シンエヴァンゲリオンを元ネタから考える(ネタバレ有)
公開から一週間以上経ち、ようやく重い腰を上げてエヴァを観てきました。
どうも私はエヴァの「設定を細かく追う」というのが苦手で、映像の綺麗さとか庵野監督が描かんとする原体験のようなものに目が向いてしまいます。なのでここでは「アダムス」がどうとか「方舟」がどうとか書くつもりはありません。
シンエヴァンゲリオンは「孤独で無力な天才が、縁を受け入れて前に進む話」というイメージでした。
随所に「エヴァに関わる人々をその作品と一緒に描こう」とする庵野監督自身の縁を感じます。
最初にそのことに気づいたのは、ネルフ本部に向かう途中アスカとマリが戦う使徒がドリルの形で攻撃してきた時です。おお!グレンラガン!ギガドリルブレイク!
エンドロールにTRRIGERの名前を見て、スタジオジブリの名前を見て、「ああ、やってんなぁ」と確信しました。
これ本気で解釈しようとすると、庵野監督自身に目を向けなければならないやつですね。まるで明治時代の私小説。
「これだから若い男は」というセリフは、すぐに弱音を上げるが危険を顧みず一致団結するパワーがある若手のアニメーターに向けたセリフでしょう。
「ゴルゴダ」「マイナス宇宙」あたりはウルトラマンですね。庵野監督ウルトラマン好きですからね。自分で演じちゃうぐらいですから。
ワンダースワンの「グンペイ」とかも超絶懐かしいですね。庵野監督が好きだったんでしょうか?おそらく作品的には「ひたすら無心で線を繋ぎ続ける」という作業に記号的な意味があるのでしょうが。
「ヤマト作戦」なんてほぼ宇宙戦艦ヤマトですからね。
元ネタを全部探したい気持ちもありますが大変なのでそれは誰かに任せるとして、シンエヴァには「庵野監督が強く影響を受けた作品や人」がおそらく全て盛り込まれていると予言だけしておきます。
試しに「車のナンバーとか何かあるだろ」と暗記して帰ってきたのですが(1701)、ググってみるとスタートレックシリーズの「航宙艦エンタープライズ号」の番号らしいですね。さすが考察班はやい。
大学時代のSFが大好きな先輩の話を斬新な映像とともに聞いているような感覚で映画を見ていました。全部完璧には分からないけれど、好きだという気持ちは伝わってくる。ナディアとかも関係してるんだろうなぁ。
自分達だけ歳を取らない浦島効果は「トップを狙え」かな。もしそうならエヴァQから関連作品の影響を多大に受けていることになりますね。
原画のまま劇場で流したのも、制作に関わる人への気持ちを乗せてのことでしょう。見ててアニメの裏方が直接見える作品なんてシンエヴァとガンドレスぐらいなもんですからね。
というわけで、シンエヴァにはオタク大歓喜の元ネタシリーズが大量に盛り込まれ、しかも全て庵野監督の身の回りの作品達なので非常に見つけやすいはずです。
新たに気づいたものなどあれば教えて下さい。喜んで聞きます。
私は当分は詩を読むかの如く「作者には想定しているものがあるのだろうが、私はこう感じる」ぐらいに留めておきます。その方が楽しめることもあるでしょうし。
気が向いたら庵野監督に関わっていそうな作品とシンエヴァ比較しながら鑑賞したいと思います。