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【ダンスイベントのMC:02】基本スキル
前回の記事でダンスイベントMCの特徴と基本について触れましたので、今回はMCの基本となるスキルをご紹介する回にします。
タイトルを見て頂いてお分かり頂けると思いますが、こういった大きなテーマについてはナンバーを振ってシリーズ化して、その回毎に小さなテーマで深掘りをして行こうと思っています。
正直、こういった書き方も色々と試しながらnoteをやって行こうと思っているので、読みやすくなるアドバイスなどあればゼヒ教えて頂きたいです。
メールアドレス → mcsuv.official@gmail.com
noteの先輩方、黒帯読者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
前置き
どんな職業でも実際に体験してみないと、どんな壁にぶつかるのか、何を鍛錬して乗り越えていくのか、といった段階を踏んでいけないと思いますが、MCにももちろんそういった段階を経て磨かれていくスキルがあります。
僕は司会者の仕事をテキストなどで学んだ事はないので、それぞれのスキルが正式にどんな名称で呼ばれているかは分かりませんが、あくまでMC SUVが呼んでいる名称と説明でどのようなものかを理解していただければと思います。
「現場叩き上げ」なんて言うと響き的にカッコいいのかもしれないですけど、僕に関しては本当に教わる人が居なかったので、テレビや実際にイベントなどで司会をしている方の模倣から始まって、現場経験を重ねる毎に少しずつ変化を加えて今に至っています。
実際に経験した事として自信を持ってお伝えしますが、ニッチな経験の結晶でもありますので、アナタの生活にどこまで応用できるかは正にアナタ次第!鵜呑みは厳禁です。
スキルの分類
さて、一口にMCスキルと言っても、例えば「進行力」などの抽象的なスキルから、「滑舌良く喋る」といった分かりやすいスキルまで幅広く存在しますが、ここで先にざっくり一覧にしてしまいましょう。
基本の意識
司会者の心得、イベントの体制図、役割の把握進行力
タイムキープ、場面転換、指揮と誘導声
声質と声色、聞き取りやすさ、呼吸の使い方言葉
端的に言う、何通りも言い換える、感情に乗せる資料
タイムテーブル、台本、進行表、リストその他、あると活動の幅が広がるスキル
項目を増やしすぎない程度に抑えてみました。
それぞれを深掘りしていけば更に詳細な項目で説明する事もできます。今後そういったリクエストがあれば積極的に進めて行きますので、興味のある方は遠慮なくDMしてくださいね。
それでは詳しく説明していきましょう。
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基本の意識
ここでも繰り返しになってしまいますが確認しておきたい事は、これはあくまでもMC SUVが基本にしている考え方です。
世の中の司会者が全員そうか?と言われれば違います。ただ、広い範囲で応用できるようにまとめましたので、自身の状況に置き換えて参考にして頂ければ幸いです。
それでは、進めていきましょう。
司会者の心得
ひとつ目は心得からです。
【心得:ものごとに対応するに当たり、常に心がけしておくこと】
もはやここを詳細に書き切れば全てを網羅すると言えるのですが、こちらの項目でお伝えしたいのはあくまで、どんな現場にでも対応できる司会者でいる為の基本的な心得です。シンプルに3つでまとめます。
①顛末に責任を持つ事
【顛末:物事の最初から最後に至るまでの部分のこと】
MCはイベントが始まってから終わるまでが持ち時間です。仮に登場する場面やセリフが完璧に決まっていたとしても、それ以外の部分まで全て含めて1日の進行(顛末)に責任を持ち、進行に関する全てにおいて最善を尽くす気持ちを持ちます。
仮に担当範囲以外でトラブルが起こった際にも、マイクを使って多くの人にアナウンスをする事ができるので、不測の事態の収束に向けて自分ができる限りの行動を心掛けます。
②全員の感情に寄り添う事
MCは役割によって立場が大きく変わります。特にその日のお客様がどんな人達かによって、立ち振る舞いも言葉遣いも変わって行くものです。
確固たる自身のキャラクターがある場合を除いて、臨機応変に対応する必要のあるMCという立場においては、どんな状況であっても同じ時間を共に過ごす方々の感情に寄り添った配慮は欠かせません。
万が一にも、誰かを望まない形で貶めて場を盛り上げたり、明らかな優劣を付けて贔屓するような進行で、一部のお客様の感情を置き去りにするような事にならないよう注意が必要です。
③一番目立つ脇役でいる事
MCはどんなイベントでも一度は全体の注目を浴びる存在です。
しかしMCが主役という状況はほぼありません。
ステージ上でひとりになる場面も多いので1日を通して多くの人の目に映り続けますが、どれだけ多くの歓声を浴びたとしても、そのほとんどはイベントに対する期待感によるものであったり、その後に登場するゲストに対するものだったりします。
次のキャストさんが違和感なくステージインできてオーディエンスは迎え入れる気持ちができている、そんな雰囲気作りをイメージして主役よりも前に出る事のないよう、最前線で主役を立てる配慮を心掛けておくと良いでしょう。
僕はこれについて「MCは矢面に立つスタッフ」と表現しています。
以上の3つを叶える為に何をするかは人によって様々あると思いますが、例えば衣装や小道具を決めてキャラクター感や親しみやすさを演出するのも方法のひとつだったりします。
「自分なら何を準備するだろう?」と想像してみてください。
こういった心構えは咄嗟の言葉に現れるので、僕はイベントの数日前から意識するようにしています。
大観衆を前にした熱狂的で感情が爆発するような状況の最中で、うっかり立場を度外視した発言をしてしまわない為にも、イベントの最中は自分を律しています。(その分、普段はだらしないところいっぱいあります…。笑)
イベントの体制図
イベントには必ず主催者がいます。個人か法人かの違いはありますがほとんどの場合、主催者は1人(1組織)です。
しかしイベント当日は様々な役割の方々が関わって1日が創られていきます。規模や内容によって居る居ないはありますが、当日の役割を洗い出すと以下のようになります。
主催者
イベントの統括運営、運営費や物資の管理運営スタッフ
持ち場に応じた業務(受付け、物販、キャスト・お客様対応、警備監視)テクニカルスタッフ(いない場合もある)
音響、照明、映像、カメラマン、その他の特殊装置キャスト
出演者、協賛者などスタッフ以外の方々その他
スポンサー、関係者(取引先、親族、友人、有権者)
MCはキャストに入ります。しかし、その中でも特殊な役割なので、他のキャストの方々と比べてイベント全体を把握しておく必要があります。
ステージ運営スタッフからキャスト、または目の行き届かないエリアを警備しているスタッフの方に至るまで、どの時間帯に誰がどんな事をしているのかをひとつでも多く理解しておく事で、運営がスムーズに行っているのか不具合が生じているのか把握しやすくなります。
更には前項の②で述べた「全員の感情に寄り添う事」と言うのも、体制を理解しているのとしていないのとでは、会場に居る人達に対してどのような言葉遣いをするかに差が生まれてきます。
少しでも多くの「その日の勝手」を知っておく事で、できる限り細部にまで配慮をしたMCができるというものです。
役割の把握
先ほどの項目に続く内容になるのですが、体制を理解したらそのまま誰がどんな役割を担っているかを理解しましょう。そうする事で、自分が何か困った時に誰に指示を仰ぐのか、相談すれば良いのかが明確になります。
分かりやすい例を挙げると、照明の操作に関する相談を受付けスタッフにしてもあまり意味がないのです。
、、、そんなの当たり前でしょ?と思われるかと思いますが、全員が初対面の現場に初めて行く事を想像してみてください。ひと目で誰がどのスタッフさんか分からないですよね?MCの1日はそういう状況から始まる事も多いのです。
僕も駆け出しの頃はトンチンカンな質問を誰かれ構わず投げかけてしまい、スタッフさんのお仕事を増やしてしまった反省が多々あります…。
ですから、まずは主催の方に教えてもらう事。それが難しい場合は1日のご挨拶をするついでに何をされる方なのか聞いておいて、どんな方がどの役割を担当しているのかをできる限り確認するようにしています。
というわけで、事前の打ち合わせなどで当日の裏方さんにどんな方がいるのか教えて下さる主催者の方は本当にありがたいです。
そしてそのようにキャストにも裏方にも同じような配慮をしてくださる方のイベントはトラブルも少なく円満な雰囲気な事が多いです。
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進行力
続いてのスキルは「進行力」です。
これも抽象的で一言ではよく分からないですよね。
正直なところ、この後の3項目で説明する程度では網羅し切れません!
ただし肝となる部分はありますので、今日はその点についてまとめます。
タイムキープ
イベントには必ず始まりと終わりがあります。そして、その限られた時間の中で行われるプログラムやコンテンツに対して時間が割り振られて「タイムテーブル」が作られ、その通りに進行して行きます。
またしても当たり前の事を言いましたが、前回の記事でも触れた通り「イベントにはトラブルが付き物」なので、想定したタイムテーブル通りにイベントが進行していかなかったりします。
僕が過去に経験して一番困ったのは、用意されたタイムテーブルの時間計算が間違っていた時です。
一番と言いつつ実は何度か経験があります。
順調に進行しているのに時間がドンドン押していく、、、これは地獄でした。
なので今では、毎回のイベントの前に「時間通りにコンテンツが完了するか?」という目線で、出来上がった資料をチェックするようにしています。
場面転換
歌手の方が歌う曲によって場の雰囲気が移り変わっていくように、どんなイベントでもコンテンツが変わったり出演者が変わったりと、次から次に場面が移り変わっていきます。
僕はこの転換の時間をとても大切にしています。
この時間をスムーズに、熱を冷まさず、必要なアナウンスも挟みつつ繋いで行く。これが出来た時に、次のコンテンツの盛り上がり(特に初速)が全然違うのです。
もちろん休憩時間が入る場合もあります。舞台などではそういう時も多いですが、複数のコンテンツがある場合は出演者もお客さんも入れ替わったりする場合があるので、休憩時間はほとんどなかったりします。(MCはもちろん出ずっぱりです。)
お客さんも長時間同じ場所でステージを見続けるのも疲れてしまったりするものですから、この転換の時間に身体を伸ばしたり、トイレに行く、水分補給をするなど、イベントに集中していると忘れていたりするのでタイミングがあればアナウンスをしたり、そんな話しをネタにお客さんとコミュニケーションを取ったりする事で、何もないと退屈な時間に言葉で少しだけ色を付けています。
この時も頭の中には「準備が整ったら、どんな言葉で次のコンテンツに移ろうかな。」なんて考えながらトークを続けています。
指揮と誘導
トークで会場を温めて、転換時間の繋ぎも上手くできて熱量も高い状態になると、人は目の前の出来事に夢中になっていくものです。
想像するに容易いと思いますが、そうなった状態の人を指揮・誘導していくのは簡単ではありません。
絶対に必要なのは「筋に通った理由」です。
個人的な価値観でモノを申しても人は動きません。
やはりお願いするからには理由が要ります。
その理由がイベントに参加している全員の為になるかどうか?ここをしっかり考えておかないと、指揮や誘導をする際の言葉遣いで混乱を生んでしまう事があります。
大勢の人に動いてもらう時に投げかける言葉は、
・なるべく端的で
・筋の通った理由をセットで
・心を込めて
述べると賛同してくれる人が増えていきます。
そしてその賛同が周囲に伝染して、より多くの人に浸透していきます。
本日のまとめ
本日は「基本」と「進行力」について解説をしました。イベント主催者と関係スタッフ、演者やお客さん、様々な人の間に立つMCという立場においては、ひとつでも多くの勝手を理解して、周囲の人の2、3歩先の展開をイメージしながら、その場を取り仕切りたいものです。
その為に、何を確認していけば良いのかを明確にして臨機応変に対応していきましょう。
次回も引き続きMCスキルの解説をしていきます。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
ありがとうございました!