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「鎌倉の暮らしを亀時間で旅する宿」ーそこでは不思議な時間が流れているー

「鎌倉で素敵なゲストハウスを見つけてしまった…!」

そんなWakaちゃんからの連絡にはじまり、実際に訪れてみた亀時間は、想像以上に居心地の良くて、味わいのある場所でした。宮大工によって建てられてから約100年の歴史を持つ古民家宿は、その歴史や懐かしさを感じさせつつも、とてもきれいにされていて、日々丁寧に手入れがされていることが伝わってきます。

アクセスも鎌倉駅から歩いても20分ほど。途中に個性あふれるお店やカフェの数々があり、宿までのお散歩も楽しめます。宿から材木座海岸までも歩いて徒歩3分。そこにいるだけで癒されること間違いなしなので、お天気が良ければ(良くなくても笑)、ぜひ深呼吸しに立ち寄りたいところ。


亀時間に流れる、不思議な「時間」

「亀時間」の名前は、ミヒャエル・エンデによる児童文学『モモ』に登場して主人公を助けるカシオペイアという亀に由来しているとのこと。「奪われた時間を取り戻す」という内容が、代表のマサさんと一緒にゲストハウス創設の準備をしていたすずまゆさんの経験と想いに重なっていたからだそうです。

わたし自身、大学4年生のときに書いたレポートが「時間」についてだったのですが、そのとき読んだ『「ゆっくり」でいいんだよ』という本をきっかけに、大人になって改めて読みなおした『モモ』はとても衝撃的な内容だったのです。

そして、もう一つ不思議なことに、Wakaちゃんと訪れた亀時間での時間は、たった1時間にも満たなかったのに、ずっと長く感じたのです。(中を見せてもらい、マサさんと話して宿を出て、ふたりで時計を2度見したくらい)

公式サイトにもこんな解説があるのですが、本当にこの場所では時間の流れが外の世界とは違っているので、ぜひ訪れた方にもそれを感じてほしいなと思っています。

商店街には魚屋さん、酒屋さん、八百屋さんなど古くからの商店が残り、鎌倉の中でも特にゆるりとした時間が流れています。早起きして海辺を散歩、寺参り、何もしないでぼーっとするも良し。時間泥棒に盗まれた時間を、人間に取り返してくれた女の子の物語『モモ』で重要な役割を果たしたのが亀のカシオペイア。 亀時間があなたの大切な時間を取り戻す場所となりますように。

亀時間オーナー・マサさん

亀時間の公式Webサイトに書かれているプロフィールはこちら。

大学卒業後ネパールにてボランティア教師として活動。帰国してレコード会社に勤務。2000年に世界一周をめざした旅へ。アジア横断からのアフリカ縦断中、ジンバブエで伝統楽器ムビラに出会う。南ア・ケープタウンで菜食カフェの共同経営に参加。その後ジンバブエに戻り8ヶ月のムビラ修行。約3年の旅を終えて帰国後、ムビラの活動を開始。2009年トランジションタウン葉山に参加、持続可能な街づくりを考えながら、鎌倉でゲストハウスの運営を発案。地域通貨を通じてすずまゆと知り合い、2人でゲストハウスプロジェクト立ち上げ。トランジションタウンの繋がりで、物件紹介、改装、デザイン等を地元の人々にバックアップしてもらい、2011年4月29日に亀時間開業。

ちなみにムビラってこんな楽器だそうです!

マサさんには直接お会いしてお話したのですが、本当に亀時間そのものがマサさんのようで、決して距離を詰めるわけでもないけれど、こちらからの問いかけにはとても丁寧に答えてくださる、とても優しいかたでした。

「貸し切りで予約を受けるときは、どんな人なのか、どんなことをやりたいのか、聞くようにしているんです。亀時間らしさというものを守り、生かすためにも」

そんなようなことをお話しされていたように記憶しています。そして、私は受付の横にあった本になんとなく惹かれて、流れで購入(笑)

けれど帰ってから本を読んで、なぜ私たちが「亀時間」に惹かれて、この場所でプログラムをやりたいと思ったのかが改めて腑に落ちたのです。

「遠くにある何かを求めるより、近くにある大事なものを見つめ直すこと。社会を変える前に自分自身の生活を変えるほうが簡単で成果もわかりやすいのです」

「手ごろな価格で鎌倉時代から続く商店街のある町に暮らすように泊まり、すぐ近くの海辺を心地よい潮風に吹かれながら歩き、ゆったりとした時の流れを思い出してほしい。出会いやアイデアが生まれ、新しい試みが始まるような創造的で楽しい空間をつくりたい」

「小さなゲストハウスではありますが、密かに『お金』をどう稼いでどうやって使うかよりも、『時間』をどのように捉えてどんな風に過ごすかに、人生の大切なものが隠されている、という仮説を実証してみたい」

なんとなくでも、亀時間やマサさんの空気感が伝わっているといいなと思います。

今ここの「わたし」を感じる 鎌倉ダイアローグ

道草ダイアローグも、ただ目的地に行くのではなく、もっと足元の手触り感からはじめたいという想いがあります。時間と空間をもう一度見直し、私たちの日常はもっと素敵なものに満ちていると気づきなおすこと。亀時間はきっとそれを体感するのにはもってこいの宿ではないでしょうか?

そして、この秋私たちにとって2度目のプログラムを実施予定なので、ぜひこちらものぞいていただけたら嬉しいです。

改めて、『亀時間』で過ごす2日間が、今から楽しみでなりません。

道草ダイアローグ
Waka
Yoshiko
Yuko

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