【後ろを見る目を失くしていませんか?】
8月13日は盆の入り。
この日は亡き人が彼の地から
帰って来る日だとご存知でしょうか?
要は亡き人が里帰りしてくる日なのだそう。
だから。
墓参りは13日に行くんだって。
亡き人をお墓にお迎えに行く。
13日は亡き人に
ようこそ。ようこそ。とするために行く
お墓参りという訳だ。
ちなみに。
お墓期間中
お墓参りを一回しかしないんじゃあ
一つ足りないってことを
知ってます??
これは知らない人が
過半数かもしれませんね(^ー^)
かく言うあたしもこの仕事を始めるまで
考えたことすらなかったもの。
お墓参りはね
13日と16日に行くのが
本来の形なんだそう。
だってほら。
13日が亡き人をお迎えに行く日なら
お見送りもしなきゃ無礼でしょ?
だから盆の明けになる16日に
もう一度お墓参りに行くって訳だ。
「帰って来てくれてありがとう。
ゆっくり彼の地に帰って下さいね。」
とするため。
何でもちゃんと意味があるもんだよね。
ついでにもう1つ。
豆知識ねん。
これ↓
何だかわかりますか?
お盆になると
きゅうりとなすに竹串を刺して
作ってあるコレがお供えされているのを
見たことありませんか?
きゅうりを精霊馬、なすを精霊牛と
言うんだけどね。
これにもね
ちゃーんと意味があるのよ。
大事な亡き人に
「来る時は馬に乗って早く来て(^ー^)
帰る時は少しでも長くこの世にいて欲しいから
牛に乗ってゆっくり帰って(^ー^)」
という想いを込めて供えるんだって。
古からずっと受け継がれる
優しい意味が込められた
お供えものだってことよね。
日本人は古から
こうやってご先祖様を大切に
供養してきた民族なのよ。
諸外国に比べて
どちらかといえば
日本人は無宗教な人が多い民族だけれど。
ちゃんと大事にしていたものはあるのよね。
大して神も仏も
信心してはいなくても
「ご先祖さま」だけは
大事に大事にしてきたのよ。
彼岸やお盆には
ちゃんと墓参りにいく。
仏壇に手を合わせる。
それは
無宗教な日本人の
たった一つの心の拠り所なんだよね。
いつぞや
とあるお寺様が
こんな説法をされたことがあったの。
「今の世の中。
情報が溢れていて
やれ先を見ろ。
ちゃんと周りを見ろ。と
言われますよね。
もうあちこちに目をつけて
しっかり流れを見ていないと
時代の流れに置いていかれてしまう。
そういう時代に
生きているのですから
仕方ないのですがね。
ただ。
一つ気になっているのはね。
あちこち見なきゃいけなくなった
現代人は
後ろを見る目を
なくしてしまっているんじゃないか?
ということなのですよ。
後ろを見る目。
自分のルーツを大切に想う心のことです。
今、あなたがそこにいるのは
脈々と命を繋げてきてくれた
先祖がいるからだということへ
感謝する気持ちを忘れてはいませんか?
面倒をかけたくないから
子どもに手間をかけたくないから。と
安易に先祖から継いできた
墓をしまい、仏壇を無くす。
それは本当に
先を生きる命のためになるのでしょうか?
自分のルーツをなくした
先の命は
何を心の拠り所に生きるのでしょう?
目をたくさん持たなければいけなくなった
そんな私たちだからこそ
足元をしっかりと固めるために
拠り所を守る。
そんな回帰が必要ではないでしょうか?」
その通りだなぁ。と感心して
聞かせてもらったご説法だったから
よく覚えているんだ。
「墓じまい」を
全て否定するつもりはないのよ。
先に守る人がいないなら
しまっていくのも選択肢。
でも。
守れる人がいるならば。
その先、そのまた先に繋がる命のことを
しっかりと考えて
残してあげるのも思い遣りだと
私も思う。
日本人が一年で一番
先祖を身近に感じるこのお盆に
そんな話を家族でしてみることも
あっていいんじゃないか?と思うのです。
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