ビートルズの新曲がやってくる！(20)リリックビデオ公開
ビートルズ最後の新曲「ナウアンドゼン」のリリースから1年となった2024年11月2日、1周年を記念してビートルズ公式からリリックビデオが公開されました✨
新曲プロモーションの時と同じカセットのデザインに、歌詞が表れるという一見シンプルなビデオですが、実は奥が深いビデオなのです。
今回はそんなリリックビデオのおもしろネタ3選です。
📝歌詞はジョンの字体
知る人ぞ知る、気付く人ぞ気付くですが、表れる歌詞はジョンの字体です。
プロモーションやカセット商品のデザインとなったテープにも、ジョンの手書き筆記体らしき字体が使われていましたが、シングル版にプリントされていた歌詞中の「now + then」とは微妙に形が違います。まだ公開されていない歌詞カードから引用したのか、ジョンの文字に似せたのか、正確なところは不明です。
そして今回のリリックビデオに使われている字体はブロック体です。
ジョンの歌詞メモはほとんどが筆記体ですが、ブロック体で残されている数少ない例を見てみると、、
じゃーん、なんと同じ字体なのです！！！
え、じゃあ実は未公開のジョン自身による「ナウアンドゼン」の歌詞カードが存在するの？！見たい！！って思いますよね！？
でもこれも、筆記体タイトル同様、本当にジョンの文字なのか、ジョンの文字に似せたものなのかはわかりません。というか、後者の可能性が高いと思います。
なぜなら、このシリーズで以前に書いた通り、ビートルズ版のナウアンドゼンは、ジョンが書いていなかった、ポールが付け足した歌詞が存在するからです。
ジョン亡き後にポールが書いた歌詞をジョンが書いておくのは不可能。
なので推測としては、①ジョンが書いていた歌詞カードに、ポールが書いた歌詞をジョンの筆記の切り貼りで追加した ②ジョンの筆記をAIに学習させて書かせた ③ポールがジョンの字体を真似て書いた
この辺りかなあと思います。
個人的には②が有力だと思うのですが、曲にはノイズ除去としてしかAIを使用していないことを強調しておきながら、リリックビデオにAIを使いまくっていたとしたら、ビートルズらしいジョークだなあと思いませんか。
そもそもジョンの字体って気付く人がどれだけいるのかわからないのに芸が細かすぎる😂
📝実は、2023年に公開されていた
ビートルズ公式アカウントが「1周年記念に新たに作りました」と宣言しているリリックビデオですが、実は2023年のリリース時にすでに一部公開されていました。
Now And Then was released a year ago today, and became The Beatles’ first Number One in 54 years.
— The Beatles (@thebeatles) November 2, 2024
We’ve created a lyric video in celebration of the track’s anniversary. Sing along with us.
Thank you to all the fans - now, and then.https://t.co/WCPLTyemoD#nowandthen@johnlennon… pic.twitter.com/l6iFpXxbUd
これが今年の公開バージョン。そして昨年、、
めっちゃ一緒じゃん。
ちなみにリリックビデオのコピー表記も2023年となっています。
つまり、リリックビデオは2023年のリリース時にできていたにもかかわらず、その時には一部のみが公開され、今年初めて全編が公開されたことになります。
ピータージャクソン制作のMVは声明文と共に大々的に公開されましたが、このリリックビデオが1年間お蔵入りとなった理由は何でしょうか？ジャクソンのMVが人気だったから？AIを使ったリリックビデオが曲のAIの使い方と混乱されると考えたから？それとも何か修正をしたから？
というわけで、次のネタにつながります。
📝日本語版の歌詞と違う
2023年のリリース時にナウアンドゼンの歌詞が付いていたのは日本語版だけです。米英版は、ジョンのオリジナル歌詞らしきものはプリントされていたものの、最終版の歌詞はついていませんでした。日本語版には対訳が乗る都合上、英語版の歌詞も掲載されていました。
対訳を担当された奥田さんは、曲はなく歌詞だけが提供されたと話されていたので、アップルが公式に提示したナウアンドゼンの歌詞のはずです。
でも実は、リリックビデオと一箇所だけ違う歌詞があります。
日本語版では「That I will love you」の「will」が抜けてるのです。
奥田さんの訳もwillの意味が入っていないので、誤植ではなくこれが提供された歌詞なのでしょう。
ちなみにアンソロジーセッションで使用されたという歌詞カードにも「will」という単語は入っていませんし、ジョンのデモを聴いても入っていない気がします。
ちなみにそこにwillがあるかないかの違いは、
willがないと、そもそも今愛していることを、やり直した時に時わかってくれるだろうというニュアンス。willがあると、やり直したらその時愛してることがわかるだろうというニュアンス。
微妙な違いなんですけど、ジョンのオリジナルの歌詞のニュアンスは後者に近いのかなと思います。
「もしやり直したら、友だちからやり直せる時が来るよ」
先にも書いた通りビートルズ版の元となったジョンのデモにはwillの単語は入っていないので、willという単語・間を入れたのはポールなんですが、この「友だちからやり直せる時が来る」というオリジナルのニュアンスを読み込んで、「（ジョンとポールが）やり直したらその時愛してることがわかるだろう」という歌詞に転生させたのだとしたら、とても感動的じゃないでしょうか✨
でもそんな大事な単語を日本ユニバに伝え忘れたアップルよ、、（笑）
そしてもしかしたらリリックビデオからも元々抜けていて、その修正をするために昨年の公開は止められたのかなあ、とも邪推されます。
英米人のやることは毎度、意図的なのか天然ウッカリなのかさっぱりわかりません。基本後者なんだろうなあと思いながら、謎に謎を重ねる曲「ナウアンドゼン」なのでした。