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シンプル攻撃 | Game 9 vs バックス | 2023年11月9日

イースト3位のバックスとの対戦。
かなり難しいというのはわかっているけど、もし勝てたら得られる自信は非常に大きいと思っていた。それにイースト3位の座も手に入る。

リラードが休みで、自分が決めると意気込んでいるのか、ペイサーズのインサイドが貧弱だと思われているのか、ヤニスがボールを持ってひたすらゴール下に走ってくる。怖かった。

<リバウンド→ヤニスにボール渡す→ヤニス突っこんでくる>という、工場ラインのようなパターン攻撃を何度も何度も繰り返され、それに対して何の手も打てないため得点を取られ続け、精神的にもきついものがあった。
少しリードしてこちらのボールになったら、試合終了まで逃げ続けたかった。でもそれはショットクロックバイオレーションがあるため実行不可能だ。

しかもヤニスは中々ベンチに下がらない。
ヤニスがベンチに下がっているわずかな時間は、本当に気が楽だった。この時間に得点を稼いで、奴が戻ってきたら辛い時間を耐える。そういうルールのゲームみたいな感覚だった。

とは言っても、ペイサーズも強い!
どうやらペイサーズは現在オフェンスレーティングでリーグ1位、且つアシスト数でもリーグトップらしく、何気にかつてのスプラッシュブラザーズ(ウォーリアーズ)のような観ていて楽しいバスケットボールを展開できているのだ。
この試合でも、前半はハイペースで得点を重ね、バックスから2桁リードを奪っていた。

ところが、前述のヤニスによるシンプル攻撃にじわじわやられ、3Qには逆転を許す。3Q最後はネムハードによるブザービーターで、なんとか1点ビハインドで4Qへ。前日のジャズ戦でもクォーター終了間際のブザービーターを決めたネムハード。前任のドゥアルテは元気でやっているかな。

4Qになってもヤニスによるシンプル攻撃は止まない。バックスのチームメイトたち(放送のテロップにrest of teamとか書かれててかわいそうだった)は、これで楽しいのだろうか?皆、当然のようにヤニスにボールを渡す仕事を実行している。

そんなことを考えているうちに、どんどん点差を広げられていく。
4Qも残り5分程になり、10点ぐらいのビハインド。「あ~これはもうキツいかな」と、想定内の展開に諦めの念が芽生え始めたその時だった。突然ヤニスがシンプル攻撃をやめた。しかも、微妙に遠い距離からのジャンプショットを選択してミスしたり、味方へのパスが雑になりターンオーバーになることを繰り返し始める。
正直「なぜ??」と思った。黙ってそのままシンプル攻撃を続けていれば、ペイサーズは為す術もなく負けたのに。

ここからは完全に推測で真相は不明だが、僕にはヤニスが「自分に飽きた」ように見えてしまった。シンプル攻撃をやめた時あたりから、ヤニスの表情に悲しみの色が浮かんでいたからだ。試合前半の、集中して力がみなぎった、怒ったような表情とは180度違う、ネガティブなオーラを纏っていた。
「オレ、なんでひたすら一人でボール運んでシュート決めてるんだろ…」という、楽しいチームスポーツであるはずのバスケットボールへの向き合い方に対する根本的疑問が生まれてしまったのだろうか。

とにかく、ペイサーズはその隙を見逃さなかった。
ネムハードの3P、マスリンのプットバックダンクを皮切りに、ハリバートンのエースすぎる逆転スリー。最後は堅いディフェンスで時間を使い、マスリン、Bブラウンがきっちりとフリースローを決めて締め、大きな1勝を手に入れた。

この試合のMVPは、何といってもジャズ戦以上に勢いのあったマスリンだろう。クラッチタイムにリングに向かってペネトレイトしていく姿はドウェイン・ウェイドを彷彿とさせ、速いドリブルからストップしてディフェンダー越しにジャンパーを決める姿はまるでコービー・ブライアントであった。

バックスファンとしては、リラードがいなかったことを悔しく感じていると思うが、こちらもジェイレン・スミスが欠場していたのだ。スミスがいれば、ヤニスは54点も取れなかっただろう!

試合後ハリバートンは、「多くの選手が活躍する良い試合だった。全員が試合に絡み、勝つための方法を見いだそうという結束を感じる。それが今のチームの勢いに繋がっている」と語ったそうだ(Yahooニュースより)。
その多くの選手を活躍させ、全員が試合に絡む良いチームを作ってくれているのは、他でもないハリバートンだ。
この試合、久々に登場したタイスに積極的にパスを出したハリバートン。彼は勝利に向かうベクトルの上で、みんなに喜びを与えてくれる。すごく人間的な意見なんだけど、人間として最高だと思う!


MIL 124 - 126 IND
マスリン 26P 11REB 2AST 1STL 1BLK
ハリバートン 29P 6REB 10AST 1BLK
ターナー 21P 6REB 4AST 1BLK
B.ブラウン 11P 9REB 7AST 2STL 1BLK
(MIL)
G.アデトクンポ 54P(FG19/25,FT:16/18) 12REB 3AST
ミドルトン 19P 4AST

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