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仕事をやめて半年
せいぜいまだ2,3ヶ月前くらいの感覚でいた。
前の職場で一緒に働いていた子が「もう半年近くになるんですね」と言ったので、指を折って数えてみて「そうだね」と言いながらびっくりした。
確かにあの時はコートを着込んでいて、さよならも寒い夜の中だったけれど、今はもう春。今日なんて気温が28度まで気温が上がるらしい。会社だってどんどん変わっていく。
最近は、会社にいた時と似たようなライティングの仕事を細々と続けている。もっと営業のようなことをした方がいいのかと突然不安になることもあるけれど、これでいいとも思う。
仕事以外の時間は、過去に埋めてきた感情をひたすら掘りおこして文章にしている。この10年くらいの間に、会社やひとりの部屋や街角で「よけいなもの」「考えても仕方ない」「考えたくない」「捨てたい」などのラベルを貼ってそこらじゅうに埋めてきた感情を、ひとつひとつ掘りおこし、細部までたしかめてスケッチしていくような感じ。
自分でもふしぎなほど掘り起こす力が湧いてきて、掘ることも、書くことも止まらない。それは今も続いている。
当時は直視できなかったものも、時間がたつと少しずつ冷静に見ることができるようになってきたし、これはもう誰にも見られたくないし自分でも見たくないと思って捨ててきた思いにこそ、本当の叫びが詰まっていた。決してスマートではないけれど「生きてる」という感じがする。
家で働くことは性に合っているとおもうけれど、人と話す機会がしっかり減っているので、スーパーでお釣りを受け取る時などに自分の声がめちゃくちゃ小さくなっていることに気づく。かすれて声すら出てこないこともあるけれど、それも含めて、今の日常がいとおしい。
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