったのでしょう。
また最後にサムネが表示されるのが共通の演出ですが、その時に改めて見ると、サムネのHZNはフェイクで「妖怪」とはDIYUSIの事だったんだと気付く仕掛けにしたつもりでした。妖怪の部分だけフォントが違うのも、タイトルではなくDIYUSIの名前だったという演出です。HZN含め他は手前を向いているのにCRNだけ横を見つめているのも、本当の敵対関係を暗示したつもりでした。
実は元々題名は「街を彷徨う大妖怪」だったのですが、このタイトルだとDIYUSIが悪役とタイトルだけでバレてしまうんじゃないかと、急に心配になり、現在のタイトルになりました。そしてそれは杞憂通り越して伝わってすらいなかったわけですが、もうこの時点で全然想定できていないですね。この動画としての完成度をいたずらに下げただけの急なタイトル変更が今回私が一番後悔している部分です。
動画が長い
戦闘描写の長さが、コメントでは動画の批判の大きな要素となっているようですが、そもそも全体的に動画が必要以上に長かったです。投げっぱなしや、ブログなのでの補足説明なども性に合わないので、種明かしまで全部動画内で解説するよう詰め込みましたが、それもこれに拍車を掛けました。
ホラーリレーに投稿されるような動画は、20分、30分越え上等の長編ばかりと認識していたので、こちらもボリューミーな動画を目指し、普段は精々10分前後が関の山な中、慣れない長編に挑戦しましたが、やっぱり短編の方が見やすいので要らぬ気遣いだったように思います。
読み解くべき設定や伏線が多すぎる
上記の動画の長さと関連したものですが、考察要素も現代ホラー淫夢で好まれるものだと思い、自分なりにミステリー要素も加えたつもりでした。しかしとても考察されるような状況ではなかったです。マネキン回の視聴者のコメントが考察ヒントとなる事も期待しましたが、それも意図通りにはいきませんでした。考察要素は入れるにしてももっと直接的でわかりやすくすべきだったのでしょう。
自分の感性に頼り過ぎた
途中経過の報告はサプライズ感が失われる上、完成への意欲も削いでしまうと私は考えているのと、企画物という事もあり、完成までなるべく外部に知られないよう作っていたのでしたが、それが仇となったように感じます。先述したタイトルの失敗なんか、誰でも良いから相談すればそんな過ちは犯さなかったのでしょう。
感想
それで完走した感想ですが、反省点も多く苦労もしましたが、楽しくもありました。やはりこういった合作は動画へのモチベも上がりますし、その過程で色々と挑戦も出来ました。反省点が多いのは学びが多かった事でもあります。
良くも悪くもうるさい人もいるようなので、私のような異物も混入しておく必要もあったのかなと、勝手に解釈しています。
この場で言うことではない気もしますが、このような異物を企画に誘ってくれた企画者様には感謝しています。あと勇気も讃えたいです。
以下は元ネタ解説や余談などになるので、ここで読み終わっても問題無いかと思います。
戦闘時の技
街を徘徊する妖怪でCRNが使用するアドオンはバツside:CRNの時とは別物となっております。
これはクランの元ネタであるBF4から取っており、技もBF4を由来する物へと変更しています。クランが工兵(エンジニア)をモチーフとしているので、それ以外の突撃兵(アサルト)、援護兵(サポート)、斥候兵(リーコン)がアドオンになっています。
これらはバツシリーズの途中でこのアドオンと技を思いつき、くど過ぎる今の技より、こっちの方がシンプルで良かったなと後悔していたのですが、シリーズの途中で変更するわけにもいかず、お蔵入りしていたものです。
なんで今作ではこれを採用したかと言うと、お蔵入りしたアイデアを再利用したいという部分もありますが、何よりバツの技は一つ一つが非常にくどく、そのまま使えば戦闘時間がかなり間延びしてしまうので、技を新調して戦闘シーンを短くシンプルにまとめたかったからです。
DIYUKIのアドオンはシユヂとはまた別のベクトルで善悪が反転した感を出すために、元が専用の標識だったのに対して、通行禁止に変更しています。この辺はDIYUKIと同時に思い付いたものです。
技の細かい元ネタの解説は長くなるので省きますが、技名は標識そのままのシンプルなものにしました。
これは無機質な雰囲気を出したかったのもありますが、もうちょっと他の理由もあります。
というのも実はDIYUKIの技には運転免許の試験に出やすい標識を多めに採用しました。これは視聴者層が恐らく運転免許を取る時期の人が多いと思い、この動画の印象が微粒子レベルで残って、少しでも標識問題の点数稼ぎに貢献できればと言う意図もあります。
余談
予告やEDなどリレーには作者の関わらない部分もいくつかあるわけですが、そういったものに対しては、どう対応してくるのか予想できない方が面白いと思っていることもあり、意図があってもあえてこちらが口を挟まないようにしていました。
案の定、意図してたものと違う形に対応してくれたので、それについても触れます。
企画ではあらすじ付きの予告がありました。ここまで見た人ならわかると思いますけど、このあらすじ結構重大なネタバレをしているんですよね。
これを見た時はわざわざタイトルを変えるまでネタバレを警戒していたので、焦りました。しかし実際は最後まで見ても理解されていないので杞憂だったわけですが。
まあネタバレという点においてはベクター兄貴の方が酷いけど
EDでは歌詞に合わせた、作品の場面を提出するように言われていたので、私は「守るすべは知ってるけど」の場面に合わせて、ビリー兄貴がCRNを守っている場面を提出しました。
しかし、提出動画の長さは10秒以上の指定があったので、歌詞の場面に比べて長い気もしましたが、とりあえず前後の場面もトリミング範囲に加えて10秒に伸ばしました。
そして上記の動画4:41~を見てもらえばわかりますが、いざ出来上がったEDを見ると、後から追加した前半部分から始まりビリー兄貴が守る直前でパートが切れて、DIYUKIの攻撃を防ぎきれていない場面になっているんですよね。
明らかに歌詞の通りになっていない気もしますが、まあ特に指摘が入る事もなかったので、これで良かったのでしょう。
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