天声人語もどき
わらび餅の追憶 林 聖基 著
27歳のティータイム。わらび餅が食べたくなった。冷蔵庫を開けると母が買ってきてくれたわらび餅があった。
つるんとひんやり。きな粉をつけてほおばっていた。甘さ控えめの味が記憶を呼び覚ました。
あれは、クリーニング業から退職した20から25歳くらいのこと、毎日のように祖母の家を朝夕の2回訪ねていた。夕方になると祖母がいつも緑茶とわらび餅やところてん・手作りのゼリー・紫蘇ジュース色んなものを用意してくれていた。いつしか祖母と会うのが楽しみでもあった。まぁ本来の目的は安否確認だったのだが、楽しさも交流もまた仕事ということで祖母に合うのが楽しみだった。
その祖母も3年前脳梗塞を起こし入院したことがある。幸いにも後遺症はないが時々記憶が乖離することがあるそうだ。そんな祖母も、
ことしの11月で88歳米寿を迎える。このまま元気でおいしいお茶とお菓子を頬張りながら楽しい時間を長くいれるように、家族一丸となって願っている。
編集後記
わらび餅からの追憶というかただ思い出話を書いただけだが、本当に生まれてから今までを見守ってくれて育ててくれた祖母には感謝の言葉しかない。不登校の時、無職だった時、そして再就職できたときどんな時でも励ましてくれた。だからこそ色んな家族孝行がしたいと思っている。