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「愛と憎悪の小部屋展」を終えて

2024年3月15日、下記の記事を書きました。

約7か月前、私は友だちが展示会などで使って、何度も行ったことのあったギャラリーを予約し、この記事を書きました。
大好きだったミッシェルガンエレファントのイベントをやろうと決めたんです。

そして今、そのイベントが終わったのですが、本当にやって良かったと思っています。
時間も費やしたし、開催の費用のために節約モードで、納豆ともやしばっかり食べてた日々もありましたが笑、今はこれをやろうと決意した自分を、頑張った自分を、めちゃくちゃほめたい。

がんばったおかげで、あなたの心は救われるよ、
21年こじらせてきた悲しみから一歩進めるよ、
そう言ってあげたい。

今日、何年かぶりに「THEE MOVIE」を見に行って、最初の記事では書けなかった私のこじらせて歪んだ気持ちの始まりを見つけたので、そこから変わっていった過程を自分なりに分析してみたいと思う。

完全な自分語りなので、興味のない方はここまでで!笑
でも今回イベントでお話しした方の中には、ああ、私と一緒!!と言う方も多くいたので、重なる部分も多いかも知れないと思ってます。

そして、私の思い込みが多く、ゆがんだ感覚であると思うので、不快に思う方もいるかも知れません。
でも、正直な気持ちとして書かせてください。
今まで言ってはいけないと思ってあまり言わずにきたことを、前に進むために書こうと思います。

さて、どこから書こうか。

幕張が終わった時からのこじらせ

とにかくライブに行きまくっていた私なので、もちろん幕張も行っています。
でも、幕張は私たちがいつも行っていたライブとは全く異なる形だから、最初からイベント的にとらえていて、ライブを楽しむというより義務としてお別れ会に参加したという感じでした。

見たくないけど最後までちゃんと見届けないと、そんな勝手な使命感。

THEE MOVIEはその時の映像なので、見るのがしんどい。
つらい過去を思い出して、傷口に塩を塗られるようなもの。
DVDを一人で家で見るなんて絶対無理。
でも百歩譲って映画なら、他の人も一緒に見るならなんとか見られる感じ。

今年、また解散の時期に合わせて映画がやっていました。
イベント終了後、今日しかないと見にいったけど、始まる前と最後の部分でやっぱり泣いてしまいました。

そして、私の長年のこじらせの始まりに気づきました。
それが最後の最後、チバが演奏が終わってないのにステージを去ってしまったところです。

あの瞬間、私はチバにおいてかれた、捨てられたと感じたんです。
行ってしまったんだ。ミッシェルじゃないところに。
そして実際にチバは別のバンドを、しかもキュウちゃんだけ連れて始めてしまう。
だから、私はずっとチバを恨んでいました。
私たちを置いて、ミッシェルを捨てて、行ってしまったことを。

これが今回のタイトル「愛と憎悪」でもあります。

チバが亡くなるまで続いた恨み

だから、ミッシェルの後のチバのことは一回も見てないんです。
もともとウエノ推しでもあるので、チバのことにはまったく興味を失ったまま20年。
たまにメディアニュースで見かけるチバは、おじいちゃん味が増した見た目になって、よく笑ってて、とても不思議な気がしました。
もう、別のバンドの「スゴイ人」なんだろうなあと、もう遠くの人のように思っていました。

そんな頃に、チバの病気の発表、そして追いかけて入ってきた訃報。
なんとも変な感じでした。
フワフワしてて、悲しいという感じさえなく。
世間の悲しみの声の中で、ああ、チバはやっぱりすごい人になってたんだなあと、どこか外から見ている気持ち。

でも、そんな私がなぜか献花の会に当たってしまったんです。
ずっとチバを見てきた友だちがはずれていて、なぜ私が?と。
でも、これもタイミングと、私は行くことにしました。
最後にチバにどんなに傷ついたかを、恨みがましく言ってやる!と思って。

ところが献花台の前に立ったら、自分でもビックリするぐらい号泣してしまって。
チバの顔を見てたら、文句なんかより「なんで死んじゃったんだよ」って気持ちしか出てこなくて、声をあげてボロボロ泣いてしまった。
20年も興味なかったはずなのに、なんでだろう?

東京から帰る道すがら、大好きだったミッシェルのときのチバのことをいっぱい思い出しました。
そうだ、私はミッシェルのチバしか知らないけど、そのチバは大好きだったんだ。
チバがいなかったら、チバがミッシェルを始めてくれなかったら、私がミッシェルに出会うこともなかったんだ。
チバ、ミッシェルをやってくれてありがとう、そういう気持ちになれたんです。

それが1月のこと。

ミッシェルを思い出す日々

これをきっかけに、私がミッシェルのものをしまっていた大きいダンボールの「ミッシェル箱」を開けてみることに。

実は昨年10月に、たまたまミッシェルのフィギュアの原型師さんのツイートを見て、リプするために写真を撮ろうと箱は開けてたんですよ。

で、その半開きの箱の中からTシャツやレコードも引っ張り出してみて。

そうしたら楽しかった思い出しかなくて、カッコいい4人の写真をながめるだけで幸せで、ああ、ミッシェルを追っかけていた時は最高の時間だったなあと。

一方で、チバが亡くなったことで、たくさんチバのことが耳に入ってくる。
でも、多くは当然ながらBirthdayのチバのこと。
その流れでミッシェルが語られることもあったけれど、「チバの前やってたバンド」みたいな形でざっくり書かれていることもあり、ちょっとモヤモヤしたりして。

いや、ミッシェルは4人そろってミッシェルなんだよ。
ちゃんとミッシェルのこと話してよ。
ミッシェルはすごかったんだよ?
すごいカッコよかったんだよ?
私の中でちっちゃい声でずっと言ってた。

昔、ミッシェル好きだった人も皆、今はBirthdayに進んでいるように見えて、自分だけがミッシェルに取り残されたような気持ちで。
20年も前になくなったバンドのことが好き!って言うのは、今の音楽が受け入れられないおばちゃんってことなんかな?とか、思ったりして。
この再燃したミッシェル愛を声に出せなかったのです。

なんか苦しくて寂しくて、誰かー!!私と同じ人いませんかーー!!!と言う気持ちがピークになって、こういうイベントをやろうってなりました。

誰も来なくても私が幸せになれるイベント

つまり、このイベントは私の心の叫びでした。
今もミッシェル好きな人、どっかにいるよね?
あの頃、一緒に見てた人どこにいるの?話したいよ、
って泣きそうな気持で立ち上げました。

でもチバを取り上げるでもなく、Birthdayのことはこれっぽっちも知らない。興味持ってくれる人いるのかな?
それでも、私はやるけどね。
私の気持ちを昇華するために!!!

Facebookでイベントページを作り、Twitterのイベント用のアカウントを作って、noteを書きました。
でも、最初は全然反応もなくて、そうだよね~売るわけでもなく見るだけなんてね~って思ってました。

それでも、ずっとしまってたグッズを並べて年代別に並べたり、年表を作って音源の発売順やツアースケジュールをまとめたり、ファイルの中のグッズカタログを見て分類したり、内職みたいなことをコツコツずっと続けて。

それはそれで楽しい作業だったので、このグッズたちを飾ってレコードかけたミッシェル部屋にずっといられる1週間を思ったら、別にお客さんが来ても来なくてもいいんだなって思ったり。

私だけじゃなかったことを確認できた1週間

それが開催の1カ月前をきっていよいよ、と言うころから反応が増え始め、いろんな方が紹介してRTしてくださり、たくさんの人にお知らせすることができました!
その頃に応援してくださった皆様、ありがとうございました!!

そしてイベントが始まると、私が会いたいと思っていた「ミッシェル『が』好き」と言う方が多くご来場くださり、楽しかった話も解散時のつらい話もいろいろできました。

その中で、チバを恨んで20年こじらせていた、と言う話も聞いてもらうと、意外にも「私もそう思ってました」と言ってくださる方もおり、私だけじゃなかった…みんなつらかったんだ…と思いを共有できて、また涙。
チバを応援してきた方には嫌な話であっただろうに、皆さん、私の気持ちを優しく受け止めてくださって、本当にありがたかったです。

あの日、チバに捨てられ、ミッシェルにおいていかれて、幕張に取り残されたままの私の心が、少しずつ埋められ潤って動き出したような気がしました。

オザケンは喜びを誰かと分かち合うことが世の中を熱くすると言ったけれど、悲しみや辛さも分かち合うことって大事なんだね。
こんなにも自分の気持ちが前向きになれるなんて。
本当にこのイベントをやって良かったと思いました。

ミッシェルこそ我が誇り

今回、意外だったのが、生でミッシェルを見たことが全くないのに、メンバーがいるわけでもない、こんな小さなイベントにわざわざ来てくれる方がたくさんいたこと。

そういう方たちは、たくさん見すぎてこじらせていた私とは異なる、別の悲しみを持っていると感じました。
見つけた時にはもう活動してないどころか、メンバーが亡くなっていた、と言う方たちには、まったく別のショックと、好き!の気持ちの持って行き場がとても少ないのだと。
それ故に、こんな小さなイベントでも、彼らに少しでも触れたくて一生懸命な気持ちで参加してくださるのだと分かりました。

もう二度と見ることができないバンドに、こんなに熱心に好きと言ってくれる人がたくさんいる。
改めてミッシェルのすごさにしびれました。
本当にすごいバンドです。
そんなバンドを生でたくさん見れたことは、もう幸運でしかない。
追っかけてた当時も私は、ミッシェルと同じ時代に生まれてよかった、この時代に産んでくれてありがとう!と初めて親に感謝したほどだけれど、ほんとにほんとに幸せな時間をありがとうって神様に感謝しました。

今回、こうしてこじれた思いが少し修正され、あらたな視点をもった状態で見た「THEE MOVIE」は、これまでと少し違っていました。

見る前は、やっぱり嫌で「やめておこうか」と何度も思い、オープニングが始まると悲しい気持ちでいっぱいになりました。
でも、何曲か聞くうちに、ああ、なんてカッコいいの!!!が増してきて。
ミッシェルかっこいい!最高!!!
こんなカッコいいことある?!
改めて、ミッシェルがどんなに素敵だったか、どんなに好きだったか、いっぱい思い出しました。

そして帰り道、思ったんです。
これまで、20年も前になくなったバンドのことを好き!って言うのってどうなんかな?って気後れしていたけれど、もうそんなことは気にしないと。

だって私にはミッシェルが一番だし、ミッシェルを超えるものなんてこの先もないし、胸を張って堂々と「好きなバンドはミッシェルガンエレファントです」って世界の中心で叫びたい。
今も昔もミッシェルが最高。
ミッシェルしか勝たん。

だから、ミッシェルのこと知りたいと思う人がいるなら、いっぱい伝えたい。
ミッシェル好き!ってみんなに言って欲しい。
ミッシェル見てきた人と、楽しかった話をいっぱいしたい。
だから、世代も年齢も関係なくミッシェルのことを話したり、楽しめる企画とかイベントとかもできたらなあと、ふんわり思ってます。

生でミッシェルのすごさを体感してきた私たちには、この伝説を語り継ぐ義務がある!!それぐらい思ってる!!笑

私はもう開き直った。ずっと言い続けるぞ。
「ミッシェルガンエレファントが大好きです!!!」と。

って書きながらまた泣いてるけどね。笑

あとがき

今回のイベントに来てくださった方、
SNSで拡散してくださった方、
そして楽しみに見守ってくださった方、
手伝ってくれた友だち、
みんなみんなありがとうございました。

私個人の心の叫びから始まったイベントでしたが
ビックリするぐらい癒されて終わりました。
すごいセラピーでした。

それぞれ人の数だけ、いろんなつらい思いがあると思う。
それも、みんなでシェアして共有していきたい。
大丈夫。
ミッシェルのこと、ずっと好きでいいんだから。
ずっと推してこうよ。
私たちの最高のロックンロールバンドを。


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スミヨシマチコ
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