映画メモ#1 季節のように生きる「日日是好日」
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
清少納言が『枕草子』で詠んだように、日本人は四季の移ろいを五感で感じ楽しんで来ていました。
多忙で混沌とした現世だからこそ、一度立ち止まって季節を感じてみようとは思いませんか。
こんにちは、まちこです。
毎日投稿6日目です。
先日この映画を見ました。
日日是好日
監督:大森立嗣
原作:森下典子
2018年に公開された映画で、樹木希林さんが出演されていることと映画ポスターのデザインに惹かれ、見たいと思っていた作品のひとつでした。
あらすじ
主人公の典子がいとこの美智子に誘われ、茶道を習いはじめるところから始まります。それから20数年にわたり、茶道教室に通い続けることとなる典子が、人生の様々な経験の中で、茶道や人生における大事なことに気づいていくお話です。
メモ1:セリフの表現が心地よい
作品中のセリフが、独特の表現を使われているのが、まずこの作品の良さだと思います。
「先生の所作はどこかに丸みがあった。
山の湧水のようにすぅと体に染み込んでいく。」
お茶の先生の所作を表現したシーンですが、
もし私だったら、「先生の動き、それっぽーい!」と乏しい表現になります。我ながら悲しい。
「栗鼠みたいに軽くて暖かい。」
茶碗を手に取り、それを鑑賞するシーン。
無機質の器のはずなのに、生き物として表現することに感心させられました。
メモ2:作品中の四季が美しい
この作品中では季節の移ろいと共に進んでいきます。
私は茶道に触れたことがないのですが、茶道では季節ごとに扱う道具が異なったり、お茶菓子の種類が季節ごとに違ったりするので、茶道とあわせて四季を感じることができます。
メモ3:「気づき」を与えてくれる
作品中の典子のセリフをいくつか載せます。
「すっごい映画だった。
この映画で感動できない人生なんて、
もったいないって思ったくらい。」
「文字を頭で読まないで、絵のように眺めればいいんだ。
あぁすごい!掛け軸って。」
「雨の日は雨を聞く。
五感を使って、全身で。
その瞬間を味わう。
雪の日は雪を見て。
夏には夏の暑さを。
冬は身の切れるような寒さを。
毎日が良い日。
そういうことだったのか。」
現代社会に生きる私たちは、立ち止まって自分の感性に任せて、何かを感じて、何かに感動して、何かを噛み締める経験が減ってしまっているのではないでしょうか。
この作品では、日常に隠れている「幸せ」や「心地よさ」を教えてくれている気がします。
感想
タイトルとパッと見たポスターの印象で見ることを決めたため、正直茶道のお話っていうことさえも知らずに見ていました。
ただ、メモでもご紹介させていただいたように、映像から、セリフから独特の穏やかな世界を感じさせてくれ、混沌とした世の中から一歩離れ、感性を震わせる経験ができました。
30代のうちにしたいことリストにでも上げておこうと思いました、茶道。
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