全力でサイコロを振れ | Game 20 / インシーズン・トーナメント ノックアウトラウンド準決勝 vs バックス | 2023年12月7日
人生を賭けた短距離走状態で、勢いや運など色々なものを味方につけインシーズントーナメントを勝ち続けるペイサーズ。ついに準決勝まで来てしまった。相手はシンプル攻撃で有名なバックス。ペイサーズがシンプル攻撃を止める術を持っていないことにバックスが気付いておらず、前回の対戦のようにヤニスがシンプル攻撃に飽きて途中でやめてくれることを祈る。
準決勝ともなると試合に重たい空気が満たされ、1Qはお互い竹刀でつつき合うような慎重な試合運びで、特に何も起こらず不気味な時間が流れていく。
2Qになるといよいよヤニスがシンプル攻撃をし始め苦しむが、マコーネルがミドルトンからスティールを奪うなど大きなディフェンスプレーを連発。スティールからの速攻で点差を離していくパターンで流れに乗る。トッピンのゴール下待ち伏せ(サッカーだったらオフサイド)も効果的だった。
最後はシンプル攻撃を全員で止めて、なんと12点リードで折り返し。
当然、真の強豪バックス相手にこの流れは続くわけもなく、3Qになるとバックスはリラードの3PT攻勢に切り替え、ディフェンスのギアアップにも苦しめられ、一気に逆転を許す。
4Qは1Qの重苦しい雰囲気に熱が加わったような、実力と精神面の両方が試されるような展開に。まだレギュラーシーズンは始まったばかりだというのに。
マコーネルのハッスルティップインで逆転、さらにニースミスのアンドワン、マコーネルの職人芸インバウンズパス襲撃によりミスを引き出し、流れに乗りかけるが、直後にペイサーズが同じようなインバウンズミス。さらにマコーネルがトラベリングで、掴みかけたオンファイヤーはジュッと鎮火されてしまう。
見ている方も吐きそうになるような緊張感のある試合展開の中、マコーネルがトラベリングで2回の謎の笛を吹かれ(ユーロステップ中に吹かれた2回目はまじで謎)、一度奪ったリードがすぐに取り返されてしまう。この時点で僕は落ち着きを失う。
だがその後ハーフラインからハリバートン→トッピンのとんでもないロングパスアリウープで再逆転。なんでこの少年たちはこんなに落ち着いているのかと戦慄する。
そしてトッピンがヒールドのスリーミスをティップインダンク。先述のミラクルアリウープも含め、直前にニースミスと替えてトッピンを入れたカーライルの采配が見事に的中。この時点で残り7:35、103-102で1点リード。
このあたりから、ヤニスがシンプル攻撃をふわっとやめだす。理由は謎だが、正直めっちゃ助かった。
わずかなリードを保ちながら時間が進む。
残り2:20、ターナーがブラウンのレイアップミスをティップインして115-112。ブラウンがミドルトンから値千金のスティールを決める。最後はハリバートンとどめのスリーで勝負あり。
相変わらずの、皆が動きまくって、行き当たりばったりではあるがテンポの速い攻撃を展開し、なんだかんだで最後はハリバートンがまとめ上げるという、サイコロの半か丁かを当て続けるような試合運びでこの日も勝ってしまったペイサーズ。危うさは内包しながらも、大舞台で結果を出せたというのは大きな自信になるのではないだろうか。
トッピンの試合後インタビュー(意訳):
”ハリバートンは最高。当然自分でも勝ちたいと思っているけど、他のチームメイトが勝つところを見たいと思っている。そういう男だし、そういうプレーをしている。それが最高のチームを作っているし、今日の勝利の要因でもある”
IND 128 - 119 MIL
ハリバートン 27P 17REB 15AST 1BLK
ターナー 26P 10REB 2AST 1STL 3BLK
トッピン 14P 6REB 2AST
(MIL)
G.アンテトクンポ 37P 10REB 2AST 2BLK
リラード 24P 7REB 7AST 1STL 1BLK
ミドルトン 20P 7REB 4AST 2STL
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