【香港】周庭のTwitter再開、元立法会議員梁頌恒の投獄
2020年9月2日は2つのことが起こりました。
いずれもとても重要なことだと思いますので、それぞれについて書いていきたいと思います。
国家安全法違反容疑で逮捕された周庭(アグネス・チョウ)Twitter再開
一つは香港版国家安全法違反の疑いで逮捕され、その後保釈されている周庭(アグネス・チョウ)さんがTwitterを再開したことです。
彼女のTwitterはフォロワー数50万以上を誇り、ほぼ日本語の投稿によって香港情報を伝えています。
6月末の国家安全法(国家安全維持法)施行以降は言質を取られないようにという配慮もありTwitterの更新を休止していました。
休止前最後の投稿は国家安全法施行直前に投稿された、政治団体デモシスト(香港衆志)の脱退宣言です。
その後、8月10日に外国勢力と結託した容疑で逮捕されました。
12日に保釈されていましたが、9月1日に事情聴取のため出頭しており、その際に逮捕した証拠の一つとして昨夏にデモシストが日本経済新聞に掲載した意見広告を出されたということです。
このことについて再開したTwitterで触れ、国家安全法施行前の出来事に対する遡及が不適切である旨指摘しています。
また、どのように法律違反したのか警察は未だに公表していないとも指摘しています。
Twitterを再開するということは、それだけ当局に国家安全法違反のあら探しをされるということです。
私は日本の無神経なメディアのインタビューもかなり危険であると思いますが、コメントなどによって結果的に不用意な発言を引き出してしまわないよう、お互い節度を持ってSNSと向き合ってもらいたいと思っています。
2016年選挙選出元立法会議員梁頌恒(バッジオ・レオン)の投獄
今年行われる予定だった香港立法会議員選挙。
前回の選挙は4年前の2016年に行われ、6人の本土派議員が選出されました。
そのうちの一人が青年新政(youngspiration)から当選した梁頌恒(バッジオ・レオン)です。
梁頌恒(バッジオ・レオン)は議員宣誓において、「香港は中国ではない」と書かれた香港本土工作室デザインの旗をまとい、中国の発音を変えるなどしたため、宣誓が無効であるとされました。
このような場合、宣誓のやり直しが認められるものですが、本土派を排除したい当局の意向も働き、やり直しが認められないばかりか、議場への立ち入りを禁じられました。
これに対し、同じく青年新政から当選し議員宣誓を無効とされた游蕙禎(ヨウワイチン)とともに議場に押し入りました。
二人の支援者とともに押し入った際、警備員と押し問答になり、警備員が「足を踏まれた」と訴えて裁判となりました。
游蕙禎(ヨウワイチン)とその3人のアシスタントは2018年の1審判決が出た際に控訴せず、4週間服役しています。
梁頌恒(バッジオ・レオン)は控訴を行い、2審でも1審の判決が支持されました。
彼は即時上告を行わなかったため、9月2日より4週間の投獄となります。
ただし9月11日に仮審理が予定されており、ここで動きが出る可能性があります。
今日も香港の状況は刻一刻と変わっています。そんな状況の深層を理解できるような基礎知識を得られる記事を目指しています。皆様からのサポートは執筆の励みになります。どうもありがとうございました