ビロードのうさぎ
原作 マージェリィ・W・ビアンコ
絵・抄訳 酒井 駒子
「子供の本当の友達になったら、そのおもちゃは本物になる」
子ども部屋にいる妖精の魔法。
ぼうやのクリスマスプレゼントのおもちゃとして、彼のもとにやってきたビロードのうさぎの話。長い間、彼に愛されながら過ごしたビロードのうさぎは、ある日、彼の病気がきっかけで突然捨てられてしまうことに。いよいよ明日処分というときに妖精が現れ、ぬいぐるみのうさぎが望んでいた「本物」のうさぎになれる魔法がかけられる。
幼少の頃に遊んでくれたぬいぐるみは、今はひとつもない。
成長の段階で少しずつ処分してきたのだが、おもちゃの手放し方はあれで良かったのだろうかと、この絵本を読んでいると嫌でも振り返ってしまう。
子どもながらに、ちゃんと大切にできていたのだろうか。
ぬいぐるみに何を打ち明け、何を共有したのか覚えていないが、自転車のカゴに入れて一緒に近所を回った覚えがある。あのときは近くの海まで行ったんだっけ。
ぬいぐるみひとつひとつの手放し方を覚えてはいないが、所有してきたものたちに対して、なにか無責任なことをしてきたようで、そしてまた適当な処分をしてしまうような気がして、愛嬌のあるぬいぐるみを見つけても極自然に目を背けてしまう。
大げさかもしれないが、関係の終わり方が次の新しい出会いに対する気持ちやカタチを決めてしまうような気がする。
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